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私の人生の話。19歳の頃。2
その人達は、小さな机を持っていた。
簡易的な机で、白い布を巻き付けるように掛けていた。
その上には、小さなろうそくが灯っている。
そう。その人達は、占い師だった。
ある週末。
私は、私のアパートで友達と過ごす予定にしていた。
その週末は、19歳の私達にとっては、「お姉さん」と呼ぶのにふさわしい
若い女性が立っていた。
まず、友達が見てもらった。
友達の手に、血液の赤い色が広がる。
「
私の人生の話。19歳の出来事。
あれは、私が19歳だった頃。
私は一人暮らしをする学生だった。
学校からの帰り道、薄暗い通り道に、
その人達は立っていた。
ある夜は、一人で。
またある夜は、3人で。
お互いが、少し離れた場所に。
静かに、そこに立っていた。
私は、毎日、その人達を、横眼でちらっとだけ見て、
そして、家路を急いだ。