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わたしの妹は希少種


わたしの妹はちょっと変わってます。
良い意味で不思議な存在といったかんじ。


わたしは兄と弟と妹の4人兄弟で、
妹はわたしとちょうど10歳離れた末っ子。

歳の離れた兄弟と大人にたくさん囲まれて育った妹は、
人付き合いも良く誰にでも満面の笑みで挨拶できるタイプ。
昔から人見知りで小さい頃大人と挨拶できず、
母親の後ろに隠れていたわたしとは正反対の人間です。

そしていつもびっくりするのは
物語の主人公ばりに
ピュアな性格ということ。

優しい、というよりは
悪いことや嫌なことを人に対してできない、
考えることもないような人です。

好きなものには好きと夢中で取り組んだり、
嬉しいときに人目を気にせず全力で喜んだり、

そんな本能のままに生きている妹が
時々うらやましく、尊敬することもあります。

ーーーーー

そんな妹は現在高校生。
憧れていた吹奏楽部の強豪校に入学し、
毎日朝から晩まで部活動中心の生活になりました。

入学する前から、
〇〇高校で吹奏楽部に入る!!
っと決意していた妹。
やると決めたら頑固な一面があって
毎日全力投球の性格でしたが、
入部して一年が経とうとしていたある日、
妹が部屋でひとり
泣いていたことがありました。


部活が厳しいと時々弱音を吐いていたこともあったので、また怒られたのかと話を聞くと、

周りの子たちの友だちに向けた考え方が
理解できなくて悩んでいるとのこと。

聞けばよくある話で、
友だちなのに裏では悪口を言ったり、
悪いとは思っていないのに、周りの子の意見に同調してしまうなど。

妹にはその年頃の女の子たちの態度が異様に思えたようで、
その日その子たちの意見に疑問をぶつけたら
冷たい態度をとられた、
こんな環境の中にいることが嫌だけれど、
部活は好きなので続けたいこととの葛藤に揺れていました。

妹の性格ならここうした悩みにも、人一倍悩むことになるんだろうと思っていました。
あまりに素直すぎたので。


でも話を聞いた時、
そんな周りの反応に疑問を持ったことと
それを伝えたということに驚きもありました。

なかなか高校生くらいの子には難しいとこだと思っていたので、まず素直にすごいなと思ってしまったんです。

わたしも高校時代は人間関係に良い思い出がありませんでした。
みんながお互いの評価を気にして、異様に自分をブランド化させようとしているように思え、
いつも居心地が悪かった記憶が今でも残っています。

妹の悩みを聞いた時、
いや高校生なんてそんなもんよ
みんないじめられたくないんだよ
という意見が頭に浮かんでいました。

でもそれって当たり前の考え方なのか?
みんなが我慢して通る道だから仕方ないのか?

妹が悩んでいた結論は、
"どうしたらみんなの気持ちを変えられるか"ということでした。

人に根付いた気持ちや意見を
他人が変えようとするのは難しい。

まして少数派の意見が多数派の意見に物申すことはなかなか厳しい。

でもそこにまず疑問を持つことも
気づける人にしか気づけないことだし、
多数派の意見が実は明らかにおかしいことを言ってるのも今の時代多い現実です。

妹はそれに気づいて変えたいと動けるのに、
"多数派の波は大人しく流しておけばいいさ"というのはおかしい意見だと思い直しました。

人の意見を変えるのは難しいけれど、
影響を与えることはできるかも。

まずはこれからもその周りの子たちの意見には同調しないでいいということと、
悪口を言われてしまった子と楽しく一緒にいてあげることを提案しました。

あくまでも他の意見は多数派意見。
あなたのは立派な少数派意見。

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先日妹の高校の文化祭に行き
吹奏楽部の演奏を見ました。

演奏の途中で手拍子をしたり、踊ったりすることがあるのですが、
妹は相変わらず人目を気にせず
全力笑顔で踊っていました。

よくこんな全力で踊れるなと思いつつ、
妹が一番楽しそうに見えました。

影響力って案外こういう人の方が持ってたりするんですよね。

がんばれ我が家の希少種。

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