🟥プラットフォーム型社会主義における原則〜プラットフォーム型社会主義という提案②〜

プラットフォーム型社会主義とは

プラットフォーム型社会主義とは、現代のデジタル技術などを活用した中間的組織に、様々な「共有・贈与・交換」のネットワークを構築しそれを利用者自身が民主的に運営することによって、社会主義の理念を実現しようという概念だ。
これまでメジャーな社会主義思想の多くが、生産手段の社会的所有のために既存社会の所有制度の変革と打倒を必要としていたのに対し、プラットフォーム型社会主義はそれを必要とせずに、資本主義的社会構造の漸進的変革を目指すものである。

その1. ネットワークの民主化

プラットフォーム型社会主義では、「共有・贈与・交換」のネットワークが民主的に運営されなければならない。プラットフォームの参加者がそのプラットフォームへの自らのサービスの提供とともに所有者となることで、それは果たされるべきである。

その2. プラットフォームの拡大

そして、それと同時にプラットフォームそのものの拡大が行なわれなければならない。コミューン型社会主義との違いは、プラットフォームの拡大を目指しているところにある。
プラットフォーム型社会主義では、取引形態の多様化は認められているものの、それが閉塞的であることは許されない。つまりコミューン型社会主義において行われるコミュニティ加入時に交わされる持続的な社会契約などは個人の自由の観点や”社会主義特有の閉塞感“の解消の観点から廃止されるべきで、あくまで契約は取引時に交わされる個人的なものでなくてはならない。

その3.  政治化の禁止

社会主義の多くは、労働者が国家権力を握る、政治革命を志向していたものだが、プラットフォームの組織は、決して政党や政治への癒着や依存をしてはならない。
なぜなら、プラットフォームの価値は社会的な評価が行われ、存続するべきものだからだ。そもそもプラットフォーム型社会主義は、福祉国家への懐疑から始まったものだ。福祉国家政策は行き過ぎた結果、中間組織の崩壊と個人の孤独化をもたらした。プラットフォーム型社会主義は制度設計に不備がある場合、直ちに崩壊しなければならない。
それを国家が保護することが、より制度設計の不備による問題を放置し膨らませる恐れがあるのだ。

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