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【翻訳】マルチウェイポットにおける10個のヒント【CASH、MTT、セオリー】GTOWブログ.41
ヘッズアップポットの戦略については多くの研究がなされているが、マルチウェイポットについてはまだ未開拓の領域である。マルチウェイポットの特徴は、HUとは全く異なる戦略的アイデアから成る。エキスパートプレイヤーであるMatt Huntは、彼の教材『Three's A Crowd』の中で次のように述べている: 「マルチウェイのポストフロップスポットは、ヘッズアップのポストフロップよりも、マルチウェイのプリフロップに似ている。
この記事は、あなたのマルチウェイプレーを向上させるための理論的基礎を提供するために書いた。GTOウィザードは2024年にマルチウェイにおけるポストフロップソリューションを発表する予定である。しかし、この記事は今すぐ対戦相手を打ち負かすために必要な知識を身につけることを目的としている。マルチウェイのプリフロッププレイで使用されるヒューリスティックの多くは、マルチウェイのポストフロップにも適用されることに注意することが重要である。多くのプレイヤーはこれらの原則がプリフロップに特化したものであると勘違いしているが、実際はマルチウェイポットのより広い力学に由来するものであることが多い。
1.マルチウェイにおける均衡の問題
細部に入る前に、ナッシュ均衡(GTO)の基本的な主張がマルチウェイスポットでどのように変わるかを検証しなければならない。ナッシュ均衡には望ましい性質がある。もしGTO戦略に従えば、最小限の期待値が保証され、対戦相手のミスはあなたのペイオフを上げるだけである。この保証はマルチウェイにはない。マルチウェイシナリオでは、攻略不可能な戦略というものは存在しないため、期待値はもはや保証されていないのだ。
マルチウェイポットで誰かがミスをした場合、そのプレイヤーの期待値は、あなたが期待するように、そのハンドに残っているプレイヤーに単純に分配されるわけでは無い。そのプレイヤーのミスは、他のプレイヤーの期待値を下げ、第3のプレイヤーの利益になることがある!GTOであろうとエクスプロイトであろうと、どんな戦略もこの影響から逃れることはできない。もしそうだとしたら、マルチウェイシナリオのGTOソリューションが正当であると、どうすれば確信できるのだろうか?この疑問は、コンピューターゲーム理論の著名な専門家であり、LibratusやPluribusのような高度なポーカーAIの開発者であるNoam Brownによって取り組まれた。Lex Friedmanとのインタビューで、ヘッズアップとマルチウェイポーカーの違いについて聞かれたとき、Noamはこう答えた。
"2人用のポーカーで均衡を近似するために使用される方法は、非協力ゲームの性質上、6人用ポーカーでも有効に機能することがわかった。"
マルチウェイポーカーにおいてGTOが近似出来ることが分かっている。この主張の他の証拠は、異なるソルバーアルゴリズムが、全く異なる方法を使っても、同じマルチウェイ戦略に到達するという事実から来ている。難しい理論はさておき、マルチウェイポットで最も影響力のある要素について掘り下げてみよう。
2.ディフェンスの負担はシェアされる
ポーカーでは、MDFを使って、あるプレイヤーが相手がブラフで利益を得るのを防ぐために、どれだけ広く防御する必要があるかを計算する。この計算の逆数がアルファ(α)であり、純粋なブラフで利益を得るためには相手がどのような頻度でフォールドする必要があるかを表す。MDFとアルファについて詳しくはこちらの記事から
マルチウェイポットでポットサイズのブラフをした場合を考えてみよう。あなたのブラフが利益を生むためには、少なくとも50%の確率でポットを取る必要がある。つまり、ヘッズアップポットでは、相手は少なくともレンジの半分でディフェンスする必要がある。しかし、マルチウェイポットでは、ディフェンスの負担は分散される!
フォールドの頻度は乗算的であり、各プレイヤー間の合計で半分以上の確率でフォールドしない程度の頻度でディフェンスすればよいのである。あるベットでポットを取られる確率は次のようになる:
Total fold%=Player1 fold% × Player2 fold% × Player3 fold% …
各プレイヤーの平均フォールド頻度は、ディフェンスプレイヤーの数のn乗根にアルファを掛けた値になる。
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n = ディフェンスプレーヤーの数
α = HUベットに対するアルファ、s/(s+1)に等しい。
s = ベット÷ポット
実際には、アクションが最も遅いプレイヤーは前のプレイヤーよりも大きい頻度でディフェンスを引き受ける。これは、アクションをクローズするプレイヤーの方が、そのストリートで押し出されるリスクがない分、ディフェンスの利益が大きいからである。しかし、マルチウェイポットにおける戦略的な違いを示すために、上述の簡略化した式を使うことができる。
次の表は、MDFを満たすためにプレイヤー一人当たりが必要とする平均的なディフェンス頻度を示したものである:
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ヘッズアップのポットで、相手がポットの10%をベットした場合、相手がブラフで利益を得るのを防ぐには、自分のレンジの91%をディフェンスする必要がある。この小さなベットに対してディフェンスするプレイヤーが8人いたとすると、あなたのディフェンス頻度は約26%に低下する!この差は劇的だと言える。実際、1%のポットサイズのベットでさえ、あなたのディフェンスレンジを劇的に低下させる。HUポットでは、相手がポットの1%をベットした場合、あなたは自分のレンジの約99%を守る必要があルガ、これが9ウェイポットでは44%まで下がる。
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マルチウェイポットでは、ピュアブラフのリスクリワード比が非常に悪くなる。相手は非常に小さいベットに対しても非常にタイトに守ることができ、あなたがブラフから利益を得る事を防ぐことが出来る。一方でポットオッズは変わらない為、十分なEVを獲得できるハンドであれば、このベットに対してコンティニューすることが出来る。
3.Tight is Right!
セクション2で示したように、マルチウェイポットでは、対戦相手はエクスプロイトされることなくディフェンスの回数を減らすことができる(防御の負担が少ない)一方で、あなたのレンジが弱すぎる場合には、対戦相手は自由に防御の回数を増やすことができる。このことは、非常に単純だが重要なヒューリスティクスにつながる:
タイトであることは正しい。ということである
マルチウェイポットでは、ヘッズアップポットほど広くディフェンスする必要はない。あるベットサイズに対してどのようなハンドを続行すべきかの閾値は、かなり厳しくなる。同時に、あなたのベッティングレンジはより強くなるはずである。ピュアブラフはマルチウェイでは有効では無く-より強力なバリューベットと、より強力なブラフハンドが必要になる。リバーを除いて、確実なドローのエクイティのないハンドでブラフをかけることはほとんどないだろう。
4.レンジベッティングをやめる
レンジベットとは、あるスポットで自分のレンジ全てをベットすることであり、通常は小さなサイズでベットする。この戦略はHUのポストフロップではよく見られるが、ほとんどのマルチウェイでは惨敗する事になる。
レンジベットの戦略的前提は、あなたが圧倒的なアドバンテージを持っているため、あなたがどんな2枚のカードでベットしても相手はオーバーフォールドせざるを得ないということである。しかし、マルチウェイポットでは、相手はあまり広くディフェンスする必要はない。これはレンジベットのインセンティブに直接的に関与する。ヘッズアップで得られる余分なフォールドエクイティは、マルチウェイではすべて消えてしまうためである。
つまり、あなたのマルチウェイ戦略を向上させるためにできる最も簡単な変更はこれだ:
レンジベットをやめる。
トラッシュハンドをあきらめる回数を増やす。
バリューベットの閾値を厳しくする。
ミディアムハンドのチェックバックを増やし、ショーダウンを狙う。
5.ナッツのポテンシャルは王である
ナッツポテンシャルとは、ドローがナッツになる可能性、またはそれに近いハンドになる可能性のことである。例えば、A♠Q♠8♥のようなフロップでは、6♠4♠のようなドローは弱いフラッシュにしかならないので、ナッツになる可能性は低い。しかし、K♠7♠のような手はナッツフラッシュへのドローがあるので、強いナッツポテンシャルがある。
マルチウェイポットではスタックを全て投下できるハンドの幅が狭くなるため、ナッツポテンシャルは生命線と言える。
マルチウェイポットでセミブラフを考えるときは、アウツの概念をより考慮すべきである。強いハンドへのドローがあるのか、ナッツへのドローの可能性はあるのか?あなたのアウツの中に、より強いドローを完成させるものがあるか?これらの疑問への重要性は、マルチウェイでは非常に大きくなる。
さらに、マルチウェイポットでのベット頻度はナッツアドバンテージと強い相関関係がある。レンジアドバンテージを持ちながらナッツアドバンテージを持たないプレイヤーは、(SPRが非常に低い場合を除き)一般的によりパッシブにプレイすべきである。
753rのようなボードをBTNとしてSBとBBの3wayポットで、レンジベットしたらどうなるか考えてみよう。確かにあなたはオーバーペアを持っているが、彼らはそれに比例してセット、ツーペア、ストレートなどのナッツハンドを持っている。あなたのオーバーペアはマージナルペアからあまりバリューを得らる事が出来ず、危険なチェックレイズの攻撃を受ける事が多い。
6.インプライドオッズやリバースインプライドオッズが高くなる
これは、私たちの記事「Visualizing Implied Odd」でも言及したGIFで、エクイティがどのようにマルチウェイになるにつれシフトしていくのかを表している。正確な数字は重要ではない。むしろ、色分けされたグラデーションに注目してほしい。
セクション5から得られる教訓は次の疑問に繋がる。マルチウェイポットはインプライドオッズを(リバースインプライドオッズをも)増加させる。この効果は、ディープスタックポットにおいてもインプライドオッズが増加する理由と似ている。マルチウェイポットではスタックオフの閾値がよりシリアスになるため、HUポットよりもバリューオールインする為にはより強いハンドが必要になる。完全なブラフキャッチャー、改善するの可能性の低い中程度の強さのハンド、ギリギリのトップペアでさえ多くのバリューを失う。マルチウェイポットをプレイしやすいなハンドは「分かりやすい」ハンドである。繰り返すことになるが、ナッツになり得る性質は、より重要になると言える。
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マルチウェイにおいてもエクイティを保持し続けるタイプのハンドは、一般的に強いドローのポテンシャルを持っている事が多い。スーテッドコネクター、スーテッドギャッパー、ナッツフラッシュができるハンドなど。
7.小さいベットサイズを使う
前にも言ったが、もう一度言おう-ディフェンスはマルチウェイポットでは、よりタイトになる。そのため、大きなサイズを使うと、自分のレンジをオーバープレイしやすくなる。マルチウェイポットではエクイティリテンションをより慎重に考えよう。エクイティリテンションとは、ベットがコールされたときに、あなたのハンドがどれだけのエクイティを保持できるかということである。
[NL500キャッシュ] BTNがオープンBBがコール、フロップはA♣T♣2♠。ヘッズアップポットでは、BTN は通常オーバーベットを好む。BBが125%のポットサイズのCbetをコールしたときの彼らのエクイティは以下の通りである(BBはここでかなりオーバーフォールドしている!)。ほとんどの強いトップペアはまだ相手のコールレンジを大きく上回っている。
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では、こ
れをマルチウェイポットと比較してみよう。[NL500キャッシュ] BTNがオープン、SBがコール、BBがコール。GTO Wizardのレンジを使う。このオーバーベットに直面したプレイヤー一人当たりの平均ディフェンス負担率は25%である(HUでは44%)。通常、SBのディフェンス頻度はBBより低いが、ここでは単純化して、両プレイヤーともプリフロップのコールレンジの上位4分の1でコールすることにしよう。フロップは先ほど同様 A♣T♣2♠ である。これがSBとBBのレンジの上位25%に対するBTNのエクイティである。
驚くべきことに、A2のようなツーペアやAKのような強いトップペアでさえ、コールレンジに対するEQはこの有様だ!フロップのただ一度のベットで事実上ツーペアをオーバープレイしている事になる...ブラインドは実際にはもっとフォールドするはずなので、これでもBTNのエクイティを過大評価していることに注意して欲しい。
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これが、マルチウェイポットでベットするときにサイズダウンすべき理由である。大きなベットに直面した時の集団的な防衛の結果、相手のレンジは極めて強くなるため、あなたのエクイティリテンションは崖から急落する事になる。とはいえ、マルチウェイでオーバーベットできる場面もある。このような戦略は、ナッツアドバンテージがあり、ナッツのハンドでスタックを稼ぐことができる場合に限られる。マルチウェイのオーバーベットはHUポットよりはるかに稀である。
8.ポジションによる優位性は上昇する
ポジションの優位性は、対戦相手が先に行動することで得られる情報と、各ストリートでアクションを閉じる能力から生まれる。マルチウェイポットでは、より多くの情報を得ることが出来るため、ポジションの優位性は増幅され、アクションをクローズすることの価値が高くなる。逆に、あなたの後ろにまだアクションしていないプレーヤーが大勢いるときは、利益的なプレイを出来る事はかなり少なくなる。
この原則を示す最も簡単な方法は、プリフロップにおけるBTN のコールドコールレンジと SBのコールドコールレンジを比較することである。ほとんどのキャッシュゲームでは、プリフロップのアクションで後ろにいる人数がより多くコールするための値段も高いのにも関わらず、BTNはオープンレイズに直面したSBよりも広くディフェンスすべきである。
この原則を実証するために、ディープスタックのスポットを選んでみよう(ディープスタックはポジションの優位性をさらに拡大する)。[500NL ES200bb キャッシュ] COが2.5bbにオープン。BTNとSBのプリフロップのディフェンスを比較してみよう。
BTN vs CO RFI
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SB vs CO RFI
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BTNはSBより8%広くディフェンスすることに注目しよう!これはプリフロップのレイザーに対してポストフロップでのポジションを持っていることと、マルチウェイポットになった場合もインポジションでプレイ出来る可能性があることが影響している。SBはコールをするのに、より良い価格を得ており、後ろにいるプレイヤーも少ない。しかし、この2つの要素では、ポジションが無いところでのプレイというマイナス点を軽減することはできない。したがって、SBはこのスポットではBTNよりもタイトにプレイする。明らかに、2度もアウトオブポジションでプレイする事は非常に悪いことだ。しかし、真ん中のポジションであることはどうだろう?
自分の後ろと前にプレイヤーがいる状態で「真ん中の猿」をするのも良い提案ではない。多くのプレイヤーが犯しがちな間違いは、SBがIPのオープンをコールした後、BBはプリフロップのレンジをもっと広く守るべきだと考えることだが、通常はそうではない。確かにポットオッズは良くなるが、マルチウェイでのエクイティリテンションはずっと悪くなる。
Daily Dose#64とDaily Dose#342で示したように、ほとんどのハンドはマルチウェイでは価値を失う。このルールには例外もある。例えば、コールドコーラーの片方が極端にレンジが広ければ、あなたもワイドにオーバーコールすることができる。また、最初のベットの値段も大きく影響する。
9.ブロッカー効果は増幅される
ブロッカーはマルチウェイでより重要になる。ブロッカーがより多くのレンジと相互作用するに事により、カードリムーバル効果はより強力になる。例を挙げよう。[NL500 6max Cash, 200bb deep] UTGがオープンする。UTGはどれくらいの頻度でポットを奪うことが期待出来るだろうか?以下は異なる2枚のハンドでオープンした場合に、ブラインドをスティールすることが出来る頻度である:
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これはかなり大きな差と言える。UTGがオープンした場合、AKは22よりも7.3%多くブラインドをスティール出来ると予想される!これは、AKがUTGのオープンをコールまたはレイズするハンドをブロックするのに対し、22は主にフォールドするハンドをブロックするためである。同じ考え方がポストフロップのマルチウェイにも当てはまる。ナッツをブロックすることはより重要である。フォールドするカードをブロックすることはブラフにとって、より問題となる。コンティニューするハンドをブロックしていると、バリューターゲットであるハンドからのペイオフを受けるのがかなり難しくなる。
10.キャップされたレンジは搾取されにくくなる
キャップされたレンジには最強のハンドは含まれない。HUポットでは、自分のレンジが搾取される可能性により気を配る必要がある。もしあなたが弱いハンドをチェックバックしすぎたり、強いハンドを十分にスロープレイしなかったりすると、相手はあなたの弱くなったレンジを過剰なアグレッションで攻撃してくる可能性がある!
しかし、マルチウェイポットでは、複数のプレイヤーがディフェンスの負担を分担するため、レンジがキャップされている事はあまり問題にならなくなる。レンジで優位に立つアグレッサーは、複数の対戦相手の間をすり抜けなければならないからだ。例を挙げよう。[NL500 100bb 6max Cash] UTGが2bbをオープン。以下が全員がフォールドした後のBBのディフェンス戦略である:
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![](https://assets.st-note.com/img/1707726809370-PZq74x4tAn.png?width=1200)
上記のレンジと、SBがコールドコールした後にBBがどのようにディフェンスするかを示す以下のレンジを比較する:
![](https://assets.st-note.com/img/1707726918904-wqrRoPwWz9.jpg?width=1200)
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BBがUTGに対してHUをする場合、彼らはAKoやQQ、時にはAQsのような強いハンドでフラットコールをする。これらの強力な罠は、残りのコールレンジがキャップされる事により強い攻撃に晒されないようにするために必要である。
Bがフラットコールした後のBBの戦略と比べてみよう。彼らは自分のレンジのトップでスクイーズする傾向が強く、自分のコーリングレンジをキャップさせたままにする。これにはスクイーズのインセンティブも関係しているが、マルチウェイスポットではキャップされたレンジは搾取されにくいという面もある。ほとんどのスクイーズ戦略は非常にリニアで、まさに上記の理由から非常にトップヘビーである。一般的に言って、マルチウェイポットでは「より素直に」プレイする必要がある。プリフロップでもポストフロップでも、マルチウェイのベッティングレンジはよりリニアになる。「素直に」というのは、文字通りごまかしがないという意味ではなく、プレイヤーのアクションはマルチウェイのレンジのバリューをより忠実に反映するべきだという意味である。誰かが弱すぎるハンドで大きすぎるベットをすると、ブラフに必要なフォールドエクイティはほとんど得られず、彼らのバリューレンジはディフェンスするプレイヤー達のとてもタイトなコールレンジに対してアンダードッグになることになる。エクイティリテンションは急降下し、チェックレイズやカウンターアグレッションに極めて弱くなる。
しかし、より興味深いのはチェックレンジである。マルチウェイのチェックレンジは概して弱く、キャップされている。これは、ベットレンジがより素直であるということもあるが、複数のプレーヤーがディフェンスの負担を分担することで、ディフェンスの必要性が減るからである。ある意味、他のプレイヤーが盾の役割を果たし、プレイヤーがあなたのキャップされたレンジを攻撃する事を防いでいるのだ。つまり、リバーのアクションがチェックで終わるととかなり弱いレンジになることが多い。プレイヤーはマルチウェイで推奨されるより弱いハンドでベットをする傾向があるので、実際にはなおさらである。このため、多くのMDAのグループでは、アクションがリバーまでチェックで進行した場合、マルチウェイのスポットで積極的にブラフをすることを推奨している。
結論
マルチウェイポットでのベッティングの最大の要点は、プレイヤーは搾取されることなく、よりタイトにディフェンスすることができる一方で、ベッティングレンジが弱すぎる場合は、より広くディフェンスする自由があるということである。
プレイヤーはディフェンスの負担を分担するため、コールレンジが狭くなる。
エアでのベットやレンジベットは通常有効な戦略ではない。
エクイティリテンションが低下するため、ベットサイズを小さくする。
バリューベットやブラフに対してより強い閾値を設け、より強いベットレンジを使う。
インプライドオッズ、エクイティリテンション、ナッツへの可能性を重視する。
ポジションの価値が高まる。
カードリムーバル効果が複数のレンジと相互作用するため、ブロッカーがより重要になる。
他のプレイヤーが絡むと、キャップされたレンジを攻めるのが難しくなる。
ベットはよりリニアになり、チェックはよりキャップされるようになる。
GTOのソリューションはもはやエクスプロイト不可能だとは保証されない。
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記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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