戦術・偽サイドバックの行く末は…

数年前からグアルディオラ率いるマンチェスターシティなど世界のトップチームで採用される偽サイドバックという戦術。

サイドバックの選手が通常よりもピッチセンターにポジションをとり、ボランチのようにボールを受けて、ビルドアップに参加するこの戦術ですが、日本代表チームも新たに取り入れていましたね。

フットボールの変革と共に、サイドバックに求められる役割も変化しています。

従来のサイドバックといえば、自エリアでのディフェンスが役割の中心でした。
それがフットボールの高速化・フィジカル化に伴い、ピッチ上のプレーエリアがコンパクトになり、時間とスペースがなくなってからは、サイドバックのプレーエリアで、攻撃のビルドアップする役割も求めれらるようになりました。
現在は引退されている内田篤人さんが日本代表の時にこうした役割を担っていたように思います。
そのエッセンスを昇華したのが、現在の偽サイドバック戦術ではないでしょうか。

この戦術の中でサイドバックの選手は複合的な能力を求められます。
ディフェンスの際には相手FWと空中戦も戦いますし、相手のサイドの選手が自身の背後のスペースに走り込む動きにも対応しなければなりません。
マイボールになればボランチの位置にポジションを上げ、攻撃のビルドアップにも参加します。
サイドを縦に突破した際には中のFWにクロスを供給します。

こうした能力を複合的に持ち合わせた選手が、現代的な良いサイドバックなのかもしれません。
ボランチの選手がサイドバックでプレーするケースが増えているのも、こうした背景があると思います。
横浜F・マリノスや川崎フロンターレでもこうしたケースをよく目にします。

こうした選手の台頭により、サイドバックの選手のボランチ化が進んでいます。ボランチの選手に求められるスキルに変化を起こすのではないかと感じています。
ボール奪取に優れた選手や3列目のポジションから前線のスペースに飛び出せる選手など、今までのボールを捌くスキルに加え、特化したスキルが求められています。
バルセロナで長くピボーテ(ボランチ/アンカー)を務めてきたブスケッツのような選手は、特定の戦術で戦うチームでない限り不要になってしまうかもしれません。わたし個人は大好きなプレースタイルなのですが…。

偽サイドバックという戦術が、中盤の選手に変革をもたらし、今後どんな選手が現れるのか楽しみですね。





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