雑記#4『小説の舞台』

 読んでいる本の舞台が地元だと、内容以外の別の部分に意識が向いてしまう。都道府県や市区町村単位での一致ではよくあることだが、先日購入した小説は自宅から半径5km以内の場所が舞台となっていた。内容が面白くないというわけではないが、作中の建物の描写が自分が見てきたものと全く同じであるため、「知ってる知ってる。」と思わず心の中で呟いてしまう。
 X市、Y駅、Z警察署などなど、地名や施設名がイニシャルで登場しているが、これらも全て即座に実在の名称に変換できてしまう。この時「どんな展開になるのだろう?」と「この工場ってあそこじゃん!」という2つの心緒が併存してしまっていて、中々本編に集中できない。無駄に土地勘がある分、頭の中で生合成を取ろうとしてしまうのだ。
 京都市在住の人が森見登美彦作品を読む時は、いつもこんな心境なのだろうか。

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