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ネパールから学ぶ相互理解

なにかと、民族や宗教観の違いで対立がしばしば起こっている。十字軍のイェルサレム奪還や、冷戦などの社会主義と資本主義の対立など、考え方の違いによって多くの人が命を落としてきました。

「人間よりも神々が多い地」と呼ばれる、ネパールのカトマンズの谷。仏教とヒンドゥー教両方の聖地であり、土着宗教の神々がたくさん息づいている神秘の地です。日本人にとっては驚きの文化があります。

そんな中、彼女がネパールに1週間ほど滞在していました。仏教とヒンドゥー教という2つの宗教が混在し、融和しているというのを聞き、この事から我々が学ぶことがあるのではないだろうか。と思い書く。

ヒンドゥ教 -Hinduism-

ヒンドゥ教は輪廻や解脱を含む時の循環を信じており、生活様式、身分、職業などによるカースト制を特徴とする宗教です。現在はヒンドゥ教徒の割合が国内で最も多くなっています。

ネワール仏教 -Newal Buddhism-

インドからネパールへと伝わった仏教は、その後ヒンドゥ教の影響を受け、独自の「ネワール仏教」を形成していきました。ヒンドゥ教と共存するため、仏教でありながら「カースト制」があるなど、他のアジア諸国に伝わる仏教とは違う仏教スタイルを継承しています。

チベット仏教 -Tibetan Buddhism-

チベット仏教はチベットとの国境付近の民族を中心に信仰され、現在では中国から逃れたチベット仏教徒がカトマンズのボダナート周辺にコミュニティを形成しています。

                風の旅行社より引用

○ヒンドゥ教3最高神と縁の深い神々
~破壊と再生を繰り返す~

①シヴァ(大自在天)

創造、破壊、再生、瞑想、芸術、ヨーガ、解脱の神であり、宇宙の破壊を司る神。乗り物は聖牛ナンディン。三叉戟を持ち、額に第三の目があり、カイラス山に住むとされる。化身姿にマハカーラー(大黒天)などがある。

マハカーラ

奥さん(パルヴァティ)と子供(ガネーシャ)。子供は象の顔をしており、富と繁栄、知恵と文学の神である。
(どうやったら象が生まれてくんねん)

②ヴィシュヌ

ヴィシュヌは世界が悪の脅威にさらされたとき、混沌に陥ったとき、破壊的な力に脅かされたときには「維持者、守護者」とし様々な化身を使い分け、地上に現れるとされている。

アンコールワットはヴィシュヌを祀る寺院らしい。宇宙を維持する神。乗り物はガルーダ。10大化身と呼ばれる多数の分身があり、叙事詩「マハーバーラタ」の英雄クリシュナもその一人。ヒンドゥ教では、仏教の始祖ブッダもヴィシュヌの化身と考えている。

○ヒンドゥー教とネワール仏教はなぜ混在しているのか。

話を仏教のヒンドゥー教化、そして、冒頭で見たカースト制から伺えるネパール仏教のヒンドゥー教化という現象に関して言えば、政治的要因等による仏教側のヒンドゥー教への妥協という側面が全く無かったとは言えないが、しかしながら、一律にそれだけで言い切ることができるのかなという想いが私の脳裏に浮かんでいる。ヒンドゥー教というものが、通常、我々が考えがちな一つの宗教体系という姿ではなく、インドの大地に歴史的な根付いてきた伝統的な信仰形態の総体という理解に立つならば、ヒンドゥー教化とはインドの大地への回帰現象と理解することも可能であろうし、又、ヒンドゥー教自体が、上述の通り、『ヴェーダ』を核とする伝統的信仰の総体とするならば、其処に相互に矛盾する様々な思想や信仰形態が混在している事態も理解できようし、又、その延長として仏教をもその中に曲がりなりにも包摂し得ることも理解できる気がするのである。

                 徒然草子さんより引用

ヒンドゥー教徒自身にとってヒンドゥー教徒としての明確なアイデンティティーが形成されてきたのは、12世紀頃に始まるイスラーム勢力のインド侵攻であり、アフガニスタン方面から侵攻してきたイスラーム勢力と対峙する様になった時にヒンドゥー教徒は自分達が奉じてきている宗教をヒンドゥー教として自覚する様になった。恐らくは先祖伝来の『ヴェーダ』を最高の聖典とする信仰という意識しか無かった様であり、歴史的に客観的に見て、グプタ朝時代を中心に伝統的なバラモン教が今日のヒンドゥー教へと大きく変質していったとは言え、当該宗教を奉じていた、インドの人口の大多数の割合を占めている当の信者達はかかる事態を自覚してはいなかった様である。

○余談

クマリとは

人々の健康を願い、病気を治したり、願い事を叶えるネパール王国の守護神として、女神タレージュの生まれ変わりとされる生きた女神のこと。
 
初潮前の幼い少女から選ばれ、その中から多くの条件が課される。これはチベット仏教の活仏であるダライ・ラマが選定されるプロセスに似ている。
家柄は重要であり、ネワール族の仏教徒の僧侶・金細工師カーストのサキャ(Shakya)の生まれでなければならない。

また、身体的には怪我の跡や不自由な箇所がないことも条件であり、動物の頭部が並べられた暗い部屋に閉じ込められて耐えることも必要とされる。         Wikipediaより

何年か経ち、退任したクマリは毎月7500ネパールルピーもらえるらしい。一般的な20代の平均月収が15000ネパールルピーらしく、10年間も家族と離ればなれになったとにそんだけかよwと思いました(笑)

総評

古来から様々な事柄を経てネパールはヒンドゥー教と仏教が融和していることがわかる。我々は政治的要因が多少はらんでいるものの、月日が流れ、ネパールのように、何事も延長線上として考えることは重要なことであろう。例えば、自民党や共産党も「日本をよくしたい」と考えていることは同一であり、むやみに批判するのではなく、どうすれば解り合えるかということをネパールから学ぶことができるのではないか。

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