見出し画像

都田で首位決戦を観戦しようとしたら、服部緑地で地域に根ざすサッカークラブがあるよろこびを知った件

7月27日。私の住んでいる地域にあるサッカークラブ、FC今治(JFL・アマチュアクラブの最高峰リーグ、Jリーグ比較含む日本サッカー界4部相当のリーグ)が、JFLの門番として君臨するHonda FCとの首位決戦を、Honda FCのホームである静岡県浜松市にあるHonda都田サッカー場にて開催される予定だった。

Honda FCは企業アマチュアクラブとしてその地位を確固たるものにしている。特に、2016年シーズンから3連覇とその期間JFLを踏み台にJリーグへ駆け上がったチームに対しても負けなしと存在感を示している。

そのHonda FC相手に、今シーズンFC今治はホームで勝利しており、現在勝ち点差3の2位でHonda FCを追うという状態であった。

FC今治サポーターな私的目線では、JFLの聖地と呼ばれれるHonda FCのホーム都田でHonda FCから勝利を得てJ3への昇格、JFL優勝を目指す今シーズンの大一番と捉え今治から現地に応援に行くことにした。

応援に行くために、いろいろ諸事情があったのだが、そのあたりは割愛して、とにかく都田に行けることになった。サポーター仲間が今治から車で自走するシートがひと枠空いており、そこに同乗させてもらうかたちで、7月27日土曜日の朝、今治を出発したのであった。

AM10:20頃 中止を知る

しまなみ海道から山陽道に入り、一路進路を東に車は走る。台風6号が上陸、進路には東海、静岡県も予想されている。その予報から今日の試合開催については、JFLの規定により当日AM10時に開催の有無を発表すると、試合の主催者であるHonda FCから発表されていた。

AM10時を超えて、高速道路を東に進む車内で、スマートフォンのブラウザ表示を何度もリロードする。試合の開催についてなかなかオフィシャルサイトの情報は更新されない。

我々FC今治サポーターを載せた車は、岡山県の吉備SAに停車した。トイレ休憩で降り立ったとき、開催情報は更新された。

結果は中止であった。

一行は落胆した。今日のために仕事の調整など参加者個人個人でも様々な準備があった、私もそうだ。しかし、試合運営の安全性を担保するためには運営側の苦渋の決断であったと皆感じていた。

といいつつ、今回の首謀者この状態を楽しむ姿勢(笑)

さぁ、どうする?

台風とは全く関係ない、真夏の日差しを感じる吉備SAで一行は考えた。このまま今治に戻るのはないよね、と。早速JFLの公式サイトにアクセスする。近隣で開催されているのは、

・FC大阪 vs ヴィアティン三重(服部緑地・大阪)
・奈良クラブ vs 武蔵野シティ(ならでん・奈良)

の2試合。近いのは大阪で日帰りとなると服部緑地でしょ! となり、参加メンバーからもJFL同期であるヴィアティンの応援みたいよね! 先週大阪相手だったし、2週連続で大阪もいいじゃない! と普段できないJFLの他の試合を観に行こう! とカーナビに服部緑地を指定して一行は進路を東に取ったのであった。

服部緑地、到着

台風6号を追っかける感じで進んでいた我々一行。大阪に入ったあたりからその影響にある雨に見舞われながら、服部緑地に到着した。

駐車場に車を止め、陸上競技場へ徒歩で進む。だんだん雨脚が強くなってきて、入場チケットを購入するところにたどり着いた頃は大雨になっていた。

我々一行はFC今治のユニフォームを着用したままでの観戦だったので、チケット売り場でも主催者であるFC大阪のスタッフの方に??? という顔をされるものの、「都田での試合が中止になったもので、ここに来ました〜」と笑顔で応えると、「そうでしたか〜大変でしたね」とか「先週今治行きましたよ!」と温かい声をかけてもらいながら、会場に入場。

入場するとメインスタンドのみ陸上トラック併設のスタジアム。緑の芝が整備されているピッチに目が奪われる。

陸上トラック併設とはいえ、とてもいいピッチコンディション。雨じゃなかったらなーと思いながら、FC大阪、ヴィアティン三重のサポーターに挨拶をする。我々のメンバーには他サポーターとも交流をしている人物がいたおかげで、スムーズに我々の事情を伝えることができた。

FC大阪、ヴィアティン三重双方のサポーターより、「応援加勢おねがいします!」と伝えられるが、ここは前半、後半で双方の応援をさせていただきたいということで了承を得て、前半はまずヴィアティン三重側で応援をさせてもらうことになった。

FC今治サポがウィアティンサポになる

我々一行、FC今治サポであることを隠さず、服部緑地に赴く。それは自分たちの誇りでもあり、開催されているFC大阪、ヴィアティン三重に対するリスペクトでもあった。

前半は、ヴィアティン三重側の応援席に。コールリーダーRYUJIさんが煽る、その煽りにサポーターも応える。チャントがこだまする。まるで自分たちのホームの様にスタジアムを支配しようと、その声を届ける。

しかし、試合内容はFC大阪が主導権を握りゴールを割りそうな決定的なシーンを何度も演出する。苦しいヴィアティン。どうする? そんな風に思いながら、ヴィアティンサポに偽装している自分。気分はヴィアティン目線で必死にコールリーダーの様子を見ながら声を出す。

理屈じゃない。応援しようと思ったら全力でやるだけだ。今日はさらにFC今治のユニを着て大げさだが、FC今治を背負ってやってきてる。ここでヌルい応援の姿なんて見せられるわけないじゃん! といつも以上に声を出した。

あっという間に前半が終わった。

ヴィアティンサポのお手伝いはここで終了。たった45分の前半だけでも気持ちが入ってしまったので、結末まで応援したいと思ったが、今日は双方チームのサポートをしながら、いろいろ学ぼう。と思っていたので後ろ髪をひかれる思いで、FC大阪の応援席へ移動する。

前半終了後、FC今治コールをヴィアティンサポから行ってもらったのは凄く誇らしく、試合に関係ないので大げさにやってもらってちょっと気まずく恥ずかしく…といろんな感情を持ちながら、ヴィアティンの応援席を後にした。

当日の中継動画。59分33秒あたり…中継は前半ハイライトを伝える中、現地音声の裏にうっすらヴィアティンサポによるFC今治コールが…。

後半はFC大阪サイドに

というわけで、後半はFC大阪の応援席へ移動。

FC大阪。ホームなんだけど声出しの人数はヴィアティン側より少なめ。スタンドにはユニを着たサポーターもたくさん来場していただけに、このあたりのファンを巻き込んだらもっと盛り上がるんだろうな〜。なんて思いながら、声出しに参加。

FC大阪の試合運営をしていたスタッフから「なんで三重側で応援しているのかなと思ったんですよ〜(懇願)」と声をかけられ苦笑いをしながら、FC大阪サポのサポートをやるぞ! とスイッチを入れる。

実は私、FC大阪のチャント、ちょっと初見では難しいかなと思うものの、結構好きでJFL3シーズンで耳に馴染んでいたチャントもたくさんあり、純粋に楽しんでしまった。ヴィアティン側より少ない声出しメンバー数だっただけに、逆に応援魂に火がついて逆に前半の応援より、腹から声を出すことを意識して加勢していた。

試合は結局スコアレスドローで終了。自分たちの立場的には角の立たない結果にもやもやもある中、ほっとしたところもあり観戦は終了した。

試合を終えて

試合後は両サポーターと歓談をし、記念撮影をして服部緑地を後にする。

突然現れた、同じリーグに所属するライバルチームのサポーター。しかしなぜそこに現れたのか、すぐに理解してもらえる。いわば皆同志なのである。我々FC今治は下位カテゴリーを駆け抜けてJ1へ最短距離で突っ走りたいとも考えている。

日本のサッカーを変える。

そんなデッカイ夢を抱いて、岡田武史が新しい歴史を作りはじめたクラブがFC今治だ。私は、その夢にのっかっている。いつしかこうサポーターとして当事者になってしまった。その中で知るJFLというカテゴリー。

今まで知識としてしか知らなかったJFLを、当事者として3年目のシーズンを戦っている。そのJFLというリーグをもっと輝かせたいその一助にFC今治も出来ることがある。

地域にサッカーがある喜び。
相手をリスペクトすること。
サッカーを愛し楽しむこと。

Jリーグが開幕して26年。日本にサッカーが文化として根付く。それは確実に前に進んでいると感じた今回の遠征だった。

今回の遠征に誘ってくれたサポ仲間のみなさん、FC大阪、ヴィアティン三重サポのみなさん、今回の遠征で声をかけてくださったすべてのみなさんに感謝です! 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?