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宮城カレー

いちばんの好物はと聞かれたら、
小豆ともうひとつあげるならカレーである。

小豆の話はさておき、
夏においしいのはカレー。

作るのも、外食するのも好きだが、
最近はもっぱらレトルト。

宮城にあるとあるメーカーの
カレーを食し、
レトルトとは思えないクオリティに
すっかり魅力されてしまった。

一人前500円前後のレトルトカレーは
私にとってはかなり贅沢品である。
だが、カレーのバリエーションの多さや、
季節ごとに出される限定品、
そして何よりインドまで出向いてカレーの真価を追求し商品に活かしている「本気度」は
まさにレトルトを超えて
専門店の味わいなのである。

そういう深い味わいの本格カレーを
家で気軽に食べられ、好きな時に
好きな傾向のカレーを選べる喜びは
カレー好きにはたまらない。

香辛料を調合し数時間をかけて作り込んでいた私はストウブの鍋を放り出して、
宮城のカレー屋にまっしぐらとなった。

何より食糧庫にお好みのカレーが並ぶ嬉しさは
なかなかの幸福感である。
できれば途切れることなく、カレーをストックしこの幸せの光景を維持したい。

とはいえ、
先述のとおり私にとっては贅沢品には変わらない。

そこで最近巷で言われている
防災に備えての
「ローリングストック」という、
好都合な理由を見つけた。

オンラインでカレーをおまとめ購入。
「万が一の備え、コレ大切!」と
己を騙し、
せっせとカレーを注文し、
最近ではついでにスープや、かけご飯まで
手を伸ばしはじめた。

どんなに疲れていても
お気に入りのカレーを温め、ゆっくりと味わう。
サフランライスや、五穀米、ナンをお供に
スパイシーなカレーを堪能すると、どこからか元気が湧き出てくるような気さえする。

子供が独立してひとりでごはんが多くなると、
なんでもありなだけに
日々の食事に濃淡をつけるのは
大事な儀式となった。
時には食器を変え、時間をかけて一品
いちから作るのもいいが、
少しお金を出せば、
贅沢な味をかんたんに楽しめ、
残り少ない余生に彩りを添えるのも良い。

頑張って生きてきた人生後半戦は、
のんびり、楽に
美味いものを食べる事くらい
許してもらいたいものだ。

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