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雑記#15『関西私鉄の陰謀』
大学で関西出身と思われる下級生の会話を盗み聞きしていた。
「駅着いたら東急電車が遅れとって〜」
何だか独特な言い方だなぁ、と思ったがよくよく考えてみると、関西圏ではこの「〇〇電車」という言い回しが一般的なのではないだろうか。例えば、有川ひろの作品に『阪急電車』という小説があるし、中川家の漫才で「京阪電車」とか「南海電車」という言葉を聞いたことがある。さらに森見登美彦作品には、よく「叡山電車」が登場する。我ながらこの仮説は結構好い線を行っている気がする。
関東だと「〇〇線」の方が一般的だろうか。京成電鉄が「京成線」になったり、京王電鉄を「京王線」と言ったり、はたまた京浜急行電鉄を「京急線」と呼んだり。しかし、私の経験では東急電鉄の路線ことを「東急線」と呼んでいる人には出会ったことがない。「東急」と社名だけで呼ぶか、「東横線」「田園都市線」「世田谷線」のように社名を省く場合がほとんどである。
もしかすると彼は関西私鉄の諜報員で、未だ呼び方が定まっていない東急電鉄の路線を「東急電車」と呼ぶことで、関東の慣わしに関西のルールを無理やり忍び込ませようとしていたのかもしれない。
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