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ACIM#16.どうやら私たちは何も知らないし、何も分かっちゃいないらしいよ。

 奇跡のコース(ACIM)の365日ワークを始めてからというもの、このただでさえ長いワークを7回も、8回も、多い場合には20回以上も実践してきたという方を見掛けることがあります。その度に、私は尊敬の念を抱かざるを得ないのですが、それと同時に、なぜそんなにも同じワークを繰り返すのだろうかという疑問を抱いていました。

 その答えのひとつが、おそらくこれです。

ワークをやるほど、実は何も理解できていなかったことに気がつくから。

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 今私は2度目のワークを実践中ですが、ここ最近毎日のように感じます。1度目のワークで理解できたと思っていたことは、実は全く理解できていなかった、と。

 ということは、おそらく3度目をするときは、1度目で理解できたと思っていたけれど2度目でそれは間違いだったことに気づき、だからこそ、今度は理解できたと思っていたことすら、実は本当の意味では理解できていなかったのだと感じるのでしょう。

 それは、もうこれ以上深く掘ることはできないだろうと思っていたのに、改めて地面にシャベルを刺してみると、意外にもまだいけることが分かったのと同じような感覚です。

 シャッ、スボッ、とな。

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 やればやるほどに何も理解できていなかったことに気づくのは、私たちが自分で思っている以上に、全く以て、驚くほどに、何も分かっていないからなのだと思うのです。

 また、分からないということに気づかないのは、それだけ普段から様々な感情を抱き、思考し、価値判断し、意味を見出し、結論を導き、それが真実であると信じているからに他ならないのだとも思うのです。

 つまり、分からないことを分かったと感じたのは、自分が既に知っていることと結びつけて分かった気がしていただけで、本当に理解したのとは全くの別ものだったのです。

 そもそも、この、自分が「知っていること」すら、真実ではない可能性があるわけで、非常に怪しいものです。

 それくらい、私たちは何も知らないし、何も分かっていないのです。

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 これは、私にとってはこの上ない吉報でした。

 なぜなら私たちは知っていることも、分かっていることも、理解していることもないわけで、そんな状態で、この世界におけるいかなることに関しても、評価し判断することなんてできるわけがないからです。

 知らず知らずのうちにやっている、比較、分析、評価、考察、判断ーー。

 ちょっと小石に躓いたことにすら、「今日はツイていない」とか、「最近忙しくて疲れていたからだ」とか、「大人になって躓くなんて恥ずかしい」とか、「足元をすくわれないようにというメッセージだ」とか、挙句の果てには、「小石までも自分に嫌がらせをしている(ぷんぷん)」とか、勝手に決めつけてしまうのです。

 これらは、すべきでないからしないのではなく、そもそも、何も知らない私たちに評価、判断なんてできっこないのです。できないのに、何かにつけて評価、判断するものだから、苦悩が生まれるのです。

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 ただし、それは言い換えると、自分が思う幸せや喜びやわくわくすらも、何も知らない自分が勝手に判断して決めつけたことに過ぎない可能性があるのです。

 今、幸せですか?

 そうですか、まあまあ、幸せーー。それは良かった。

 でも、こうとも思いませんか?

 幸せなんて一時のことで、いつかは過ぎ去ってしまう、と。

 それは、その幸せが、自分の判断基準によって評価された条件付きの幸せだからです。

 真の幸福や平安や安寧は、あらゆる評価や善悪の判断が及ばないところ、つまり、自分が今思っている幸せすらも超えた静寂の中にあります。

 だから、幸せは、訪れもしなければ、去っていくこともないのです。

 気づくか、気づかないか、ということだけです。

 よーく観察してみてください。

 行ったり来たりするのは、いつもあなたの思考や感情です。

 幸せが行ったり来たりしているわけではありません。

 でも、普段の生活でそれに気づくことがないのは、それくらい、私たちは、全く以て、何も知らないし、何も分かっていないからです。

 これは決して絶望ではありません。むしろ、喜びなのです。

 「ひゃっほ~い!!」

 なんて叫んで、乾杯でもしたいくらい。

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 唯一残念だなと思うのは、こうして言葉にしてしまうと、どうしても陳腐な表現にしかならないということです。

 くっそ~。

 表現力が欲しい。

 そう思いつつも、他方では、言葉では決して凌駕できない真実があるのだということが、この上なく美しいとも思うのです。

 だから、しつこいと思われても、やはり大声でこう言いたいのです。

私たちは何も知らないし、何も分かっていないのだ!
(ひぃやっほぉ~い!!!)

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