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ジェーン・スーさんと、私の思い出

こんにちは。
私の大好きなエッセイスト ジェーン・スーさんの話をします。

ファッション誌好き

私は昔からファッション誌を読むのが好きで、小学生から大学生くらいまでは毎月何かしら1冊買ってきて、1か月かけてじっくりじっくり端から端まで読み込むのが趣味だった。

小学生はnicola・中学生はPopteen・高校生はvivi。
ミーハーだったのは否めないが、他にも清楚系や赤文字系・青文字系でもなんでもかんでも読んでいた。
将来は雑誌の編集者になりたいと思っていた。

viviは特に情報量が膨大なので、読むのが好きだった。
ファッション誌だけど、読みものなのだ。
読者モデルの名前や好きなブランド、アメブロを追っかけまくるなど
「読モ」がフィーバーしていたあの頃。私の青春。

viviの読者モデルの一人が大好きで、大学受験に合格したら東京に行って、
あの人が働いているあのブランドで買い物がしたい!!
と、お母さんにねだり、めでたく合格し渋谷109に買い物に行ったこともある。
私の熱量は異常だった。

今思うと自分の好きなタイプのブランドではなく、
全然買いたい服がなかったけれど(何を着ても似合わなかった)
それでもそのブランドの服が欲しかった。


本当にあのころはエネルギーに満ち溢れ、疲れを知らなかったな。
東京に行ったのにランチや朝ごはんには興味がなくドトールでいい、と言ってそれに付き合ってくれたお母さんには本当に感謝しかない。

その東京旅行では欲しいと思った洋服は全部買ってもらった。
普段あまり物欲がない私の背中を押すように
「せっかくトーキョーに来たんやから何でも買い!」
と言ってくれたお母さん。
あの頃の東京はキラキラまぶしく、「トーキョー」だった。

あとから地元の商業施設で同じものを見つけても、これは東京で買ったんだ、という事実だけでうれしかった。
今はもう着なくなったけど、あの時買った服は何年も何年も大事に着た気がする。


思い出話が膨れたが、とにかく私はファッション誌を読むのが好きだった。
特に好きだったのは読みものコーナーが多い雑誌。

コラムやエッセイが多い雑誌が大好きだった。
逆に、付録が豪華で中身が薄い雑誌に何度だまされたことか。
(買ってしまうこともある)


ジェーン・スーさんとの出会い

で、そこで出会ったのがジェーン・スーさん。
短い文章で端的に問題の芯をとらえて、ユーモアも交えて起承転結が美しい文章を書かれる。
台湾の方なのかな。
日本と違う国の人の書いた文章も素敵だな、と思っていた。

色んな雑誌で「ジェーン・スー」の名前を見て関心しては、「いい文章だなぁ、あ、またジェーン・スーだ」と思っていた。


そこから月日は流れ、紙の媒体で雑誌を読むのをやめ、
私はdマガジンで電子雑誌を読むようになった。

月額500円くらいで何冊も読めるなんて、
昔に比べたら夢みたいな話だと思い、社会人になってから6年間は契約していた。
でも、あのころみたいな1冊を何度も何度も読み込んで、すみずみまでコラムを読むことをしなくなった。

趣味の雑誌をみることすら時短で済ませていた自分が嫌になる。。
私は結局興味のあるものだけをスマホを触るように捨てていたように思う。。


ジェーン・スーさんとの再会

そしてもっと月日は流れ、ドイツに行く前、
実家でぼーっとNHKの朝イチを見ていたら、目の前に「ジェーン・スー」が現れた。


え、昔好きだったジェーン・スーや!!とお母さんに言った。
お母さんはもちろん知らないのでポカンだった。

驚くべきことに、ジェーン・スーさんは日本人だった。
(芸名だそうです。)

お母さん!ジェーン・スーって日本人やったんや!と笑ったのを覚えている。
でも、その日の朝イチが秀逸でまんまと再びジェーン・スーさんの虜になってしまった。

そこからドイツに行く前からジェーン・スーさんの書籍やポッドキャストを聴くようになり、ドイツにも著書を2冊持ってきた。
私の背中を押してくれる宝物の2冊。
(あと1冊は悩みに悩んだ坂木司さんの和菓子のアン)

「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」

「きれいになりたい気がしてきた」

※ちなみに和菓子のアンはこちら。
今はシリーズ4くらいまで出ていたはずです。古参アピールなんてダサくて恥ずかしいけど、これは古参ファンと言いたい。アンシリーズだけでなく坂木司さんの文章そのものが大好き。

上の3冊はちょっと心が沈んだときのお守りとしていつも枕元に置いてある。


そのほかにもジェーン・スーさんの著書は電子書籍でほとんど読んだ。

ジェーン・スーさんの著書で一番有名なのはドラマ化もされた「生きるとか死ぬとか父親とか」。

スーさんとお父さんを中心して過去の思い出とお母さんの話が1冊にまとめられている切なくも愛のあふれる家族のエッセイ。

有名なのは知っていたが、読んでいなかった。

自分の家族に関してはたくさんつらい思い出もあったし
幸せな思い出もあるけど、まるごと愛すべきハッピー家族というわけではない。
(とはいっても普通の家族でも色々あるよね)

この本を読むのだけはパワーがいるかもしれないな、と思って今まで読むことができず避けてきた本。
心が向き合うことを避けているような気がして、いつか読める日が来るといいな、でも今は無理だな、と思う本だったのです。


でも、ふとつい3日前くらいに今やっているボランティアがうまくいった日があって、天気が良くて、美味しいごはんを食べた日。
なんとなく読める気がしてkindleで購入して没頭して読み込んだ。


途中でしんどくなって止まったりして、昨日最後まで読み終わった。


結果、ワンワンワンワン泣いて、家族に会いたくなって、謝ったり感謝したりしたくなって、濃い思い出が心をえぐり返してきた。

お母さんを早くに亡くされたスーさんが、お母さんのことを何も知らずに後悔したことをきっかけに、お父さんの若いころも遡り関係をゆっくり戻していく過程がとてもしんどく、またうらやましく、自分と重ね合わせてしまった。
(あらすじに書いてあるのでネタバレではないです)


私はお父さんと話すとき、コップがカチンカチンと当たるようにしか話せない。
割れないと思って雑に話すと、だいたい割れてしまって言いたいことを言う前に泣いてしまう。

お父さんと話す時以外は泣かない。もちろん旦那と意見の違いがあっても泣かない。

なんでか分からないけど、父と話すと泣いてしまう。
カウンセリングの勉強をしていても、自分のことになるとぐらんぐらんだ。。


でも仕事を辞めてドイツで平穏に暮らしている今なら、ちゃんと自分の心と向き合って家族のこともひとつひとつ思い出してみたいと思った。

こんな日がくるとは思わなかったけど、この夏ならできそうな気がする。

怖いからいつでもできるわけではないけど。

元気な日に、小さい時の思い出を振り返ろうと思った。


ジェーン・スーさんはいつも女のゆらぎやすい心のそばにいてくれて、
でも言語化できないモヤモヤを、思った以上の言葉で表してくれるので本当に救われる。。



いつか私もkindleでエッセイでも書けたらいいな。




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