かすがい内科 咳と頭痛と生活習慣病

私たちは、2024年4月1日に春日井市に開院した「咳」や「頭痛」、「生活習慣病」を中心…

かすがい内科 咳と頭痛と生活習慣病

私たちは、2024年4月1日に春日井市に開院した「咳」や「頭痛」、「生活習慣病」を中心に内科全般を扱う内科クリニックです。 医療スタッフがチーム一丸となって土曜日や日曜日も夕方5時まで診療をしていますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。

最近の記事

ALK陽性非小細胞肺癌の第三相試験 CRONM study Lorlatinib vs Crizotinib  5年後フォローアップについて

未治療の切除不能ALK融合遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の初回治療、Lorlatinib vs Crizotinibの5年フォローアップ結果を読みましたので紹介します。 <Purpose> 2020年、未治療のALK融合遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対して初回治療としてLorlatinib vs Crizotinibの第三相試験を行ったところ、無増悪生存期間(PFS)と頭蓋内病変への有効性についてLorlatinibが優れているという結果えを得た。今回は、その試験の5年フォローア

    • 咳の原因 急性鼻副鼻腔炎の診断と治療

      Randomised, double blind, placebo controlled trial of penicillin V and amoxycillin in treatment of acute sinus infections in adults 咳が主訴で受診される方の原因のひとつに急性鼻副鼻腔炎があります。 抗生剤治療についての古い論文を読んでみました。 <目的> 成人の急性副鼻腔炎の治療において、ペニシリンVおよびアモキシシリンとプラセボの有効性を比

      • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対するtirzepatideの効果

        睡眠時無呼吸症候群と肥満の関連は昔から言われています。その点に関する論文を読んでみました。 <Background> 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、睡眠中の呼吸障害で心血管イベントと関連する。tirzepatideは治療薬となるポテンシャルを秘めている。 <Methods> 中等度~重度のOSASと肥満のある成人を対象とした、2つのRCTを実施した。ベースライン時にCPAP治療を受けていない参加者は試験1に登録され、CPAP治療をすでに受けている参加者は試験2に

        • 限局型小細胞肺癌の新しい初回治療 ADRIATIC試験 化学放射線療法後のDurvalumab

          限局型小細胞肺癌の治療について論文を読んでみました。 <Background> 限局型小細胞肺癌(LS-SCLC)の患者に対する標準治療は、プラチナ製剤ベースの化学放射線療法(cCRT)±予防的頭蓋照射(PCI)の同時併用である。ADRIATIC試験は、第3相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設国際共同試験で、cCRT後に進行しなかったLS-SCLC患者に対する地固め療法として、Durvalumab(D)±Tremelimumab(T)を評価した。今回はD vs プラセボの結

        ALK陽性非小細胞肺癌の第三相試験 CRONM study Lorlatinib vs Crizotinib  5年後フォローアップについて

          進行小細胞肺癌に対するTarlatamab DeLLphi-301試験

          小細胞肺癌の新しい薬について勉強しました。 <Background> タルラタマブ(tarlatamab)は、デルタ様リガンド3とCD3を標的とする二重特異性T細胞誘導抗体による免疫療法薬である。既治療の小細胞肺癌患者を対象とした第1相試験では有効な抗腫瘍活性を示した。 <Methods> 第2相試験で、既治療の小細胞肺癌患者にタルラタマブ10mgまたは100mgを2週毎に投与し、有効性と安全性を評価した。主要エンドポイントは客観的奏効率ORR。 <Result> 22

          進行小細胞肺癌に対するTarlatamab DeLLphi-301試験

          日本の慢性咳嗽の原因

          慢性咳嗽の原因疾患について読んでみました。 <Background> 慢性咳嗽は呼吸器疾患の最もありふれた症状である。 咳によって生活の質は下がり、社会からみても大きな負担となっている。 <Methods> 2年間の調査期間中に8週間以上続く咳(=慢性咳嗽)があり、日本咳嗽学会に加盟するクリニックや病院を受診した患者を登録した。 <Results> まず379人が登録し、慢性咳嗽の定義を満たさない患者は除外され、最終的に334人が対象となった。201人が単一疾患が原因で