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#124 ミクリッツ線という考え方

今まで多くの方と出会い、
身体をチェックさせていただいておりますが
大人から子どもまで多く悩まれている箇所に膝があります。

年配の方ですと、変形性膝関節症や
膝蓋大腿関節症などのお悩み、
小・中・高校生ですと、膝の靭帯損傷や
ジャンパー膝、オスグッドなどのお悩み、
運動をなさっている方ですと、
鵞足炎やランナー膝などのお悩み、
などなど挙げたもの以外にも多くの
膝のお悩みが存在します。

膝の悩みには、X脚やO脚、足首の緩さ、
殿筋群の機能低下など
が要因とあったりします。

これらの要因が隠れていますと、
下肢の体重、荷重が
本来あるべきところから
外れてしまっていることが
多かったりします。

下肢の荷重があるべきところを
確認する考え方のひとつに
ミクリッツ線というものがございます。

ミクリッツ線とは、日本語で表しますと
「下肢荷重線」「下肢機能線
といいます。

ミクリッツ線とは、
「大腿骨頭の中心」「足関節の中心」
結んだ線のことを言います。

大腿骨頭の中心は鼠径部の真ん中と
考えていただければ大丈夫です。

ミクリッツ線を引くことで立位時に荷重が
掛かっている線、「荷重線」がわかります。

鼠径部の真ん中と足首の真ん中を
ヒモか何かで結んでいただくと
イメージしやすいかと思います。

諸説ありますが、正常な膝であれば、
膝関節中心(脛骨の内側顆間隆起内側)を
通ると言われています。

ヒモを結んで見る場合は、
ヒモが膝のお皿のほぼ真ん中を
通過しておりましたら
正常な位置にあると考えられます。

ミクリック線が一直線になっていることは、一番関節に負担がなく、素早く、
効率のよい動きが行うことが
できるようになります。

ミクリッツ線が膝の中央を通る場合、
脛骨(スネの骨)の内側と外側に
均等に荷重がかかるため、
膝関節の関節軟骨や前十字靭帯、
内側・外側側副靭帯、鵞足部、
腸脛靭帯付着部などにも
過剰な負担がのることが少なくなるため、
痛みや炎症などは出にくくなります。

ただ、ミクリッツ線が膝関節の
内側や外側を通るときは、
通過する位置に負担がかかり、
膝関節に摩耗や変形が生じ必要以上の
荷重がかかることになります。

ミクリッツ線が乱れる原因には
これらがあったりします。

①膝関節の捻じれ
②足関節のアライメントの乱れから
影響される上行性の運動連鎖によるもの
③骨盤のアライメント異常から影響される
下行性の運動連鎖によるもの

②、③に関しましては、こちらも参照していただけると幸いです。

ミクリッツ線が乱れておりますと、
荷重がきれいにのらないため
ケガのリスクの増加と共に
身体操作性も減少してしまうため
アスリートや運動を行う方は
意外と大切な考え方になります。

私自身は身体を動かすための
反発をもらうために踏ん張るのは
好ましくないと思っておりますが、
多くの方、指導者なども含みますが
反発のために踏ん張るためには、
アライメントが整っていることが
条件になりますので、
ミクリッツ線という考え方を
考慮にいれていただけると幸いです。