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小学生並みの文章を書いてしまう人へのちょっとしたアドバイス
ハロー。るちあです。もう受験期だね。僕の妹も今年なんだ。で、その妹にスピーチの原稿の校閲を頼まれたんだけどさ、あまりにもあんまりな文だったもんで、ちょっと肩を落とした訳よ。
でも、思えば幼少期の僕も作文を親の仇の如く嫌ってたから、だれにも聞けずに困ってる人もいるだろうなって思って、アドバイスを書いてみたよ。「全然文なんて書けないよ!」っていう人向け、暇だったら読んでみて。
Step1『文章はスマートに』
国語や現代文の授業で文を書く機会はあるけれど、やっぱり強要されている状況では、スマートな文は書けないよね。それが習慣づくと、いざ伝えやすく書く必要に駆られた時に困っちゃう。
例えば、こんな文章
宿題を忘れたあの子は、私に、「宿題は、明日には必ず持ってくる。」と言ったけど、それは心から言っていたのか、全く信用できない…。
流石に無茶苦茶すぎるかな。これをどんどんカッコ良い文にしていこう。さて、まず句読点から。
宿題を忘れたあの子は、私に「宿題は、明日には必ず持ってくる。」 と言ったけど、それは心から言っていたのか、全く信用できない…。
括弧の前に読点は付けない。(あっ!句点は付けるよ!)
もっと言うと
明日には必ず持ってくる」と言ったけど、それは心から言っていたのか、全く信用できない…
実は、三点リーダーの終わりと、括弧の終わりの句点も書かなくて良い。「あれ?作文の授業では書いたけど?」って思うよね。実は、これ、要らないんだ。
まるで女性の髪の毛のように美しくひろがっているあたりをながめた……
あたし、ほんとにあなたが好き。今までに知り合った、どんな女の子よりも」
「玉座に座しておられる方と子羊とに、賛美、誉れ、栄光、そして権力とが世々永遠にありますように」
ね?
まぁ、二十世紀初頭辺りの近代日本語はこの限りじゃないんだけど、現代人が文を書く時には、これらの句点は無い方がスマートに見えるよ。
閑話休題。
次に、要らない情報を削ごう。具体的には、単語の重複を無くし、より自然な位置に持ってきて、文を短くする。
あの子は私に「明日には必ず宿題を持ってくる」と言ったけど、それは心から言っていたのか、全く信用できない…
これなら読みやすいし、宿題を忘れたあの子はという一文が無くとも、私が教師に準ずる人間であることが分かるよね。
うん。大分マシな文章になった。
Step 2『読みやすく、よりも、美しく』
かなり良くなったんだけど、それでも、まだ小学校を卒業できていない気がする……って優等生のために
あの子は私に「明日には必ず宿題を持ってくる」と言ったけど、それは心から言っていたのか、全く信用できない…
今度は、これを豪華にしていこう!先ずは二人称から
彼女は私に「明日には必ず宿題を持ってくる」と言ったけど、それは心から言っていたのか、全く信用できない…
ここからちょっと難しくなるよ。彼女は私にっていう人称が連続している問題と、言ったと言っての重複問題を同時に解消する。
彼女によると「明日には必ず宿題を持ってくる」との事だが、それは心から言っていたのか、全く信用できない…
個人的に、書き言葉の中で促音 (小さいつ) を多用するのは綺麗じゃないから、言っての部分も変えよう。
彼女によると「明日には必ず宿題を持ってくる」との事だが、その言葉は本心からなのか、全く信用できない…
良いね!こうなると全く信用できない…の部分も稚拙に見えてくる。じゃあ、ここもそれっぽい単語で代替しようか。
彼女によると「明日には必ず宿題を持ってくる」との事だが、その言葉は本心からなのか、甚だ信用ならない…
最後に、三点リーダーは二つ連続で使おう。かっこよく書きたいならね。
彼女によると「明日には必ず宿題を持ってくる」との事だが、その言葉は本心からなのか、甚だ信用ならない……
できた!かーなーりーカッコ良くなったんじゃない!?
……因みに、さらにカッコ良く書くなら
「明日には必ず提出する」とは彼女の言だが、それが誠であるか、私には甚だ疑問である。
提出で忘れた課題を仄めかし、彼女の言でより正しく、短く文法を守る。だがで文を接続し、さらに、誠で一文を丸々省略、主語を組み入れ私の呆れを表現する。よし!!!
「ちょっと語彙不足です」って言葉が聞こえてくるようだけれど、目の前に人類の叡智を詰め込んだ鉄のかまぼこ板があるじゃない。
Step 3『あまり綺麗じゃない書き方』
僕的にはこれがいっっっちばん重要!
ネット上の文を見てると、偶に「伝えたいことは分かるけど、ちょっと綺麗な文じゃないな……」って思うこと、あるよね?あるよね?
……んまぁ、聴いてよ。
母がカレーを作ったんだけど兄が全部食べちゃったけどもう一度作ってくれたんだ!
この文には読点が無い。これは短いから良いものの、長文であれば読みにくすぎる。「SNSだし、読点はいらないか!」って気持ちもわかるけど、カッコ良く書くならあった方が良い。
母がカレーを作ったんだけど、兄が全部食べちゃったけど、もう一度作ってくれたんだ!
うーん……まだおかしいね……
~ だけどと ~ たけどで、同じ文末が続いてるからかな?
直してみよう。
母がカレーを作ったんだけど、兄が全部食べちゃって、でも、もう一度作ってくれたんだ!
完成!可愛い文章になった!
この、同じ文末表現を連続で使うっての、読みやすくはあるんだけど、メモ帳に箇条書きしてあるみたいでお上品では無いよね。これは作文でも気をつけた方が良い。
僕の将来の夢は、ダークフレイムマスターです。
その理由は、お父さんがこの仕事をしていて、かっこいいなと思ったからです。
僕もダークフレイムマスターになれるように、勉強を頑張りたいです。
です三連星。タラちゃんかな?
ですます調ってのは往々にして文末が単調になるんだけど、ある程度の工夫はできる。
僕の将来の夢は、ダークフレイムマスターです。
理由はいくつかありますが、その一つとして、お父さんがこの仕事をしていてかっこいいなと思ったから、というものがあります。
僕もダークフレイムマスターになれるように、勉強を頑張ろうと思いました。
中学・高校受験のスピーチとかはこのタイプがある人もいるよね。基本的には文の形を変えて対処して、どーしてもダメなら、その文は削っちゃおう。短くして合体させちゃっても良いよ!
僕の将来の夢は、お父さんと同じダークフレイムマスターです。
僕もダークフレイムマスターになれるように、勉強を頑張りたいです。
こんな風にね。お父さんに憧れたって情報は読みづらくなるけど、箇条書きになるよりはマシかな。
あとは、~ という(言う)も誤用をよく見かける。~ とゆうは話し言葉で、文書上ではいうの方が良い。っていうのも、これは現代基準でも違和感を覚える人がかなり多いみたい─かくいう僕も─でさ。ボロクソに叩いてる人をよく見掛けるから注意すべし!
文章力を手っ取り早く上げたい!
実は、手っ取り早く文章力を上げる方法は……ある。それは、ずばり読書!
……あぁ!ちょっと待って!
読書って言葉にアレルギーを発症するのは分かるけど、難しく考えることは無いよ。一言に読書って言っても、ジャンルや媒体は色々ある。近代文学にミステリー、児童文学に漫画やラノベ、インターネッツの大海に潜んでる二次創作モノや、異世界ファンタジー系。これも全部本だよ!
世の中の所謂 "読書家" って呼ばれてる人達は、別に本を読む才を持って生まれた訳じゃない。読めるジャンルに偶々出会っただけ。僕にも読めないジャンルはある。近代文学は読めるのにミステリーはぜんっぜん読めない。古典を読んだかと思えば、アイマスやら仮面ライダーやらの二次創作を読んだり、ぶれっぶれ。自分が読めるジャンルを探せばそれで良い!文学に優劣は無し!
オススメは『ハリー・ポッター』。現代ファンタジーライト & ハード小説なんていう、かなり取っ付きやすいやつ。小分けにしてある文庫版もあるから、気になったら探してみて!
気にしすぎるのも良くない
ずっと昔、本を手に持っていた時代でさえ、我々は本から得たものをまともに利用してはいなかった。
ここまで書いといてなんだけどさ、ぶっちゃけ気にしすぎるのも良くないと思うんだ。だって、SNSを見てみなよ。少しの表現の違いで喧嘩を起こして、くだらねーと思わない?
そんな、多少文が書ける紳士淑女より、楽しくおしゃべりしたり、嫌々でも作文を書いたり治そうとしてる人達の方がよっぽど偉いと思うんだ。でしょ?
おわり
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