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#39 前十字靭帯損傷に対する私見!


男子サッカー界でも女子サッカー界でも
現在、かなり問題視されているケガに
前十字靭帯の断裂、損傷があります。

最近では、女子サッカー選手の
猶本選手や安藤選手が
前十字靭帯損傷を負ってしまい、
手術を行っております。

男子サッカー選手ですと、
宮市選手が3度前十字靭帯を断裂しており、
スペインリーグに所属する
レアルマドリードに至っては、
今シーズンで3選手(クルトワ選手、
ミリトン選手、アラバ選手)の
前十字靭帯断裂のケガを
負った選手がいます。

挙げればキリがないくらいに
前十字靭帯のケガを負い、
長期離脱を余儀なくされています。

ます、前十字靭帯のケガの原因として
挙げられますのは、
ニーイントゥーアウトと言われます。

ニーイントゥーアウトとは、
地面に足を着いて膝関節を曲げた際、
膝頭が内側に寄って向き爪先が
外側に向いてしまうことをいいます。
女性の方ですと、内股で膝が内側に
入ってしまっている状態になります。

前十字靭帯の損傷が起きるメカニズムには、
「非接触型」と「接触型」の
2種類が挙げられます。

非接触型では、
ジャンプの着地や急激な停止、
急な方向転換などで起きることが多いです。
また、大腿四頭筋(もも前の筋肉)の
自家筋力が発生に関与していると考えられていたりもします。

接触型では、
コンタクトスポーツである柔道や
ラグビーのタックルなどで
膝関節に外反・回旋が加わり
発生することが多いです。

膝関節の外側から内側に
曲げこまれるような力が働くため、
前十字靭帯だけでなく、内側側副靭帯などの
他の膝関節のある靭帯、半月板なども
一緒に損傷してしまうことが多いです。

ここからは、
なぜ非接触型での前十字靭帯損傷が
起こってしまうのかの
個人的な見解を述べていきます。
あくまで個人的な見解になりますので、
あしからず。

近年、サッカー界ではフィジカル面、
身体の強さが求められるように
なっているかと思います。

そのために、フリーウエイトやマシンを
使用した筋力トレーニングが
推奨・励行されています。

キック力を強くしたりするなどの目的で
下半身を強化する中で
大腿四頭筋を鍛えていきます。

そのために、スクワットや
レッグエクステンションマシンが
行われます。

スクワットやレッグエクステンションマシン
でのトレーニングは
方向性が定まった形になるため、
シンプルに筋肉を鍛えるのは
とても有効な手段になります。

ただ、サッカー動作は
方向性が定まっておらず、
かつ複雑な動きの連続性・連動性に
なりますので、
ファンクショナルトレーニングなどの
機能性を高めるトレーニングも
同じぐらいで行っていくことが
望ましいかと思います。

また、大腿四頭筋の作用になりますが、
膝に関しては伸展(伸ばす)のが
主になります。

膝が伸びるということは、
大腿骨(太もも)ではなく
脛骨(すね)が前に動くことになります。

前十字靭帯の作用は、脛骨(すね)の
前方偏位および下腿内旋を制御
することになります。

前十字靭帯とハムストリングスの存在で、
脛骨が前に行き過ぎないように
制御しているかと思われます。

ここで問題になってきますのは
非接触型のメカニズムになります。

非接触型は
大腿四頭筋(もも前の筋肉)の自家筋力が
発生に関与していると考えられているため
大腿四頭筋の筋力が、
前十字靭帯、ハムストリングスによる
制御能力を上回るぐらい
鍛えすぎてしまったりしますと
これだけで前十字靭帯損傷のリスクに
なってしまうのではないかと思われます。

特に、プロやプロに準じたサッカー選手ではなおさらだと考えられます。

また、スクワットや
レッグエクステンションマシンを
継続的に行っていくことにより
これらの動き方、動かし方が運動学習に
より強化されてしまい
複雑なサッカー動作とのギャップが
知らぬ間に大きくなってしまうことにより
ジャンプ時や急停止、急な切り返しの際に
膝が伸びる動きが勝手に出てしまい
膝が完全に伸びきってしまい
前十字靭帯損傷を負ってしまうのでは
ないかと考えられます。

ここまで、前十字靭帯損傷に対する私見を
書いてまいりましたが
前十字靭帯損傷は、今後の競技人生に
大きな影響を与えるケガになります。

前十字靭帯損傷に限らず、
他の多くのケガに対する予防としましては
ファンクショナルトレーニングや
コーディネーショントレーニング、
アニマルムーブメント・フロー・ウォーク
などの全体のバランスや普段使えていない
筋肉との協調性を高めるトレーニング、
片足立ちでのトレーニングなどを
筋トレと並行して行っていくことが
重要になってくるかと思います。