⑪ 飯尾潤著『日本の統治構造』(2007年)

サブタイトル「官僚内閣制から議院内閣制へ」

世界の先進国との統治構造の違いから、日本的な統治構造の特質を描く。 アカデミックでよくある、日本の統治構造を後進的で異質なもの、という捉え方ではなく、広い視野で客観的な論述に非常に好感が持てる。

この本の中で、参議院改革について言及があり、興味深かった。

参議院の現況は、なかなか存在意義が発揮しにくく、「一院制」を主張する声もしばしば聞かれる。 さりとて、一院制にするには憲法から変える必要があり、現実的には難しい。 そこで、参議院の役割を変え、ある領域においては、参議院の優位を認めることにより、二院制の意義をより大きくすることが提案されている。

衆議院には内閣を生み出す役割があり、「対決型」の議事運営が定着している。よって、参議院は、時間をかけて議論し解決法を導き出すべきもの、例えば、「死刑制度」「皇室のあり方」「教育改革」など、党利党略ではなく、じっくりと議論することで、世論形成すべき内容を話し合う場とする、という事。

ボクはとても素晴らしい提案だと思う。

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