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【翻訳】ポーカーにおける「勇敢さ」とは?【CASH,MTT,セオリー】GTOWブログ.26
勇敢さとは何か
昔、「勇敢」という言葉は戦場での騎士の勇敢さを表していた。ゼニスポーカーは、Valor(勇敢さ)という概念を初めてポーカーに導入した。
勇敢さとは、将来のストリートでバリューベットやレイズができるというあなたのハンドの特性のことである。後のストリートでアグレッションを継続する能力や、相手のバリューレンジをアウトドローする能力などが、そのハンドの「勇敢さ」を著しく高める。
また、勇敢さとは、ベットやレイズを通してポットを奪い合う特性のことも含まれる。勇敢さの高いハンドは、ランアウトに関係なく複数のストリートに渡って大きなベットやレイズを行うことでバリューを最大化することができ、価値の低いハンドはよりパッシブにプレイすることで損失を最小限に抑えることができる。
ValorとEQ、EV、EQRとの関係は?
エクイティ(EQ)は、そのハンドがチェックダウンされた場合、どれくらいの確率で勝てるかを計る。
期待値(EV)は、長期的にどれだけ勝てるかを計る。
エクイティリアライゼーション(EQR)は、ハンドのEQとEVのパフォーマンスの差を計る。EQR= EV ÷ (pot × EQ)となり、勝つと予想される金額と、生のチェックダウンエクイティにより勝つであろう金額を単純に比較する。エクイティをオーバーリアライズするハンドは、パイの「公正な取り分」よりも多くを獲得する傾向がある。
Valorとは、将来のストリートでバリューベットまたはレイズをするというハンドの特性のことである。
高いValorを持つハンドはエクイティをオーバーリアライズする傾向があり(EQR>100%)、高いインプライドオッズを持つ傾向もある。
勇敢さは、アグレッシブなアクションによってエクイティをEVに変える方法を示している!
ハンドの例
[NL 500 Cash、ES 100BB].
BTN vs BB SRP: A♠K♠6♦. BTNにはフロップでCベットするオプションがある。
ここでBTNのGTO戦略を見てみよう。BTNの最適戦略はオーバーベットかチェックである。この戦略はBTNのナッツハンドの価値を最大化する。トップペア+の強いハンドは、この戦略で高いパフォーマンスを示す。逆に、ミドルペアやポケットペアは、コールされたときのエクイティが保てず、簡単にそれらのハンドを逆転するようなハンドをフォールド出来ないため、ベット頻度が低くなる傾向がある。そのため、(ドローを伴わない限り)チェックバックすることが多くなり、1ストリートでもショーダウンに近づくことができる。サードペア(6x)はここではセミブラフを行なっている!
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この戦略のBTNのEQRを比較してみよう:
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強いトップペア+、フラッシュドロー、ガットショットなど、高いEQRを持つハンドは、高いValorを持つ傾向がある。その結果、これらのハンドはエクイティ以上のパフォーマンスを発揮し、バリューとして複数のストリートをベットしたり、セミブラフの場合は相手のレンジをアウトドローしたりすることができる。
BTNのレンジのツーペアとセットをフィルタリングしてみよう:
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BTNはこのスポットでレンジ全体の40%しかCベットしないが、セットや2ペアは頻繁にベットされる。これらはベストハンドであることが多く、2~3ストリートをバリューベットできることが多いので、価値が高いハンドである。これらは純粋なバリューハンドであり、ベットしてコールされてもレイズされた時にEVは上がる。
次にトップペアを探してみよう:
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トップペアはEVもValorも2ペア+とは大きく異なる。ベストハンドであることも多いが、スリーストリートをバリューベットするには通常強いツーペアのアウツが必要である。トップペアには梯子効果がある:キッカーが強くなるほど、後のストリートでトリップスや2ペアになった時に強くなり、したがってそのValorは高くなる。AQとAJはよくベットするが、下位のトップペアは頻繁にチェックバックする。
ここまでは、メイドハンドを検証してきた。次に、ドローをフィルタリングして、そのパフォーマンスを見てみよう:
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一枚目の画像は直接的なドロー、二枚目はバックドアドロー、三枚目はノードローのハンドである。
ドローはよりアグレッシブにプレイする。トップペアより弱いハンドのうち、ドローは65%、バックドアは38%、ドローのエクイティがないハンドは18%をベットする。
これらのドローハンドは、相手のバリューハンド群をアウトドロー出来るため、将来のストリートでベット/レイズしてバリューを得る事が出来る為、Valorが高くなる傾向がある。
Valorをマクロ分析する
マクロ分析(レンジ、ポジション、SPR)を見て、Valorの比重を調整していこう。
あなたのレンジが強ければ強いほど、そのレンジ内の各ハンドの「勇敢さ」は高くなる。ハンド単体では喜んでベットを出来ないようなハンドでも、レンジ全体で優位であれば、頻繁にベットすることが出来る。
レンジアドバンテージ
以下の画像はK72rのBTN vs BBのシングルレイズドポットである。BTNには再びCベットのオプションがある。ポジションとレンジがValorにどのように影響するかを分析する。
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BTNはレンジ全体でアドバンテージがある。BBはポジションを離れており、K72にはBTNのオーバーペアとトップペアのアドバンテージを上回るドローはない、 そこでBTNはスモールベットでBBの「勇敢さ」の低いハンド達を攻撃する。
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レンジ全体のベット頻度も高い為、サードペアやAハイでもベット頻度は高い。
ポジション
ポジションがあるときとないときでValorがどのように変わるかを比較してみよう。シングルレイズドポットでプリフロップのコーラーとしてK72rのスモールベットに直面する。BTNに対するBBの戦略と、SBに対するBBの戦略を比較する:
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どちらのシチュエーションでもエクイティはほぼ同じだが、アウトオブポジションではエクイティを実現するのが難しい。インポジションでフロップのベットをコールした場合、アウトオブポジションのプレイヤーはターンをチェックするかもしれない。アウトオブポジションのプレイヤーにはこのような良い状況はない。ターンをチェックした後もベットに直面する可能性がある。したがって、アウトオブポジションではフォールドすることが多くなる。
SPR
スタックポットレシオが低いほど、スタックオフ出来るレンジが広くなり、Valorの敷居が低くなる。スタックポットレシオが高い場合は相手のバリューレンジをアウトドローする能力を優先する。SPRが低い場合は、より強いハンドにスタックオフしてしまう(こともある)程度のハンドを作れば十分である。
この例では、SBから3ベットし、BTNの4ベットをコールした。フロップは542rで、我々はチェックし、BTNはポットの25%をCベットした。
プリフロップでTT+とAKのハンド群の多くを5ベットオールインすることになるので、4ベットにコールをするレンジは相対的に弱くなる。
ここでは、ベットに直面したSBの戦略を見ていく:
![](https://assets.st-note.com/img/1705652390902-Et2DMr3QXX.png?width=1200)
オーバーペア部分のディスアドバンテージが大きい(ポットのEVの25%しか獲得できない)にもかかわらず、25%の頻度でレイズする。
SPRが高いと、中程度のエクイティのハンドはパッシブにプレイする傾向がある。SPRが低い場合、私たちはヴィランのオーバーカードのエクイティを否定するために、中程度のハンドをベットしたりレイズしたりする。従って、SPRが低いほど、中程度の強さのバリューハンドのValorは高くなる。
まとめ
Valor(勇敢さ)とは、ベストハンドを作り、将来のストリートでバリューベット出来る能力のことである。フラッシュドローはバックドア・フラッシュドローやノードローハンドよりもValorが高い。Valorの高いハンドは頻繁にベットやレイズをしてポットを争うが、Valorの低いハンドはよりパッシブにプレーする。また、Valorの高いハンドはエクイティをオーバーリアライズする傾向がある。
マクロ分析(レンジ、ポジション、SPR)を活用する事で、さまざまな角度からValorを見比べることが出来る。より強いレンジを持つことで、レンジ内の個々のハンドのValorが高まる。IPであることで、エクイティをより効果的に実現することができ、より多くの回数をコンティニューすることができる。SPRが低いとスタックオフのレンジが広くなり、Valorが高いかどうかの閾値が下がる。
Valorはポットにどれだけのお金を入れるかを考えるのに非常に役立つ。Valorの高いハンドは、低いハンドよりも頻繁に、そして大きな金額をポットに入れる。トップペア・グッドキッカー以上のような強いバリューハンドや、コンボドロー・フラッシュドローのような強いドローはValorが高い。改善するためのアウトがあまりない微妙なSDVがあるようなハンドは、Valorが低い傾向がある。
Valorとは、エクイティをEVに変えるためにアグレッシブな行動を取る方法である。
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