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「16球団構想」の「障壁」を崩すには

先に書いておくが、
今回の内容ははっきり言って「とんでもない無茶ぶりと妄想」である。
「他人事だと思ってふざけんな」と怒る人が多数出るかもしれないが、
書いてる本人もそれを承知のうえで書いていること、
「気持ちの問題」「既得権益が」などと
言いたいわけではないことをご理解いただきたい。

「障壁」の根底は何か

16球団構想のあまり語られていない壁については
今までこのnoteやブログでいくつも書いてきた。
でもこれらの根本的な部分を見てみると
実はほぼ一つのポイントに集約されている。
交通、新球場、ドーム、都市圏人口。
どれも観客動員に関わる問題ということだ。
球場に足を運ぶ人をいかに捌くか。
野球マニアではない一般の人に
球場でどうやって楽しんでもらい、
リピーターになってもらうか。
そもそもその地域には
リピーターの人数を増やす上限がどの程度あるのか。
どれをとっても最終的には
いかにして観客動員を増やすか、
この点に集約されている。
これはスポーツビジネスが観客動員を基盤としたものであり、
中でもプロ野球は
ブログのほうでも見たように
他のスポーツ以上に多数の観客動員を行うことで
成り立っているスポーツだからだ。
NPBの12球団も、
特に2004年の球界再編問題以降は
この経営努力を徹底的に行ってきた。
しかし残念なことに、
12球団までならともかく球団増となると
日本ではこれらの壁があまりにも厚く、
チームを増やせる余地はほとんど残っていないのが現実。
そしてこれらの現実をすべて無視して、
「日本でもMLB並の動員数がすぐ実現できる」
しないのは「気持ちの問題」「既得権益」「ナベツネの陰謀」
などと繰り返しているのが
16球団賛成派の姿だ。
もっとも最近のMLBは
平均観客動員がわずかながら減少し続けていて、
昨年の全チームの平均では
NPBがMLBをわずかに上回ったし、
NPBで平均が最も少なかったロッテを下回るチームは
12チームあるんだけどね。

「障壁」の根底を覆す

実のところ、
時々見られる「新型コロナを逆に生かせ」の主張は
即効性を求めている時点で価値が無に等しいのだが、
エクスパンションを目指すうえでの
最終的な目標として考えるなら
全くの間違いではないと思う。
球団を増やしても必要な観客動員数を集めるのは不可能。
それでも球団を増やしたいなら
逆に現地の観客動員数に左右されない、
観客動員を増やすことを前提としないビジネスモデルを
確立するしかない。
つまりプロスポーツビジネスの大原則そのものを
根底からひっくり返せばいいのだ。

新型コロナ問題が深刻化している現状では
たとえ試合が出来たとしても無観客か、
観客を入れたところで動員数が大幅に減るのは確実だろう。
「『新型コロナを逆に生かせ』が間違いではない」は
無観客と観客動員数減の中でも収入を維持できるだけのモデルを
この機会のうちに模索すべし、
という意味だ。
一例をあげれば
放送からのスポンサー収入を強化する、
新型コロナで不可能になったが
パブリックビューイングを活用して
球場までは行けないファン同士の一体感を高める
などがあるだろうか。
まあ実際には、
素人にそんなこと言われなくても
各団体・各チームは既に対策をいろいろ考えて
交渉や営業などに奔走している段階だと思うけどね。
1、2ヶ月程度で急に成り立つようなものでもないし
肝心のスポンサーなども同様に大ダメージを受けているわけだから
実効性が全く見えてこない(見えるわけがない)だけで。

観客か放映権か

このあたりまでは2月の時点で
既に頭の中では考えていた話。
つい先日王会長がマイナーリーグを引き合いに出していたが
考え方としては近いのかもと勝手に解釈している。
今はNPBも各チームの努力の甲斐もあって
平均観客動員数が20,000人を優に超えている反面、
球団経営に必要な動員数の下限も格段に上がったので、
その下限を最悪AAAクラスまで下げてしまおうというわけだ。
そうは言っても、マイナーリーグは
これまで「アメリカンドリーム」でうやむやにしてきた
選手(スタッフも?)の超低賃金問題があるから、
本当にその基準まで下げるようでは
色々としゃれにならない事態になりかねないんだけども。

とまあ、そんなことをいろいろ考えていたら
気になる記事を目にした。
日本だと大半の人は
「既得権益が」「電通が」「巨人戦の放映権が」とわめくだけだろうが、
素人目に見てもそんな程度で済む問題じゃない。
スポーツビジネスにおける一大収入源である放映権料や
放映に関わるスポンサー、広告収入が、
よりによって観客の存在で断たれかねないのだ。
しかも図らずも電通が証明したように、
人間の大半は
他人にコンテンツは要求するが対価は払いたくないもの。
つまりスポーツ業界は最悪の場合、
観客と放映権の二択を迫られる可能性があるわけだ。
ところでこの5Gの問題点、
5Gを推進しているソフトバンクが知らなかったとは思えない。
そして今16球団を推進しているのは
王会長や小林至氏などソフトバンクと関わってきた人が中心。
本当に偶然なのだろうか。穿ちすぎかな…?

最後に一言

いやあ、
「言うだけならいくらでも言える」とはまさにこのことだね!

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