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日本語の発声を考える③ 呼び出しの声

オヤジブログ怪気炎 vol.133

先日、ハウステンボス歌劇団を鑑賞してきた。発声の系譜としては宝塚少女歌劇の影響下にあるでしょう。日本の演劇は、それぞれ独特な発声表現を売りにしてきた。能・浄瑠璃・歌舞伎・・・歌劇・ミュージカルだって浅草オペラと劇団四季は違う。
仮面劇である能を除いて、基本演劇の発声は解放されている。最近では目立たないようにマイクを付けて演じることが主流になっているけれど。
野外や大きな会場でも、まだまだ生声で勝負している人もいる。石焼き芋屋さんや竹竿屋さん、大相撲の呼び出しさんがそうだ。特に大相撲はあの大きな国技館の隅まで力士の名前が聞こえるように読み上げなければならない。そしてなぜか、行司さんの発声とはまるで違う。
石焼き芋屋さんや竹竿屋さんのセリフが「いしーいやあーきーいいもおーお、やきいも」「たあーけやあーさおだけえー」と固定されているのに比べて、力士の四股名は千差万別、伸びのある声に向いた四股名もあれば、言いにくい四股名もあるでしょう。それでも全ての四股名を朗々と館内いっぱいに響かせている。ここに日本語をどう発声したら良いか? ヒントがたくさん詰まっていると思うのです。

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