本を読むことは孤独ではない 他人に対して言えないことや言いたくないことも本には言えるかな
「本を読まないということは、その人が孤独でないという証拠である」これは太宰治の言葉らしい。
でも、本を読むことは孤独なのだろうか?あるいは孤独だから本を読むのだろうか?
大学生の頃、放課後自室で本を読みながら、「私って寂しい奴なのかな」と思った。同級生は今頃部活やサークル、バイトなんかをしてるのかもしれない。あるいは友達や恋人と仲良く話をしているのかもしれない。
対して私は、もう100年以上前に亡くなった、行ったこともない国の人の小説を読んでいる。
いや、孤独ではない、と私は言いたい。
人間は、他人に対して自分が思ってることを全部言うことはないと思う。できないし、たぶんしたくない。
でも本を読む時、私は本を私の中に招き入れて、自由に胸の内を明かせる。もちろん個別の返事はないけれど、似たようなことに悩んでいる登場人物の過程を読むことで返事のようなものをもらえているような気がする。
もしかしたら私は、日常生活で孤独だから、本の中に孤独でない場所を探したのかもしれない。
「孤独は、山になく、街にある」と三木清は言ったらしい。
街で孤独な人は、本の中に孤独でない場所を見つけられるかもしれない。
おまけ:ちなみに太宰治のおすすめは「女生徒」よかったら。
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