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【翻訳】Stack-to-Pot Ratio(SPR)の理解【セオリー】GTOWブログ.23
スタックポットレシオ(SPR)とは、有効スタックの深さ、つまり、ポットにあるお金を獲得するためにそのスタックの全てをリスクにさらす必要があるハンドの強さを測る方法である。言い換えれば、リスクとリワードの計算である。有効スタックとは、リワードであるポットを獲得するために、各プレイヤーが負うリスクの最大額である。
時々、特にフロップの前に、スタックの大きさをSPRではなくビッグブラインドで表すことがあるが、これはあまり役に立たない指標である。リワードを考慮せずにリスクについて語るのは、まさに誤解を招きかねない。
SPRは有効スタック(どれだけのリスクを負うことができるか)をポットで割ったものとして定義される:
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エクイティとSPR
ポットが$100のとき、HUである相手はフロップで$100のオールインをした。あなたがフロップを見た時点で、つまり相手がベットする前のSPRはいくらだっただろうか?ベットをコールするために必要なエクイティはいくつか?
有効スタックが$100、ポットが$100のとき、SPRは$100/$100=1だった。このベットをコールするには$300の最終ポットに対して$100のリワードが必要なので、$100/$300=33%のエクイティが必要になる。
SPRが2の場合、ベットは$200となり、$200/$500=40%のエクイティが必要となる。SPRが3の場合、$300のベットをコールするには$300/$700=43%のエクイティが必要である。ポットに入っている金額に対してリスクが高いほど、賭け金で利益を得るには強いハンドを持っている必要がある(この計算が分からない場合は、まずこのポットオッズの記事を読んで欲しい)。
SPRが高くなるにつれて、対戦相手はスタックをリスクにさらすためにより強いハンドを必要とするので、これは複合的な効果をもたらす。SPR1では、仮にあなたがフォールドしないとわかっていたとしても、相手は通常35%程度のエクイティがあるフラッシュドローでオールインする可能性がある。相手のレンジには比較的弱い手も含まれるため、自分の比較的弱い手でさえも33%のEQの閾値に達しやすくなる。
より高いSPRでは、相手のスタック全てがポットに入ったとき、相手のハンドがより強くなると推測すべきである。つまり、ポットに対してより多くの資金をリスクにさらすことを正当化するために、より多くのエクイティが必要になるだけでなく、相手のレンジが強くなるため、そのエクイティを持つ可能性があるハンドが少なくなるということである。
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上の図は、どちらのプレイヤーもフォールドする可能性がなく、一度に全ての資金が投入されるシナリオを示している。ブレークイーブンエクイティは、コールするのに必要なポットオッズと定義される。SPRが非常に低い場合は、現実的だと言える。
スタックが深くなるにつれ、ベッティングは通常より複雑な方法で行われるようになる。一方のプレイヤーは、エクイティの良いハンドと、相手にフォールドしてもらいたいハンドのいくつかをを組み合わせてベットする。その後、相手は、同じ基準でレイズレンジを構築してレイズを行う。ただし、レイズがコールされた場合、十分なフォールドエクイティを期待できないかもしれないし、より強力なレンジを相手にすることも予想しなければならない。オリジナルのプレイヤーはオールインすることができる。この場合も、また同じようにレンジを構築し、オールインベットがコールされた場合、相手はおそらく、より強いハンドを持っていることを考慮に入れる。
堅牢性(ロバストネス)
相手のレンジが強くなるにつれて、エクイティを維持しやすくなるハンドがある。この性質はしばしば「エクイティリテンション(保持力)」や「ロバストネス」と呼ばれる。
相手がSPR1でスタックオフしてくるような、どんなペアとどんなドローのレンジに対しても、ミドルペアはかなり良いエクイティを持っている。トップペア以上と最強のドローだけのレンジ(SPR4で見られるようなスタックオフのレンジ)に対しては、ミドルペアはそれほど良いパフォーマンスを示さない。ボトム・セットはSPR 4のスタック・オフ・レンジに対しては大きなエクイティがあるが、SPR 100ではそれ以上のセットしか相手にしないはずであるし、 この場合のボトムセットは1アウトしかなく、エクイティが非常に悪くなる。
ドローの魔力は、セットのように圧倒的に有利であることは少ないが、エクイティが強固であることだ。相手のレンジが強くなっても、エクイティが急激に下がることはない。その結果、SPRが高い場合、ドローはベットやチェックレイズでポットを大きくするには、ミドルペアのようなギリギリのハンドよりも良い事であることが多い。
これはナッツへのドローの時により強く当てはまる。弱い手へのドローは強いメイドハンドに対するエクイティはある程度あるかもしれないが、強いドローには劣る。相手のレンジが強くなるにつれて、ナッツへのドローが占める割合が大きくなり、弱いドローを完成させてもポットを失う可能性が高くなるため、そのようなハンドのエクイティは低くなる。
低いSPRのときにスタックオフするのに適したハンド
下の図はMTTにおけるエフェクティブスタックが14BBで、BTN対BBのシングルレイズポット、J♥ 8♦ 5♥のフロップの物である。プリフロップの後、ポットには5.5BB、有効スタックは12BBがあり、SPRは2強である。BTNがフロップでオールインした時のBBの反応を調べてみよう。均衡戦略下ではBTNがこのサイズのベットをすることはほとんどないが、このベットに対するソルバーの反応を研究することは意義があると言える。
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トップペア以上のペアであれば、フォールドエクイティがなくてもスタックオフするには十分であり、ほとんどのセカンドペアやいくつかのより下位のペアも同様である(サードペアでもバックドアフラッシュドローがあればコールするものもある)。ほとんどのフラッシュドローはコールできるが、非常に弱いものはフォールドする。9アウトだけではコールに必要な40%のエクイティは得られないが、これらのドローのほとんどはペアも作ることで勝つ可能性があるが、ナッツフラッシュドローの場合はすでにベストハンドを持っているケースさえもある。オープンエンドストレートドローはバックドアフラッシュドローがあればコールできるが、ガットショットは最高の形であってももフォールドをする。
中くらいのSPRのときにスタックオフするのに適したハンド
この結果を有効スタック30BBの場合と比較してみよう、SPRはほぼ5となる:
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高いSPRになると、トップペアでのスタックオフが少し危うくなり始め、ナッツフラッシュドローもそうなる。オープンエンドストレートドローは、♥ドローかバックドアの♦ドローがない限り、ピュアフォールドとなる。
実戦では、5倍ポットのオールインに直面することはまずない。フォールド・エクイティの恩恵にあずかるために、これらのハンドのうちいくつかを小さいベットをコールしたり、レイズしたりして、スタックオフするのが正しい場合もある。しかし、このチャートは、スタックオフの基準がSPRと共にいかに高くなるかを明確に示している。
より深いSPRのときのスタックオフの基準
最後に、同じシナリオをSPR16で見てみよう:
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すべてのトップペアとすべてのナッツフラッシュドローは、コールとフォールドの間でインディファレントである:A♥Jxでさえピュアコールではない。しかし、多くのコンボドローはピュアコールのままである: 9♥7♥、7♥6♥などの全てのフラッシュドロー+セカンドペアは利益的なコールとなる。これは堅牢性の良い例である。これらのハンドは相手のレンジが強くなってもエクイティが保たれるのに対し、改善のチャンスがほとんどないハンドの価値が下がり始める。相手が16倍のポットサイズのチップを入れる場合、トップペアが不利なセット、オーバーペア、ツーペアを持っていることが多い。
レンジの構築
これは定量分析のような、完璧な比較ではない。両プレイヤーのフロップを見るレンジはSPRごとに微妙に異なり、ポットサイズも異なる(BTNは深いスタックになるとやや大きめのプリフロップレイズを使うため)。しかし、ここにも教訓がある:プリフロップのレンジはポストフロップのプレーを視野に入れて構築すべきである。NLHEのゴールは常に自分のスタック全体を投入してプレイできるほど良いハンドをレンジ内に作ることなので、「自分のスタック全て」がポットと比較して何を意味するかを考えることが重要である。
例えば有効スタックが14BBの場合、AAをプリフロップでコールしてスロープレーすることがある。これはシングルレイズドポットでもSPRが非常に低く、その深さならオーバーペアも楽にオールインできるからである。
スタックが深くなるにつれ、BBはプリフロップでこれらのハンドをピュアに3ベットする。SPR4以上では、どんなに強くてもただのワンペアでオールインにコールする事は危険となり始める。従って、KK、AA、AKのような強いワンペアを作るのは得意だが、それ以上の強いペアを作ることが難しいハンド群は、フロップを見たときにSPRを低くするためにプリフロップでの3ベットを好む。
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