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ファインディング・ニモは今だったらLGBTの話にされているだろう

 先程テレビを付けていたらファインディング・ニモが再放送されていた。私も子供の頃に何回か見た記憶がある。それなりにヒットしたので今でも知名度は高い。

 冒頭でクマノミのマーリン夫妻が魚に襲われ、妻と子供の大半が死亡してしまう。生き残ったのは夫のマーリンと子供のニモだけだ。二匹は父子家庭として生きることになった。

 クマノミの生態を念頭に置くと、これはどうにもありえない展開らしい。というのもクマノミには「性転換」という奇妙な修正があるからである。クマノミは群れの中で一番大きな個体がメスに性転換し、子供を生む。メスが死んだ場合は二番目に大きな個体がメスに性転換して子孫を生み出す。このケースではマーリンは妻を無くした後にメスに性転換するはずである。

 ファインディング・ニモが放映された2003年頃は未だアメリカにポリコレ旋風が巻き起こっていなかったので、この作品は特にLGBTネタが取り入れられずに終わった。しかし、性転換する動物というのはLGBTを描写する上で格好の題材かもしれない。もし2020年代にファインディング・ニモが放映されていたら、確実にマーリンはLGBTになっていただろう。

 筆者はアメリカ人ではないので映画に無理くりLGBTネタを入れこめという圧力にはどうにも首をかしげてしまう。映画は創作の場であって政治的プロパガンダの場ではないからだ。そもそもポリコレ、すなわち「政治的正しさ」という語自体が北朝鮮チックで少し不気味である。

 公的な芸術表現の場に異常な政治的圧力がかかるというアメリカはかなりヤバい状態にあるのではないかと言うのが個人的な感想である。 

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