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池谷裕二著『夢を叶えるために脳はある~「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす』

 「進化しすぎた脳」などで知られる池谷先生の最新作。高校生を対象にした講義録に大幅に加筆したものだそうだけど、600P以上の分量、高校生相手でも、言葉はかみ砕いても内容は落とさない、という信念が見える、容赦のない情報量でした。脳、人工知能研究の最新の知見まで入っているので、大人が読んでも楽しめます。 タイトルは、なんか、啓発本見たくなっていますが、全然そういった類いの本ではなく、科学教育に資する内容となっています。

 日本の教育の強みは、こういう優れた内容の書物を、若い人たちが入手可能であることだと思います。ぜひ、脳、AI、人工知能などに興味のある若者に手を取って欲しい書物です。600pあるのに2200円!と、非常に頑張った値段になっていることも大切です。

 講義中、高校生達との質疑応答があったりするのですが、答える池谷先生の知識の間口の広さが素晴らしい! 文学、哲学、なども話題に織り交ぜながら、話が展開されていきます。 深い!! ご一読をおすすめします。



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