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分散型台帳技術とは?なぜ注目されているのか?

はじめに

Project LUCKと書く人

Project LUCKメンバーの大橋です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。

今回のテーマ

ブロックチェーンと一緒に「分散型台帳技術」というワードについても聞いたことがあるけど、分散型台帳技術って何かわからない、なぜ注目されているのか気になるという方に向けて、今回は、「分散型台帳技術」について皆さんに紹介していきます!



分散型台帳技術って何?

分散型台帳技術は、英語でDistributed Ledger Technologyと表記されるため、略してDLTとも呼ばれていますが、簡単に言うとブロックチェーン技術のこと。

ブロックチェーンに使われているデータを記録・管理する技術に名前を付けて、分散型台帳技術と呼んでいる訳ですね。そのため、ブロックチェーン自体は分散型台帳技術を活用した一つの例ということになります。

ただし、分散型台帳技術については確立された定義がなく、ブロックチェーン技術より広い概念として使用されることもあるため、注意が必要です。
(ブロックチェーン関連の用語は定義があいまいなワードが多いので、わかりにくいですよね…。)

さて、数年前から注目されている分散型台帳技術ですが、なぜ注目されているのかご存知でしょうか?
分散型台帳技術が注目されている理由はいくつかありますが、今回は主要な理由を3つご説明していきたいと思います。


分散型台帳技術が注目されている理由

システムダウンに強い

まず、1つ目の理由としてはシステムダウンに強いことが挙げられます。

分散型台帳技術では、ネットワークに参加している複数のコンピューター(ノード)が基本的に同じ帳簿データを保持しています。

複数のノードが同じ帳簿データを保持しているため、たとえひとつのノードがサイバー攻撃や障害等でデータが欠けてしまったとしても、他のノードが保持している帳簿データをコピーすれば問題なく、ネットワーク全体への影響はありません。

また、どのノードでも新しい取引を帳簿へ記録することができるため、いくつかのノードがシステムダウンしてしまったとしても、他のノードが新しい取引を記録すればよく、ネットワークが止まる心配はありません。

このように、ネットワークが止まる心配がないため、システムがダウンしないという特徴があります。

また、上記のような全てのノードが情報を共有することでデータを1か所に集約しないネットワーク構造をP2P(ピアツーピア)ネットワークと言います。


データの改ざんが極めて難しい

2つ目の理由としては、データの改ざんが極めて難しいことです。

分散型台帳技術を利用する場合、取引履歴は以下のように順番にブロックに格納され、各ブロックを直前のブロックとつなげることでデータがチェーン状に長くなっていきます。

ブロックチェーンのデータ構造(イメージ)

このとき、過去のデータを改ざんすると、後続のブロックと整合性が取れなくなってしまうため、後続のブロック全てを改ざんしなければなりません。

この構造からデータの改ざんは極めて難しいとされています。


安価に構築可能

分散型台帳技術が注目されている3つ目の理由としては、環境の構築に係る費用が安いことです。

分散型台帳技術を使用する場合、従来のシステムと比較して、大規模なコンピューターセンター等を構築する必要がありません。
そのため、同程度のセキュリティを持つシステムを安価に構築することが可能となっています。

例えば、分散型台帳技術を証券市場で利用することで、年間1000億ドル(13兆5000億円)以上のコストを削減できるとも言われています。


分散型台帳技術の将来

今回は分散型台帳技術が注目されている理由についてご説明しました。

分散型台帳技術は、従来のシステムと比べて、データの改ざんが極めて難しく、システムダウンに強く、安価に構築可能であるという特性から、幅広い分野への応用が期待されています。

例えば、IoT分野で活用するのであれば、IoT製品が収集したデータを分散型台帳技術を使って記録・管理する等が考えられます。

医療分野であれば、顧客が保険請求をした場合に、ブロックチェーンを通じて保険会社が医療機関へ医療情報(入院期間など)の提供を依頼し、データを受け取ることができれば、セキュリティを確保しつつ、簡単に速く保険金支払ができるのではないか等が検証されています。

その他、土地の権利やダイヤモンドのシリアル番号、シェアリングサービスの利用権利や評価情報等のデータをブロックチェーン上で記録・追跡・管理したり、活用方法は無限大です。

出典:経済産業省
「ブロックチェーン[分散型台帳]、シェアリングエコノミーを活用した新たな産業社会に向けて」

実際に分散型台帳技術を導入するにあたっては、分散型台帳技術を使用したシステムの管理や法規制等、検討しなければならないことがたくさんありますが、実用化されれば社会システム全体が変わる可能性もありますね…!

ブロックチェーン技術についてはこちらの記事でも紹介しています。ブロックチェーン技術について気になった方はぜひこちらも読んでみてください!

参考文献

経済産業省「ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸 ver. 1.0」
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shomu_ryutsu/joho_keizai/pdf/010_s04_00.pdf

CoinDeskJAPAN「分散型台帳技術(DLT)は年間約14兆円のコスト削減に:金融業界のロビー団体」
https://www.coindeskjapan.com/185500/

日本政策投資銀行「ブロックチェーン(分散型台帳技術)とは」https://www.dbj.jp/upload/docs/271.pdf

経済産業省「ブロックチェーン[分散型台帳]、シェアリングエコノミーを活用した新たな産業社会に向けて」
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shomu_ryutsu/joho_keizai/bunsan_senryaku/pdf/005_s01_00.pdf

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