理学の合言葉 18 特別扱い⇔変換則

今回は、私達が後から特別扱いした概念には、自動的に変換則が現れてくるという話をしようと思います。


数学における特別扱いに何があるか考えましょう。
加群において、加法単位元に当たる元に「1」という名前をつける。
これは特別扱いですね。他に色々元があり、それぞれに名前がある中、1という唯一無二の名前をこれだけにつけるわけです。

他にも、
実線形空間において、そのいくつかの元を基底として選ぶ。
これも特別扱いですね。明らかです。

“世界”の2つの“何か”の“組み合わせ”において、片方が片方に代入されていると考え、関数引数の対とする。
特殊ですが、これも特別扱いです。
すると、これらにはそれぞれ「記号の取り替え」「基底変換」「双対変換」という変換がついてくるわけです。

少しスピリチュアル味ありますが、これは”世界”線をつなげることに関する話題、言い換えると”世界”を扱う”世界”の話題なんじゃないかと思うんです。
気味が悪いほどの対称性を持つ”世界”に、非対称的な概念を取っつけると、”世界”は非対称的になるだけです。
しかし、非対称的な概念一つ一つは非対称でも、全体で見たらどうでしょう?
きっと相変わらずの対称性があるんじゃないでしょうか。
片方を特別扱いする概念もあれば、もう片方を特別扱いする概念も等しくある、それらをつなげて調和させた”世界”を考えるのもいいでしょう。
同様に、非対称な概念を扱う”世界”一つ一つは非対称でも、全体で見ると対称性があるのでしょう、むしろもとより賑やかで美しいような。
物理の言葉を使うと、もとの対称的な”世界”が通常の熱力学的のマクロな系、非対称な”世界”一つ一つがミクロな系、それらをつなげたのがアンサンブルにあたるでしょう。
これを深掘りしていった先が”世界”、そして圏論…と考えてもいいかもしれませんね。

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