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ルチアがルチアとして生まれ変わる瞬間〜死の淵から自分を取り戻すまでのライフストーリー23〜

第23話 3000年の時を超えての叫び

くみくみの長期講座では、様々なワークをする。
その中でも今でも鮮明に覚えている印象的なワークがいくつかある。
どれもインパクトが強すぎて時系列がこんがらがっている。これからお話しするワークでの出来事は、今の私の仕事を決定づけると言っても過言では無い程凄まじいものだった。

その日は、イメージカードを使って心のブロックを外すというワークを行った。その時題材にした心のブロックはもう忘れてしまった。


ロープレ形式でのワークで、私は、その心のブロックに内在する心の中の人格に私自身がなって話していく。それをペアの仲間が共感していく・・・
何故か私は3000年も前の過去生が話し出した。

『世の中には、沢山の心に傷を持っている人がいる。だけどそれに気づいて手を差し伸べる人はあまりいない。心を見ない。いくら物質的に豊かになっても心が貧しかったら人は生きてはいけない。
今まで何度もチャレンジしたけれど、様様な妨害にあって助けることができなかった。3000年も待ったのよ。もう待っている暇はない。今すぐ行動を起こして。でないと間に合わない。早くして、大切なのは目に見えているものではない。心のケアが大切。』
その3000年前の過去生は、泣き叫ぶように訴えてきた。
私自身の中にそんな人格が存在していることに驚いた。と共にその当時起きている様々なこと、幼い頃から感じていることと合点がいく感じがして妙に納得しているところもあった。
彼女の感情や体感覚もダイレクトに感じていたので、
「これは、私が本当にやらなければならないことなのだ。」
と確信した瞬間でもあった。
彼女の無念さや嘆き、苦しみが伝わってきて、それに答えるかのように腹の底から湧き上がるエネルギーを感じていた。

その当時は、何が何だかわからないまま、「でも、何かやらなくてはならない」と必死だった。
そんなことから、自分が受けているカウンセリングの先生に相談していた。まだ、自分自身が鬱から抜けだせていないのにも関わらず、誰かを救おうだなんて傲慢な事を考えていたのだった。
カウンセイングの先生からは、まずは、自分が元気になること。今はまだその時ではないことを強く言われた。それなのに自分自身の強いトラウマでもある性被害の被害者をサポートするためのワークショップにも参加していた。
参加したことで、数日後から全身の倦怠感や頭痛、吐き気、めまいに襲われ、先生が言っていたことを身にしみて感じていた。
そのことについて先生に話したときには、
「そんなことをしたら死んでしまうから、お願いだからやめてくれ。私は、あなたを助けたいんだ。」と涙ながらに叱られた。でも、それでもやりたいんだ。と強く言った時、先生は、カウンセリングの時間を全て使ってベテランのカウンセラーの講義で伝えている内容を講義してくれた。
人の深い痛みや苦しみを聴く事。それ自体に聞いている側にも苦痛が伴う。聴いているカウンセラーやセラピストがバーンアウトして離職したり、鬱になるケースも少なくない。中には自殺してしまう人さえいる。
それだけ過酷な仕事であること、だからこそ、必要であると同時にそこまで対応できるカウンセラーはごくごく少数である現実を教えていただいた。聴く側の人間がセルフケアはもちろん自分自身の内面の痛みと向き合い昇華させていくことがでれだけ大切であるか。この仕事の責任の重さと重要性、求められている資質や在り方を惜しみなく教えてくださった。
深い痛みを持っている私だからこそできる。だけどそれにはまだまだ自分自身の心の傷を癒していく必要があることを全身で受け止めていた。
そこには、大きな覚悟が必要であること。でも、もう後には引けない。あのワークで出てきてくれた彼女は、今の私にそれを託してくれたのだから。

様々なできごとを反芻しながら、私が鬱になった意味や今生きている人生でやるべきこととその意味について少しづつ心に刻んでいく必要があった。


                      次回へ続く



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