橋の上では神々の饗宴中、バッカスが歌い終わる否や、彼の上に«暗闇Obscurité»のテロップが現れた。そこで舞台は変わり、セーヌ川の水上ステージに移る。何十人かのダンサーたちがまるで「闇」の恐怖・・・気候変動による干ばつ、洪水、森林火災・・・を表現しているかのように激しく踊る。その激しさが頂点に達したと思われたその瞬間、ダンサーたちは次々と倒れて、闇に包まれる。 暗闇が支配した川面に岩だらけの小島のような筏が現れ、その上で女性歌手とピアノ奏者が静かにジョン・レノンの«
開会式の章は友愛«fraternité»から«Sororité»となる。 あまり聞きなれない単語だが、frère(兄弟) から fraternité が派生しているように、sororité はsœur(姉妹)を起源とする。もともとはfraternitéと対になる言葉だった。が、フランス大革命中に「Liberté自由・Égalité平等・Fraternité友愛」が国家の標語として採用されて以来、fraternitéの意味幅は広がり(日本では明治時代に伝わったがさらに広く解
ファッションショーは、開会式の式場となる「イエナ橋」(エッフェル塔とトロカデロ広場を結ぶ・・・終点)の手前にある「ドゥビリィ橋」で行われた。 「ドゥビリィ橋」は右岸の近代美術館(東京宮殿=パレ・ド・トーキョー・・・マチス、ピカソ以降の名画が豊富に収蔵されたこの美術館は無料で見学できる)と左岸のケ・ブランリ博物館(こちらは有料・・・アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカの固有の文明・文化・芸術を収集している)を結んでいる歩行者専用の橋だ。 パリ・オリンピック開会式で
セーヌは流る。 船はシテ島のコンシエルジュを左に見て、ポン・ヌフ(新橋)を過ぎ、ルーヴル美術館「方形の庭 Cour carrée」と学士院(アカデミー)を繋ぐ「芸術橋Pont des Arts」をくぐる。次の章は«Égalité平等»。 フランス陸軍合唱団の力強いコーラスが流れる中、「フランス共和国親衛隊が入場します」とNHKの司会の声が聞こえる。先の富樫氏によると〈Orchestre de la Garde républicaine〉=〈ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽
ジャコバン革命から一気に第三共和制へ 前回、パリ五輪の開会式直後、その式中の場面で国立図書館のシーンを取り上げた。それから一週間、開会式については様々な感想・意見がネット上で飛び交ったし、今もなお飛び交っている。それだけ、このオリンピック開会式は強烈なインパクトを世界に与えたということだ。それまでのオリンピック開会式は、開催国の歴史と文化、その豊潤さと魅力を歌や踊りで凡庸に(更に言えば抽象的に)紹介していただけだった。当然、世界中の人たちもこの度の開会式も程度の差はあれそ
パリが紹介した恋愛小説(?)・・・オリンピック開会式(1) 「パリ・オリンピック2024」がついに始まった。昨日(7/27)の朝は2時半から・・・眠くなったら眠るつもりで・・・テレビのスイッチを入れ開会式に臨んだ。結局好奇心に駆られて全部見てしまったが・・・。心配していた雨も降っていない様子だったのでホッとしたのもつかの間、一時間もたたないうちに降り始めて、聖火が気球の籠に乗せられて空に浮くまで降り止むことはなかった。パリ市(イダルゴ市長)は歯噛みして悔しがったに違いな
パリのセーヌ左岸の6区に、パリで最も古い 教会がある。l’Église Saint-Germain des Présサン・ジェルマン・デ・プレ教会だ。6世紀から始まるサン・ジェルマン・デ・プレ修道院は紆余曲折を経て、現在の教会だけの姿となってしまった。それでも、教会の外観は往時を忍ばせ、内陣に至るやその美しさは中世の美意識を現代伝えてくれる。 かつての修道院跡地は、長い時を経て、セーヌ左岸という地の利(ローマ時代からの歴史、パリ大学)を得て、発展し現代の文化的な街になっ
我が飛行機は定刻の7時頃シャルル・ド・ゴール空港に到着しました。シンガポール航空の飛行機はターミナル1に到着するので、そこからロワシーバスに乗ってオペラ座まで行けば9時半から10時頃にはホテルにつくだろうと楽観していましたが、そうはいきませんでした。ターミナル1のバス停に設置されているバス切符の自動販売機ではNAVIGO(注 :月曜から日曜までパリ市内はもちろん郊外までの乗り物・・・電車、メトロ、バス、トラムが乗り放題のカード・・・のチャージができなかったからです。NAVI
パリではYahooが不可 だった。 投稿日:2023-09-18 (月) 今まで長年使っていたブログ「スキピオの夢」では写真が掲載できなくなって久しい。せっかくフランス旅行をしても写真を載せられないのではおもしろくない。そこで、このたびこの note というツールを用いることにした。 とりあえず、フェイスブックに書いた文を以下に書く。 8月28(月)日に帰国、3週間たっても疲労と暑さでぼーっとしている。パリも午後3時から5時頃まで、直射日光を受けると暑かったが、こ