「骨折とトイレ消臭スプレー」
onちゃん(オンちゃん)は、1997年に生まれた。
以来、北海道テレビ(HTB)のマスコットキャラクターとして親しまれている。
その誕生の日から、下世話なエピソードが豊富に存在する。
今回は、そんなお話でございます。
私は、HTBに数年お世話になった。
HTBは開局30周年において、ドラマの制作や、新しいキャラクターの制作を予定していた。
テレビ初出演にしてなんとonちゃんの着ぐるみに入る第1号としての栄誉を得た。
誕生から早速、色々な番組で紹介された。
バラエティー番組でもonちゃんの中に入り、onちゃんになりきった。
1つの番組のコーナーの中で、onちゃんがボウリングを楽しみながらボウリング場の最新設備を紹介するという設定があった。
しかし、意外なトラブルが発生した。
ボウリングの玉を支えきれず、腕の部分である角材をへし折ってしまい、撮影は中断された。
その結果、VTRデビューとしては異例の病院送りとなった。
折角、パートナーになれたと思ったのに、それ以後、私はonちゃんの着ぐるみを着る機会はなくなった。
しばらく時が経ち、スタッフの間では「1分間onちゃんの中に入る」という謎の罰ゲームが生まれていた。
onちゃんのクリーニングは難しく、普段は倉庫で冬眠しており、着ぐるみの内部からは、ヘドロの様な汚物的悪臭が漂っていた。
1分間を耐えうる者は誰1人も現れなかった。
イベントや撮影など着ぐるみを使用する場合は、トイレの消臭スプレーを中に吹きかけるという奇妙な光景が繰り広げられていた。
この臭いの原因は後に、安田さんの臭いであると噂された。
「安田さん」とは、北海道を代表する大物俳優の1人であるが、彼に対する私の印象は裸族である。
部内では、安田さんが原因でonちゃんが可哀想という噂が流れていた。
※調べたところ、安田さんがスーツアクターという事でした(笑)ごめんなさい。
いつも通り、水曜どうでしょうという番組の番宣を、平岸高台公園で撮影する日、onちゃんがゲストとして登場した。
onちゃんの中に入る予定の安田さんが現れず、急遽、私が代理でonちゃんの中に入った。
大泉さん(タレント俳優)が、onちゃんと絡むときは決まって転倒させたり、飛び蹴りを披露していた。
私は自力で起き上がる事ができず、何度も起こされては倒された。
後に、リアクションが面白くないという理由でボツになった……。
onちゃんは視聴者に愛される一方で、その舞台裏には笑いと驚き、そして時折の苦労も存在している。
onちゃんの個性豊かなエピソードは今もなお視聴者の心に残り続けています。
onちゃん、腕は大丈夫ですか?
ごめんね。
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