「16球団構想」であまり語られない障壁①番外編

日本では、
新しく球場やスタジアムを建てられるほどの広い土地は
郊外か山の中にしか残っていないことも多い。
じゃあそこに建てればいいかというと、これは極めて難しい。
その大失敗例を一つ挙げておこう。

ひとめぼれスタジアム宮城である。
スタジアム自体の見づらさに加えて
都心部からの遠さと道路の渋滞でもひどく嫌われている。

しかしこの周辺をよく見てほしい。
さすがに車とバス以外の手段がない場所で
そこそこ広いスペースも確保できたためか、
駐車場自体はそれなりの台数が入れる。
しかしこれだけだとわからないが、
またしても道路が片道二車線だ。
しかもすぐ南東の道路沿いには住宅地と小学校があり、
川などを挟んだ東にもやはり住宅地。
つまり、これ以上道路車線を広げる余地はないのだ。
ちなみにこの東の住宅地をもう少し進むと、
道路の関係で徒歩20分強、
直線距離では1.2km程度のところに
楽天イーグルス利府球場がある。
プロ野球ファンにとっても
全く関係のない地域とは言えない。

つまり、車・バス限定のスタジアムの場合、
片道二車線では試合前後に大渋滞が起こる。
これはかなり高確率と考えていいだろう。
しかも生活空間自体は
道路沿いに限界まで広がっており、
強制的に立ち退きでもしないとこれらを解消できない。
前回のコメントで
「連戦の野球なら償却コストが高まるから決してマイナスではない」
と書かれた方がいたが、
その償却率に対して
「周囲の環境が耐えられるのか」
という問題になっている。
そしてこの問題に対して
「耐えられない。しかも解決手段もない」現実を
どう打開するかが見出されないと
16球団拡張は厳しい。
少なくとも新潟を有力候補としている賛成派の人は
ぜひとも解決策を考え、示してほしいところだ。
今の言説を見ていると、
「できるできる。やれば絶対できる気持ちの問題だって」
で片づけている人間があまりに多すぎる。

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