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私は労働というものが苦手だ

進路希望調査で書いた「なりたい職業」を覚えてる?
私は今でも覚えている。

ゲームのシナリオライター。
でも本当は小説家と書きたかった。

中学生の私は、学校で暇さえあれば本を読んでいるような人だった。
ここでいう「本」とはラノベである。
一方で家に帰ればRPGゲームに勤しむ。
新しい物語に触れるのが好きで、登場人物に感情移入をしてあたかも自分が物語の主人公になったような気分を味わうのが楽しかった。
片田舎に住む私にとって、本の中やゲームの世界に没頭する時間は特別なものだったのだと思う。

読むだけでは飽き足らず、私は自分でも小説のようなものを書き始めるようになる。
はじめは友だちとの交換ノートで、お互いのオリジナルストーリーを好き勝手に書いては読み合っていた。
それから二次創作をするようになり、ますます文章を書くことにはまっていった。

今思うと、その時から私には文章というものが自己表現の一つになっていた。
口では言いたいことが言えない、咄嗟に言葉が出てこない、自分の気持ちや考えを言葉にできない。
ふとした言葉で友だちを傷つけてしまったこともある。
でも文章でなら言える。
胸に渦巻く感情を表現できる。
私にとっては救いでもあった。

じゃあなぜ小説家ではなくシナリオライターになったのか。
答えは簡単で、小説家になりたいと親に言えなかったから。

当時の私が一生懸命考えた仕事らしい仕事がシナリオライターなのである。
嘘でも「学校の先生」や「保育士」などの職業を書くことができなかった。
ちょっと泣けてくる。
私の母は進路調査の紙を見て「資格を取って働けるものを」と先生に言った。
自分の夢を否定されたとき、私の人生は一度終わったと思う。

それから「資格」という言葉が私を付きまとうようになる。
あといかに親に納得してもらうかも。
・図書館の司書
・養護教諭
・特別支援学校教諭
・介護福祉士
・社会福祉士
今まで書いたことがあるのはこのあたり。
すべて挫折してきた。
そりゃそうよね、やりたい仕事じゃないもの。

何者にもなれなかった私は、ずっとフリーターや派遣として偽りの社会人をやっている。
人に言えないほど転職もした。
退職代行も使ったことがある。
短期離職もザラである。
ああ本当に労働にむいてないなと心底思う。

長々と書いたけど、今の私が持っているものはこのとてつもなく多い転職経験と仕事に関する失敗談なのだ。
全然自慢できないけどね。
でも意外とこういう人の体験談って、誰かの心を軽くしたりできるんじゃないかなと思う。
かくいう私も仕事でどん底気分のときは「仕事 辞めたい」「即日退職する方法」などとワードを入れ、グーグルを彷徨ったりする。

久しぶりに文章を書きたくなった。
ブログ感覚でこれまでの自分の棚卸しや、社会不適合者が擬態して生きる様子を書いていこうかなと今は思っている。
読みやすい文章ではないけれど、友だちの話を聞くくらいの軽さで読んでもらえたら嬉しい。

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