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ロー入試のステメンに書くことがないあなたへ【勉強関連編】

ロースクール受験対策では、法律科目の勉強や小論文対策から始める人が多いでしょう。いざ出願という時になって、志望理由書や自己評価書といった通称・ステートメント(ステメン)が必要だと気がつき慌てる人もいるのではないでしょうか。

本記事では、ステメンに悩む受験生に向けて、筆者なりのステメンの書き方を紹介します。是非参考にしてくださいね!(ライター:長井/The Law School Timesライター)

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(4/5公開予定)


ステメンとは?

ステメンは、ロースクール入試の出願時に必要な、志望理由などをまとめた書類の総称です。志望理由は、ほぼ全てのロースクールで必要になります。またステメンでは志望理由だけでなく、自分の能力や適性を自分で評価して記載する「自己評価書」も求められる場合があります。ロースクールごとにステメンの内容は異なるため、志望するロースクールの募集要項を確認しましょう。

まずは志望校のホームページを隅々まで読もう

志望するロースクールのホームページは隅々まで読みましょう。特に、教育理念やそのロースクールの「売り」(例えば、エクスターンシップが充実していることや、国際色の強さなど)は必ず確認してください。

というのも、ロースクールの志望理由書では「(数あるロースクールの中で)本校を志望する理由」を書くことを求められているからです。「法科大学院を志望する理由」だけでは不十分です。志望理由の核となる経験や実績は同じでも、ロースクールの特徴を踏まえた書き方・表現になるよう工夫しましょう。

勉強に関することを優先して書こう

ステメンに書く内容に迷ったら勉強に関することを優先して書くのがお勧めです。ロースクールは大前提として教育を受ける場所であり、ロースクール側が入学者に求める能力は勉強関連が多いと考えられるからです。

とはいっても、勉強に関することなんて何を書いたら良いのか?と思う方も多いと思います。具体的にはゼミでの活動・受講した講義への姿勢、GPAなどの成績と様々です。以下でトピックごとに詳しく説明していきます。

①ゼミでの活動について書く場合

ゼミでの活動はこれから挙げる他のトピックと比べ、活動内容を志望理由や自己評価に結び付けやすいため、比較的書きやすいです。

例えば、筆者は民事法系のゼミに所属していたため、志望理由に「不法行為法を学んでいく中で、例として環境権といった環境問題に対する法的アプローチを知ることができた。法の解釈や知識を用いて、環境問題といった様々な問題に対しても法的解決を試みることができるのは、私が法曹を志す大きな一つの理由である」と書きました。自己評価では「数多くの議論を経験したことで、正確に論点を発見し指摘する能力や、主張や反論に対して適切に応答をする能力も獲得できた」といった内容を書きました。

既修者コースと未修者コース、法学部と他学部関係なく、ゼミでの活動は多くのロースクールが法律家の適性として挙げる分析力や表現力、思考力を主張しやすいトピックです。

②学部時代の講義について書く場合

受講した法律関係の講義について書く場合、「法的知識を得られた」という結論を導くことができます。

また、憲法や民法といった基礎科目以外の応用科目(例えば社会保障法や法哲学など)の講義を履修していた場合は「法的思考力」が得られたと主張しても良いでしょう。応用科目では、基礎科目では得にくい法的思考を学ぶことができ、講義の中で実際に起きている問題に触れることが多いため、自然と法的思考力が培われます。応用科目は必修でないことが多いため、応用科目を受講した理由を併せて記載することで、積極性をアピールすることもできます。

しかし「ただ黙々と講義を聞いていた」というだけでは不十分です。多くのロースクールでは、教員や複数の生徒が意見を述べ合う多方向の授業が実施されます。「疑問を解決するために積極的に質問をした」、「講義内容をより理解するために様々な文献を調べた」など、能動的に講義に関わった経験を記載できるとなお良いでしょう。

講義で書くことが浮かばないという方も、視点を変えてみると見つかるかもしれません。例えば「全ての講義に興味関心があったとは言えない」という場合も、「自分の興味関心に基づいた講義だけでなく、知識や思考力を獲得するために他の講義を受けた」とプラスに言い換えることができます。大学における自分の姿勢を多角的な視点から振り返ってみるだけで、ステメンに書けることが見つかる場合もあるので、お勧めですよ。

③GPAなどの成績について書く場合

書くためには高いGPAが要求されるため、書ける人が限られるトピックです。学科内で総合成績が10位以上の方など、成績が非常に優秀な方は、成績について書くのも良いと思います。高いGPAを獲得していること自体が、上記で触れた分析力・表現力・思考力や知的探究心があることの十分な証明になります。成績優秀者の賞状を持っているといった方は、賞状の写しを添付資料として送付すると良いかもしれません。

法律科目の成績は良いのに、第二外国語といった教養科目のせいで総合GPAが低いという方も、法律関係の講義で優秀な成績を収めたことは法的知識や法的思考力をアピールするために十分記載できる内容です。

成績は成績証明書をロースクールへ送付するため証明がしやすいトピックです。上記で挙げた例でわかるように高いGPAを獲得していることが前提であるため、書くのは比較的難しいテーマですが、書ける人は積極的に書いていきましょう。

おわりに

筆者自身は、とにかく志望するロースクールのホームページを必死に読み込み、そこに記載されている教育目標やポリシーに関連づけてステメンを書くことを意識していました。ロースクールが入学者に求める素質や能力については、実は大きく異なることはありません。まずは法律家としての基本的な素養が自分に備わっていることを、経験や実績を交えて書けるようにしましょう。応援しています!


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