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<MBTI>コミュ力の高いタイプ・コミュ障なタイプ

「コミュニケーション能力」、この用語が定着して久しい。人間の持てる能力の中で最も大事とも言われる。学歴が高くても、体力があっても、コミュ力にはかなわない。そんなコミュ力だが、16タイプ別でも差異は見出すことができる。

 問題はコミュニケーション能力があまりにも重要なので、意味が多様化していることだ。人間の行う言語活動は全てがコミュニケーションと言っても過言ではない。例えば古文書を解読するのも古代人とのコミュニケーションかもしれない。ただ、一般的なコミュニケーション能力には古文書の読解は含まれないだろう。ここでいうコミュ力は「一般の学校・会社でうまく周囲と調和するコミュニケーション能力」としよう。

 それでは見ていくことにする。

コミュ力が極めて高いタイプ

ESFP

 このタイプのコミュ力は最強だ。おそらく小学校から社会人まで一貫してコミュ強のポジションだったのではないかと思われる。ESFPは条件全てが理想的だ。E型は他人と絡んでもエネルギーを消耗しにくく、周囲や世間の求める話題を自分も好む傾向がある。S型の人間は環境や日常生活に関する観察眼が鋭いので、あらゆるコミュニティで優位に立つことができる。その上、F型なので微妙な気遣いも得意だ。P型なので柔軟性があるし、未知の世界への好奇心もある。特に学生の間は周囲を楽しませる能力は大切なので、ESFPはどこに行っても周囲から面白いやつとして好かれるだろう。

 ESFPがコミュ障扱いされるシチュエーションは全く思いつかない。N型が優位に立っていそうな場所ですら」、ESFPはどうにかしてしまう。SF能力が高ければ、どんな場所でもコミュニケーションは成立することが多い。例えばキャバ嬢のような極めてSF能力の高い人種は知識をひけらかす高学歴のような人物に対しても円滑にコミュニケーションを成立させることがある。

ESFJ

 ESFJもまた極めてコミュ力は高い。ESFJはどの環境に行ってもしっかり者も責任感が強いタイプだと思われるし、周囲にとっても役に立つ存在だ。ESFJは結構体育会系適性があるので、組織や集団との調和も得意となる。相手に気を遣ってニーズをくみ取る力はESFJが最も優れているだろう。

 ESFJの弱点があるとすれば、それは村社会的な側面があることかもしれない。ESFJは限られたコミュニティの中でうまくやる上では最強なのだが、しばしば異なるものへの理解やほかの環境への興味は乏しかったりする。S型全般に言えることではあるが、彼らの価値観や興味は環境依存的なので、N型のような普遍的な内容のコミュニケーションは苦手となる。ただ普通の日本社会は会社や家庭といった集団内で優位に立てればどうにかなることが多く、ESFJがコミュ障扱いされることはまずない。

ESTP

 ESTPは典型的なヤンキータイプで、小学生の時は外遊びが大好きだったはずだ。彼らは大体スクールカーストでも上位である。いわゆる「逆らえない陽キャ」はESTPなのではないかと思う。

 ESTPはESFPと振舞いや好みは似ているが、ESFPに比べて相手の微妙な感情をくみ取るのは得意でない。したがってしばしば無神経な態度を取ることがある。少なくとも、根っからの優しいタイプとは言いにくい。この点でESFPの方がコミュ力は高いだろう。

 それでもESTPはコミュ強だ。ES型あるあるで、集団内でうまくやるのが得意だ。マイペースなタイプではないし、S型の地に足のついたコミュニケーションはどの集団でも成立しうるからだ。何よりもESTPはメンタルが強い。相手に嫌われる恐怖で話しかけられないと言ったことはまずないし、初対面の相手にも物怖じしないだろう。やはりESTPはパワーが強いのだ。

コミュ力が高いタイプ

ESTJ

 たびたび16タイプ診断の界隈でもネタにされるESTJだが、彼らは生まれながらのソルジャー・体育会系だ。ESTJは本来、そこまで話題の多いタイプではないし、積極的に他人に興味を持つ訳でもない。むしろ初対面の良く分からない人と会話を盛り上げろと言われても対応できないだろう。

 しかし、ESTJには圧倒的な強みがある。それは全タイプ中最強の組織適合能力だ。ESTJは部活や会社のような「タスクを伴う集団」に入ると水を得た魚になる。日常の業務めいた物事を正確に実行していくことがESTJにとっては生きがいであり、話題のネタにもなるだろう。

 ESTJはあまりユーモアを解すタイプではないのだが、これも一般社会ではどうにかなることが多い。ESTJは反応が良いので、相手からすると付き合いやすいタイプに見えるのだ。例えば典型的なESTJである松岡修造はよく見るとほとんど面白いことを言っていないのだが、テンションが高いので会社の飲み会のような場所では盛り上げ役として重宝されるはずだ。

 ESTJの弱点があるとすればそれは趣味的な集団かもしれない。定年後にESTJは結構困るのではないかと思う。

ENFJ

 ザ・意識高い系である。実際のENFJはそこまで意識高い系要素はないかもしれないが、よく見るとキラキラと目が光っているのが特徴だ。このタイプはキャリア形成のような未来に繋がる話が大好きのように思える。

 ENFJのコミュ力は高いだろう。NF型特有の相手の心をつかむ力があり、独特のカリスマ性が存在する。ただし、ESFJに比べると普通の日本社会では劣後するのではないかと思う。N型の人間は同じ環境の内部の場合はどうしてもS型に負けてしまうので、しばしば空気の読めないタイプとか、浮いているタイプと思われる時がある。

 ENFJのコミュ力が光るのは集団外の要素が強い時だろう。例えば就活の時とか、外部で講演する時とか、バックグラウンドの違う相手と対話する時である。メディアを介して発信するのも得意だろう。ただ、一般社会で言われるコミュ力はどちらかというと内輪向けであることが多いので、この順位とした。

ENFP

 ENFPのコミュ力もおおむねENFJと同じだ。このタイプは面白いし、社交的で、人懐っこい。この点では右に出る人間はいない。ただ、集団内での立ち位置となるとどうしてもS型には負けてしまう。中学校のクラスのような均質性が高い環境ではENFPは不思議ちゃん扱いで、コミュ力が低くはないにせよ、トップではないだろう。実務を介したコミュニケーションもESTJと違って得意ではない。

 しかし、ENFPはマージナルな場面では最強のコミュ強となりうる。どうにも、この傾向は年齢が増すにつれて強まるようだ。ENFPは異なる環境の人間と話すのが得意なので、中高年になっても色々な友達が出来たりする。社会人になると意識的に動かない限り交友関係は広がらないので、この段階のENFPは最強になりうる。

ENTJ

 ENTJも一応はコミュ力が高いタイプに分類されるだろう。彼らはESTJに比べると新しい環境や未知の世界に興味を持つことが多いし、物怖じをしないという点ではESTPに近いところがある。また、ENTJは上昇志向が強く、集団内の力関係を敏感に察知して、上位に上り詰めるのが好きだ。陽キャの集団に混じることそれ自体を出世めいた観点でとらえている節がある。ESFPが楽しいから一軍にいるのに対し、ENTJは野心のようなものが絡むのである。

 ただ、ENTJのコミュ力はES型に比べると劣るだろう。まずESFPのようなタイプには好かれにくい。ENTJはどこか威圧感や権威性が目立ってしまうので、相手の心に訴えるようなコミュニケーションとは真逆になってしまう。それでもENTJのコミュ力が高いことは間違いない。ESTJ以上に実務的な場所では怖がられることが多いが、それでも物おじせずに押し通すのが彼らの強みだろう。

コミュ力が平均的なタイプ

ENTP

 このタイプはE型でありながらあまりコミュニケーションが得意ではない。一般にENTPはオタク系だと思われることが多く、陽気で人に絡みたがるにもかかわらず、なぜかコミュ障という自己認識が強い時がある。実際、見た目に依らずコミュ障というタイプは高確率でENTPである。

 ENTPはアイデアマンで話題も豊富であることが多いのだが、絶妙に世間受けしないことが多い。メディアのような場所なら最強なのだが、日常会話となるとENTPの好む話題は周囲に受けにくいだろう。ひろゆきやホリエモンが体育会系集団や村の井戸端会議に入ってコミュ強でいられるだろうか?私にはあまり想像がつかない。少なくともホリエモンは田舎の運動部文化は大嫌いらしい。

 ENTPの特徴を見ていると、均質性が高く日常的な集団が得意でないようだ。N型は多かれ少なかれその性質があるが、ENTPの場合は独特の破天荒さや鈍感さによってその問題が表面化しやすい。

 とはいえENTPはコミュ障とは言い難い。ENTPは社交的であることは間違いなく、適切に動けば話が合う人間は簡単に見つけられるはずだ。満遍なくコミュ力を発揮することは難しいが、一部の人間に対してはコミュ強でいられるだろう。特にN型に対してはENTPはかなりのコミュ強と思われる。N型の多い環境(超進学校とかオタサーとか)であればENTPはトップカーストにいることがある。

ISFP

 ISFPのコミュ力は普通である。そこまで積極的に出るわけではないが、空気を読むのが得意だし、場の要請に応じた常識的な判断を行う。ISFPは16タイプの中でも最も数が多いタイプだが、ISFPはちょうど世の中の平均層を作っていると言える。

 ISFPは雑多な場所や初対面の場ではそこまで強みを発揮できないだろう。しかし、環境を一定期間共にしていると、そこそこ話題が増えていき、会話が弾むようになる。ISFPは集団に協調することは得意なので、他愛もない日常会話から集団の噂話まで、スムーズにコミュニケーションを取ることができるだろう。

INFP

 16タイプに関する議論ではいつも社会不適合ポジションに置かれるのがINFPである。しばしばいじめられっ子とかぼっちとも言われる。しかし、筆者の知る限り、INFPで致命的にコミュ力が足りない人物は思いのほかに少ない。意外にも多くのINFPは要領よく立ち回っている印象である。

 INFPはコミュニケーションが苦手なI型であり、N型の特質である浮世離れした感性を持っている。こだわりもかなり強く、人見知りな傾向がある。しかし、INFPは限られた交友関係を作るのは非常に得意であり、進んで外界に働き掛けないまでも、致命的なコミュ障ムーブを取ることは回避している。人間関係をメタ認知する能力の高さがこうした振る舞いを可能にしているのだろう。

 INFPのコミュ力は独特だ。見方によっては高いともいえる。INFPは会社組織のような場所は苦手かもしれないが、人間関係の構築能力は意外に高く、趣味のコミュニティのような場所では交友関係を広げていることが多い。集団や組織といった枠組みを度外視すれば、INFPのコミュ力はかなり高いのである。

INFJ

 こちらもINFPと同様に16タイプの界隈での評判の割に一般社会では結構コミュニケーションを得意とするタイプである。INFJの場合はステルス性が高く、外見では判別できない時がある。表面的には周囲から慕われる人望のある人物と思われていることが多い。集団内で陽キャとしてふるまうわけではないが、それなりの人格者として認識されているので、立ち位置は作りやすいだろう。

 INFJは決して他人に対し強く出るタイプではない。しかし、相手の気持ちを汲み取る能力には優れており、N型特有の浮世離れした要素も何とか隠しきることがほとんどだ。というか、INFJがN型の思考回路を公の場で語ることはほとんどない。だからこそネット上にINFJの素直な本音が漏れているのかもしれない。

 INFJの人間関係疲れはコミュ力の低さというよりも繊細さにあることがほとんどだ。客観的には円滑にコミュニケーションが取れているのだが、本人の内面は妙に疲れているのである。

ISFJ

 かなり微妙なラインではあるが、ISFJのコミュ力は平均層にギリギリ入っているだろうか。ISFJは引っ込み思案でそこまで他人に強く出られるタイプではない。自分の意志をはっきり出せないお利巧さんタイプであり、ステレオタイプの日本人に近い。

 ただし、ISFPと同様に集団への適応能力が高く、コミュニティの内部であればそこまでコミュ障化はしないのではないかと思われる。J型なので多少まじめすぎる傾向があるが、職場のような環境ではむしろ頼もしいと思われるだろう。

コミュ力がやや怪しいタイプ

ISTP

ISTPは一匹狼とも言われるようにあまり社交的なタイプとは思われていない。ただ、実際のISTPは個人差が大きいようにも思える。いわゆる陽キャグループに入っている人間も多い。ただし、会話の中心に入るわけではない。オタクグループにもISTPは沢山存在する。S型の中では最もオタク的性質が強い人間であり、趣味のコミュニティでつながりを持っていることも多い。

 ISTPに関しては人にもよるが、集団内ではある程度コミュニケーションを取れるタイプだろう。ここでS型の適応能力は生きる。

コミュ障

INTP

 これこそまさにザ・陰キャである。陰キャの王と言ってもいいのがINTPだ。彼らの気質はマイペースそのもので、話題も日常生活やモテとは程遠い内容が多い。したがってINTPは典型的なコミュ障ということができる。

 INTPの典型的なイメージは一人で興味を突き詰めるタイプであり、基本的に周囲の人間には強い興味を持っていない。もちろん話題が合う友人とは仲良くできるのだが、周囲に影響されるわけではない。このようなマニアックすぎる生態はコミュ力という観点ではマイナスだろう。

 ただし、INTPは専門的な内容について話すときや、同行の士の集まりであればコミュニケーション能力は一定程度発揮することができる。あくまで集団や組織的行動への適性の低さが原因と考えるべきだ。

INTJ

 INTJもまたコミュ障要素の強い性格タイプだ。INTJは有能で上昇志向だが、ENTJと違って周囲に媚びるのを良しとせず、きわめて自律的にふるまう性格タイプだ。ENFPやESFPの人懐っこさとは正反対で、なれ合いを嫌い傾向にある。

 これはIN型全般に言えるのだが、INTJは価値観の合わない人間と行動を共にするのが得意でない。S型の場合は一緒に環境を共有しているだけでコミュニケーションが成立することが多いのだが、N型はあまり日常や現実に重きを置いていないため、身近な人間であっても通じない人間とは通じないことが多い。INTJはこれに加えて独特のとっつきにくさが存在するため、通じない人間と進んで関わろうとはしないだろう。

 とはいえINTJの場合は自分一人で物事を切り盛りすることを志向しがちであり、コミュ障であっても別に問題ないと考えていることもある。

ISTJ

 ISTJはコミュ障としての性質が強い。内向的な上にまじめであり、典型的ながり勉だ。INTPと違って話題が豊富なわけでもないだろう。スクールカーストに関しても、あまり遊びにたけたタイプではないため、そこまで高くはない。

 ただし、ISTJのコミュぶりは意外と実社会で問題にはなりにくい。というのもISTJは黙々と仕事をするタイプであるため、実務への適性が非常に高いからだ。学校であってもISTJは部活への適性が高いことが多い。ESTJと同じく、タスクを介した人間関係の構築はISTJにとって得意なのだ。

 ISTJはそこまで飲み会などでは話さないが、周囲の信頼を勝ち得ているタイプだろう。堅実な市民として社会に貢献していくに違いない。

まとめ

 今回は16タイプのコミュ力について論じた。今回はかなりざっくりとしていて、粗が多い。人間にとってコミュニケーション能力は最も大切といっても過言ではなく、このブログも含めてあらゆる言語活動はコミュニケーションの一類型である。そのため、本当の意味でどのタイプがコミュニケーションに優れているとか劣っているとか論じるのは難しい。

 今回のコミュ力は一般的に学校から会社に就職した人間が考えるコミュ力の感覚をなぞったものだ。実際はS型とN型で得意とするコミュニケーションの形はかなり異なるので、シチュエーションによって強い弱いが分かれるだろう。この辺りの議論は後日投下したいと思う。

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