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「お花とエッセイ」結果発表

2021年9月15日から1か月間、yuca.さん、つる・るるるさんと開催していた私設コンテスト「お花とエッセイ」。

合計で「71」作品の応募をいただきました。

期間中、応募作品を5つずつ、yuca.さん・ともきちのふたりで紹介をしてきました。作品集とその一覧はこちらの記事をご覧ください。


さて、本日はいよいよ結果発表です。企画や賞の概要はこちらから。3人で、じっくりと話し合い、計9作品を選びました。

コメントと共に発表いたします!

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グランプリ

7.山吹色に、小さな黄色のエンブレムを/とき子さん

(yuca.さん)
様々なお花との景色がある中で、お刺身に添えられる"タンポポ"を主役として描いたこのエッセイを読んだとき、「ここを切り取れるのはすごい…!」と思わずにはいられませんでした。
山吹色の車の真ん中に、そっと花を咲かせたとき子さん。エピソードの面白さはもちろんですが、幼き日のそんな光景が目に浮かぶ描写がとても素敵で、印象的でした。
グランプリ受賞本当におめでとうございます!素敵な作品をありがとうございました。
(ともきち)
山吹色の車と、スーパーの刺身についているタンポポ風お花。取り合わせのおもしろさがこちらのエッセイの魅力であることは間違いないんですけど、それだけじゃないのが、審査員3人の満場一致でグランプリに選ばれた所以ゆえんなんです。
おもしろすぎんか、いや、オモシロスギンカ?です。無邪気にはしゃぐ幼いとき子さんの様子を描く、思わずぶふっと吹いてしまうような言い回しが絶妙です。関西出身で「ともきちくんっておもしろいね」と言われるのが大好物なぼくは、明るく嫉妬しています。
とき子さん、最高でした!!!
(つる・るるるさん)
まさかこんな角度から「お花とエッセイ」に挑んでくる猛者がいるとは。
素敵な「屋根付きの車」を全力でお迎えしたとき子さん、念願のマイカーがすんごいことになっても怒らないお父さん、きっとしばらく買い物にものすごい緊張を強いられたであろうお母さん……。幼少期から創意工夫に富みまくっていたとき子さんと、それに振り回されるご両親の慌てぶりをとても楽しく拝読しました。
小さな黄色のエンブレムをつけたローレルは、きっとちょっと誇らしげに走っていたんじゃないかなぁ。


yuca.賞


20.プリズムを割る/るりさん

(yuca.さん)
お花との優しい思い出を描く作品が多いなか、「ゴミ箱に突っ込まれた花束」という、ショッキングなシーンから始まるこのエッセイ。
どんな場所でも"気高く気品を失わない"薔薇の花を通して、その存在感と力強さ、世の中の無情さや、生きていく上での儚さといったものが上手に表現されているのを感じました。
そして「咲く場所は自分で決めたい」という、るりさんの力強さも加わり、その世界観と表現力に、凄く惹き込まれてしまいました。
ステキな作品をありがとうございました。


つる・るるる.賞

22.なっちゃんのサルビア/Nadeshicoさん

(つる・るるるさん)
ありましたね~!一人一つ鉢を持って帰って、家で育てて休み明けに持ってくる課題!
なかなか花をつけず、葉ばかりが茂っていくサルビア。毎日お世話するのに飽きてしまうのも、登校日に枯れちゃったものを持っていく恥ずかしさにも、終始共感しっぱなしでした。
なっちゃんを窮地から救ったおばあちゃんのファインプレーに目頭が熱くなったのもつかの間、「抜かれた雑草の山の中に枯れたサルビアも転がっていた」に「ドライだなおい!」と思わずツッコんでしまいました。
最後のオチまで秀逸、笑わせていただきました!


ともきち賞

64.40本のサプライズ/文香さん

(ともきち)
サプライズの感動を文章で伝えるのって、すごく難しいと思うんです。なんせ感動に至るまでの葛藤を、ぼくたちは経験していませんから。
文香さんのエッセイがすごいのは、読み手の感動をとても上手に引き出していらっしゃるところです。
誰もいなくなった教室からはじまり、終わる、文章構成がまたいいですね。生徒にとって近しい存在でありたい、でもナメられてもいけない。一教師としての悩み・葛藤を思い返しながら卒業式の余韻に浸る、そんな放課後。気がついたときにはもうすっかり、先生の気持ちになっています。
主役の「40本のサプライズ」がしっかりと際立っていた、お花とエッセイにぴったりの作品でした。


優秀賞(5作品)

19.幸せの三つ葉のクローバーを、両手に抱えて今日もゆく/猪狩はなさん

(つる・るるるさん)
数字を覚えたてのご長男が気づかせてくれた、「三つ葉のクローバー」を「幸せのクローバー」にする方法。
どうしても私たちは、どこかにあるはずの幸せを探してしまいがちだけれど。ありふれた日常を自分たちの手で「特別」にすることもできるはずなんですよね。その発想に強く励まされました。
「ママのぶんはー、ちいさいのにしたよ!かわいいから!」とはなさんに伝えるご長男。将来モテ男になる未来しか見えません。どうかこれからも、ジェントルでいてほしい。


32.私の王国/りみっとさん

(ともきち)
幼稚園の頃のりみっとさんが見ていた、お花いっぱいの世界。冒頭の一文「その林の中へ行くと、私は王女になった。」で、一瞬にして王国に足を踏み入れていました。季節ごとに表情を変える姿を単に描写するのではなく、お花が好きな女の子の目を通して表現している部分に、思わず頬が緩みます。
可愛らしい王女の世界に浸っていると、現実世界のお父さまの声に、はっとさせられるんです。でもお父さまとの会話を聞くとこれまた可愛らしくって、再び頬が緩みます。
仲良く手をつないで歩く、父と娘の後ろ姿が頭に浮かんでくるようなエッセイでした。


50.花の香りを嗅いでみて!/リコさん

(yuca.さん)
旦那さんの影響で"花の香りを嗅ぐ人"になったリコさん。「知らなかったことを知っていくこと、それがどんどん広がること。夫婦って、親子って、面白い」私はこの部分に、リコさんの人柄が表現されているような気がしました。
旦那さんからリコさん、そして子供さんたちへ。ふわっと薔薇の香りが漂ってくるような優しい世界観のなかで、共に生きていく家族の存在と絆が、素敵に描かれた作品だと感じました。
ステキな作品をありがとうございました!


51.「リンドウは正しい角度を、夢に見る」/ヒスイさん

(ともきち)
とにかく描写が圧巻でした。
一族の中心的存在だったらいおばあさま。「あたし」が終始、敬語で話す様子からも、その威厳さが伝わってきます。そんなおばあさまに「だれの友達ですか」と言われても、冷静にお世話をつづける「あたし」。
彼女の複雑な心境が、おばあさまとの会話や行動に表れていて、読んでいて自然と胸が詰まってくるような感覚になりました。
2000字近い記事をあっという間に読ませてしまう文章も好きです。句読点と、改行の使い方にすごく惹かれています(見習いたい……!)。


58.母の内なる花。/mamiさん

(yuca.さん)
遠足での出来事をきっかけに、明るくなったお母さま。題名のとおり、お母さまの中でひっそりと育っていた小さな芽が、成長して花を咲かせていく様を上手に描かれたエッセイだなあと感じました。
また、シーンごとに描かれるイラストたちがすごく素敵で、絵本を読むような気持ちでエッセイを楽しませて頂きました。植物を育てるのが上手な人を表す『緑の指』という言葉、お母さまにぴったりですね!
素敵な作品をありがとうございました。


9名の方、ほんとうにおめでとうございます。コメントは分担して書いていますが、3人の総意で選んでいます。賞金は3人の誰か、もしくは複数人から、サポートをお送りします。

ぼくたちが大切に読ませてもらったのと同じくらい、心を込めて、書いてくださったんだろうなと感じています。ぜひ記事への想いや、受賞のよろこびなんかを教えてくださると、ぼくたちも結果発表後の余韻に浸れてうれしいです。


改めて、おめでとうございます!
結果発表はここまでです。

企画を通して。

ここからは、企画を通しての、ぼくの感想です。たっぷり書こうと思ったんですが、より素直な気持ちをお伝えしたいな〜と、音声にしてみました。

そして今回の企画を一緒にやってきたyuca.さん、つる・るるるさんと今度、「打ち上げ」と称しておしゃべりをする予定です!音声として公開するのか、文字起こしをするのかは考えますが、その模様はみなさんにもお届けしたいなーと思っています。家に帰るまでが遠足、打ち上げでキャッキャするまでが企画です(?)。


1ヶ月間、ほんとうにありがとうございました!

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