東大生に多いMBTIタイプを徹底解説する

 最近はMBTI、または16タイプ性格診断と呼ばれる性格分類が流行っているようだ。
 私自身もこの性格分類を非常に気に入っている。このような体系的な性格分類はなかなか存在しないからだ。「右脳左脳」とか「男脳女脳」といったスキームは以前に流行ったことがあるが、いずれも二元論だ(これらの言説の科学的根拠は疑わしいので、単なる性格のタイプ分けという認識である)。
 一方でMBTIは2×4の軸で性格を分けることができるので、より体系的に性格を考えることができるのである。

 東大生の16タイプには明確な傾向がある。東大生=天才とか、東大生=ガリ勉といったステレオタイプほど極端ではないが、そこにはある程度の傾向が存在したのは間違いない。そこには受験勉強や知識教養と性格に関する密接な相関が見て取れるのである。

I型≧E型

 16タイプ性格診断では最初の文字は内向型と外向型の区別を示す。東大生は確かに陰キャが多い。ただし意外と陽気で社交的な人間も多く、面食らう学生も多かった。確かに世間一般と比べて若干I型が多いのかもしれないが、明確に特徴付けるほどではない。 
 E型の方が社交的な分、気が散りやすいのでI型の方が受験勉強の適性はあるのかもしれない。

N型>>S型

 東大生は一般社会と比べて圧倒的にN型が多い。これは東大を特徴づける顕著な特徴である。N型は想像上の事物の話を好むので、アカデミックな能力との相関が極めて強い。S型の人間にとっては古代ギリシャの都市国家の話や天体の運動の話など退屈極まりないが、N型はこうした話に興味津々である。こういった知的好奇心旺盛な学者タイプが東大生には多い。
 N型の長所はその洞察力である。表面に現れる具体的なものごとから一般法則を導き出したり応用的なアイデアを考えたりすることは得意分野だ。こうした能力は難関大の二次試験に必須の能力である。
 情報ソースは曖昧だが、N型はS型よりIQが高いという話もある。図形の把握や言語の情報処理はN型の方が得意のようだ。

 人気ドラマ「ドラゴン桜」には興味深いシーンがある。阿部寛の演じる東大特進主任の主人公が生徒と街に繰り出し、4ヶ国語表記の看板を見つける。主人公は生徒たちに「なんでこの看板には日本語の他に英語・中国語・韓国語の看板があるのか考えてみろ」と問うのである。生徒は典型的なS型なので「理由なんて考えたこともないし、どうでもいい」と白けた反応だ。そこを「日本に来る外国人は近隣の中韓が多いのではないか」と考え抜く力がN型に備わった強みなのである。こうした考察能力は東大入試に必須の能力だ。

 一般社会ではS型が七割程度なのに対し、東大生は半分以上がN型だ。そのため東大生の会話はフワフワした感じの話が多い。よく東大卒の短所として「口ばかりで手を動かさない」というのがあるが、これも頭でっかちで机上の空論に走りがちなN型の特徴が出ているのである。

T型>>>>>F型

 東大生は圧倒的にT型が多い。男性の割合が多いというのもあるが、それを考慮しても圧倒的にT型ばかりである。論理性は学術的な能力として重要なのでTの割合は高まる。数学や物理、更には哲学や法学といった分野もFよりTの分野だ。
 また、T型の方が競争心が強い。そのため「日本で一番難しい大学」という点に魅力を感じやすい。受験勉強に対する野心がF型よりも更に高いのだ。
 東大生の多くが男子中高一貫校の出身という要素もあるかもしれない。こうした学校は自我が形成される思春期のときから男子ばかりで過ごすため、校風が軒並みT型に寄っている。公立中高で異性の目を気にして大人しく過ごしてきた人からすると、男子校のハチャメチャな風土は異質に見える。こうした偏りもまたT型偏重の原因と考えられる。

 T型の多さは東大の特徴の一つ「つるまない」に影響を与えているだろう。彼らは論理に忠実なので、「絆」や「連帯感」といった項目に疎い。どうしてもサバサバした雰囲気になってしまうのである。稀に「東大以外は大学ではない」と主張する人がいるが、これは母校を愛しているのではなく、学歴ヒエラルキーを振りかざしているだけである。

J型>>P型

 これまた東大の偏っている点である。J型はP型に比べて圧倒的に多い。理由は単純である。J型の方が真面目なのだ。
 J型の人間は塾の宿題をコツコツやるし、学校でも優等生タイプだ。そうして高校三年間勉強し続けた人間が東大に合格しているのである。

 J型が多いことが原因で、東大生は保守的だ。「東大生はリスクを取らない」と言われる所以である。代表的な就職先として常に挙げられる官僚はまさに保守の権化のような場所だし、東大閥の金融機関やアカデミアも同様に保守性が顕著である。

 テレビに出てくる東大生は地頭は良いが変わっていて、突き抜けて楽しそうな人間が多い。しかし彼らはP型なのでどちらかというとマイノリティだ。多数派を占めるJ型の東大生はそういった番組には出たがらない。またJ型はユーモラスな人が少ないので番組側もあまり呼びたがらないだろう。

東大生を特徴づける性格タイプはINTJ

 以上に挙げた傾向により、東大生は非常にINTJが多い。彼らは日本社会では希少な存在である。そのため東大生であっても絶対数が一番多いかはわからない。しかし一般社会と比べた存在比を考えるとINTJの人数は桁違いに多いだろう。彼らが東大の校風の特徴を形成しているのである。
 したがって東大生は保守的で競争心が強い。知識教養も豊富だが、クイズ番組に出ているタイプと比べて「堅い」人が多い。まさに一昔前のキャリア官僚である。保守的なアカデミアも雰囲気が近いかもしれない。
 彼らは真面目だが、N型の特徴が出るので無批判に目上の人間を尊敬するようなことはしない。立場が上の教師や上司であっても、言っていることが非合理的と考えれば容赦なく批判するだろう。彼らは本質的には権威主義的なのだが、JTCでは反抗的なタイプとして見られるのはこれが理由である。

他によく見るタイプ

 INTJ以外のタイプはどうだろうか。ENTJはINTJと並んで非常に多いタイプである。INTJと比べると学術的探究心は薄く、出世欲や名声欲の強さが目立つ。意識高い系や外資コンサルに行きたがるタイプに多い。
 INTPも非常に多いタイプである。彼らは要するに頭のいいオタクである。面白い人が多いし、世間一般の東大生のステレオタイプに近いかもしれない。彼らの学生時代は非常に楽しそうだ。ただし東大内部ではそこまで優秀と思われてないし、就活も弱い。
 ISTJもそこそこ多い。いわゆる真面目なガリ勉タイプである。ただしINTJに比べると存在感は薄い。ただ努力しただけではなかなか超難関大には届かないのだ。
 意外とよく見るタイプはESTPである。彼らは駒場キャンパスでオラついている元気いっぱいの陽キャである。受験勉強に関する性格上の優位性はないように思えるが、何故か結構目撃する。彼らは学術的探究心に乏しいが、思いの外学歴には関心があるようだ。金や高級外車と同様の単純なステータスと考えているのかもしれない。
 女子はISFJとINFJが多い。大人しく真面目な印象である。男子と比べて素っ頓狂なことはしない。私大文系のようなギャル系はほとんどお目にかかれない。

見かけないタイプ

 東大で余り見かけないタイプはINTJの真逆となるESFPだ。彼らは優しい陽キャというのが第一印象だろう。マイルドヤンキーやギャルによく見かけるタイプである。彼らは学術的な話に対して興味はなさそうだし、価値観が全く違っているだろう。
 普通の小中学校で陽キャグループのノリを形成しているのはESFPが多い。しかし、東大の陽キャにこのノリは全く存在しない。したがってマイルドヤンキーのような連帯感や親分肌はない。勢力の大きそうな集団にくっついていって、騒いでいるだけという印象を受けた。
 ENFPも東大と相性が悪いタイプである。このタイプは稀に見かけるが、総じて東大の風土には合わないように見受けられた。ESFPは興味関心が大多数の東大生とギャップがあるという印象だ。しかしENFPはN型である故にINTJとは興味がかぶる。INTJから見ると「メチャクチャな感情論を語る痛いやつ」と思われてしまうのである。彼らの善意もだいたいボコボコに批判されて終わる。見ていてちょっと可哀想だった。

東大生の価値観

 東大や東大閥の職場で優秀とされるのは大体がENTJやINTJである。彼らはヒエラルキーに従い、エリート的な競争を繰り広げている。論理的ではあるが、殺伐としている。彼らの価値観は官僚や外資コンサルに近い。
 INTPやENTPはそこまでウケは良くない。大体は「オタク」や「変人」といった扱いである。彼らは地頭は悪くないし、知的で面白いのだが、秀才タイプとはギャップがある。以前の投稿で述べた「学者タイプ」である。
 意外に立場があるのはESTPである。彼らはどこでも陽キャ扱いを受ける。あまり知的な雰囲気はないのだが、優れた問題解決能力でINTJの一段上を行くことも多い。ESTJも似たような感じだ。S型は地に足が付いているので無難に物事を進めるのだ。
 INFPやENFPはそこまで居心地が良くないだろう。N型であるために却って自分の価値観が否定されたように感じるかもしれない。周りの評価もそこまで高くはない。

こうした環境は良いことなのだろうか

 東大は一般的な環境と比べると明確にN・T・Jに寄っている。ここに関しては良い面と悪い面がある。
 良い面は何より理知的な人間が多いことである。彼らは博識だし、アイデアも豊富だ。また、非科学的な根性論を押し付けてくる人間もいない。理不尽なことをINTJは好まないのである。
 オタクにとっても楽しい環境だ。話が合う人間が多いし、レベルも高い。SFの多い環境特有の同調圧力がかからないので居心地は良い。

 しかし、トータルで考えると悪いことの方が多いかもしれない。まず第一にN型が多いので机上の空論に走りがちだ。東大生の集団は意見対立が多いし、なかなか手を動かす人間がいない。それぞれの人間が持論を持っているために評論家的なところがあり、会社組織では使いにくいと思われるだろう。
 T型が多すぎるのも問題だ。彼らは人の気持ちに鈍感だ。論理が正しければ躊躇なくそれを主張する。そのため独特のギスギスした雰囲気が作られる。無能な人間は見下されるし、頑張って作った資料もクオリティが低ければ容赦なく否定されるのである。普通の環境であればF型が多いのでこうはならない。同調圧力は強いが、その代わりムードメーカーや優しい世話焼きタイプがいる。和を乱す「正論」は抑制されるのである。
 上の2つほどではないが、J型が多いことの弊害もある。東大生の多い集団はどうしても保守的になってしまう。それが直ちに悪いとは言えないが、イノベーティブな動きは生まれにくい。現に東大生の多くが進む官僚や金融などの業界は、概して革新性は求められない。こうした業界はルールが定まった中で脱落式の出世競争が行われる。こうした競争はJ型の独壇場である。

 東大生という集団は良くも悪しくも偏っている。パーソナリティ面では明確な傾向が存在する。出身校や生育環境もそうだ。学力の高さもある意味では偏りの一つとも言える。
 その良し悪しを断定するのは難しい。昔から言われるように、アタマのいい人を集めた組織が良いパフォーマンスを産むとは限らない。むしろ逆効果になってしまうことも多い。効率的で活力に満ちたチームを作るにはバランスが大事なのである。



 
 

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