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4月14日はブラックデー~そもそも毎月14日は恋愛記念日っていう話~

 韓国人は記念日好きだなとよく思います。

 例えば、韓国ドラマ・映画をよく観る方にはお馴染みの100日記念日などです。付き合い始めた日付すら覚えなかった人間としては、よくも日にちをカウントできるものだと感心したものです。

 スマホが登場してからは専用アプリができたので、以前よりは数えるのが楽になったという話を聞きました。アプリがあるなら可能かもと思いつつ、しかしそれを教えてくれた友人曰く「基本的に100日までは盛り上がって、その後は冷めていくからね」という何ともまあ現実的な話を聞いて、それならやっぱり知らなくてもいい気がすると思ったものです。

2月14日はバレンタインデー


 恋人同士、もとい恋愛に関する記念日というと、真っ先に思い浮かぶのはバレンタインデーではないでしょうか。

 韓国でも2月14日のバレンタインデーは、ビッグイベントです。海外では男性から女性へプレゼントするのが主流ですが、韓国では日本と同様、女性から男性へ贈り物をします。

 贈るものはチョコレートなどのお菓子が多く、バレンタインデーが近づくとコンビニやスーパーにはお菓子を数種類まとめて包装した特製バスケットが数多く並ぶようになります。

3月14日はホワイトデー


 2月14日に貰ったプレゼントのお返しとして、男性が女性にキャンディーなどを贈る3月14日のホワイトデーですが、この記念日も韓国にあります。ホワイトデーの発祥が日本なので、日本から来た文化だというのが分かりますね。

 バレンタインデー然り、ホワイトデーが近づくとまたコンビニやスーパーなどではぬいぐるみと共に可愛らしく、煌びやかに包装されたお菓子が売られます。個人的には、イベント後にこれらのお菓子がどれだけ安売りされるかの方が気になります。

4月14日はブラックデー(블랙데이)


 上記2つは日本でもお馴染みの記念日ですが、韓国はここでは終わりません。

 バレンタインデーにもホワイトデーにも何もなく、結局4月14日まで恋人ができずにシングルだったという人への救済措置ーーかは分かりませんが、そんな人々のためにあるのが4月14日のブラックデー(블랙데이)です。

 ブラックデーには恋人がいない重たく暗い気持ちを黒色に例えて、恋人のいない者同士で黒い服を着て集まり、黒い色をしたチャジャン麺(짜장면)を食べる習慣があります。

 チャジャン麺とは豚肉や玉ねぎなどを炒めてチュンジャン(충장)という甜面醤で味を付けたソースを、コシの強い太麺と混ぜ合わせて食べる麺料理です。中華料理のジャージャー麺から派生した料理で、韓国生まれではありますが中華料理の類に入ります。

 実際ブラックデーにわざわざ黒い服を着てチャジャン麺を食べている人は見たことがありませんが(偶然黒いトレーナーを着ていたとかはありそうですが)、この日にチャジャン麺を食べるという人は少なくありません。

「ブラックデーって知ってる?」  

 韓国に来た最初の頃は、本当によく訊かれました。当時は学生だったので尚更かもしれません。そして、恋人がいる、いないに関わらず、話の序でに折角だからとその日はチャジャン麺を食べることが多かったです。

 言い換えると、それくらい韓国人はチャジャン麺が好き。ブラックデーでなくても週に1度は食べるという人も多くいます。かくいう私もチャジャン麺好きで、定期的に食べたくなります。

◆◆◆

 このようなイベントは4月で終わりではありません。

 5月14日には好きな人にバラを贈るローズデー(로즈데이)があります。バレンタインデーやホワイトデーで恋人ができたら、薔薇が咲き誇る5月にはバラを送るという何だか素敵な記念日です。

 その他にも6月14日は恋人同士でキスをするキスデー(키스데이)、7月14日は恋人同士でシルバーアクセサリーを贈るシルバーデー(실버데이)、8月14日は恋人同士で緑の多い場所に行き森林浴などを楽しむグリーンデー(그린데이)と続きます。

※他にどのような記念日があるのか知りたい方は、konest をご覧ください。


 そう、とにかく毎月14日は恋愛に関わる記念日なのです。あきれる気持ちもありつつ、ここまで来ると、よく作ったものだとむしろ感心してしまいます。

 ただ、キスデーなんて「放っておけよ 。そして、放っておこうよ」と言いたくなりますし、シルバーデーはどうしてもシルバーウィークを思い出してしまいます。恋愛全く関係なし。

 実際にこれだけのイベントごとを行っているカップルがいるのかは分かりませんが(韓国なのでいそうな気はしますが)、個人的によく聞くのはバレンタインデーとホワイトデー、ブラックデー、ローズデーの4つです。

 やらなきゃいけないと思うと負担でしょうが、「グリーンデーだし渓谷にでも行ってみる?」程度のノリであれば、それはそれで楽しそうな気がします。

 ではでは。


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