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【バイク教習日記35】2回目の卒業検定にチャレンジ!

50歳153㎝の女子が無謀にも大型バイクの免許にチャレンジした記録です。

【5月7日 卒業検定2回目】

2回目も長い待ち時間に心が削られそうな予感


ほとんど眠れないまま、2回目の卒業検定の朝を迎える
緊張のあまり気持ち悪くて朝ごはんはあまり食べられない。

1回目の検定の時は仕事で来れなかったベテランライダーの夫が付き添ってくれる。

ちょっとは心強いような気がする。

今回は前回より少なく10名ほどの受験者が緊張の面持ちで検定のガイダンスを待っている。

本日の検定コースが発表になり、コース図が渡される。
1回目と同じく各種自動車の後に大型二輪の検定が開始されるので、またもや長い待ち時間で心が削られそうだ。

立ち合い人に立候補してみた


検定員の先生から
「すみません。大型二輪受検者のどなたか普通自動車の検定の立ち合い人をお願いします。」
と声を掛けられる。

検定の立ち合い人とは、検定車の後ろに乗って不正がないかを確認する人のこと。
普通自動車の受検人数が奇数で最後の受検者の立ち合い人がいないので大型二輪の受検者に立ち合いをお願いしたいとのこと。

そういえば自動車の免許の卒検の時に他の受検生が後ろに乗ってたな…。と30数年前の遠い記憶が蘇る。

誰も手を上げない。

そりゃそうでしょう。検定前の待ち時間は誰だって集中してコースを覚え、イメトレして本番に備えたいに違いない。

戸惑いと気まずい空気が流れる中で冷静に考える。

さすがに大型二輪1番目や2番目の受検者は立ち合いから戻ってすぐ検定というのは酷だろうし。
大型二輪受験者5番目で最後の受験者の私なら時間的余裕もあるからいいかな?

「よかったら私がいきましょうか?」と手を挙げる。
他に立候補者もなかったので立ち合い人を務めることになった。

「検定前に余裕あるな」と見えたかもしれないが、とんでもない!余裕なんてあるわけない。
長い待ち時間の緊張に心を削られるのが耐え難くて、立ち合い人でもすれば気がまぎれるかも?という安易な発想からだ。

検定前に自宅近くまでドライブ


検定員の先生に案内されて教習車の後ろに乗り込む

受検者には絶対声をかけないこと
その他不必要な発言、行動はしないこと

と立ち合い人の心得を教えられた。

受検者の若い男性が一つ一つ丁寧に手順を踏んで発進する。
運転席から漂う緊張感を感じながらも、特にすることもないので車窓に流れる景色を眺める。

家の近くで教習車を見かけていたけど、検定コースでこんな近くまで来ているとは知らなかった。

教習車は思いがけず家の近所まで帰ってきてしまった。
「ああ、このままお家に帰りたい」
心の声がもれていないか思わずハッとする。

いよいよ検定開始!

立ち合いが終わりバイクの控え室に戻ると、ほどなく大型二輪の検定が開始された。

予期せぬドライブで少し気持ちがほぐれていたのも束の間、控え室に戻った途端に緊張の波が押し寄せてくる。

コースを覚えるべく限られた時間で集中する。
集中しようとすればするほど心がいろんな方向に散らばっていく。深呼吸をして、なんとか散らばった心をかき集めようと苦心していると私の番がやってきた。

前回の教訓からまずは検定車を確認する。
「7号車ではない!」と確認してホッとしたことは覚えているけど、その後のことがあまり思い出せない。

一発検定中止になった波状路もなんとかクリア。
そのあとの種目がどうだったかは、ほとんど覚えていないけれど、検定は中止になることなく発着場に戻り検定終了。

発着場でバイクを降りると塔の上の先生から

「お疲れさまでした。もっとメリハリをつけた走行をしましょう。バランスを取って乗ってくださいね。スラロームと一本橋はタイム超過でしたよ」との検定後のコメントをいただく。

まだ頭が真っ白のままの私は、塔の方を見上げながら先生のコメントがあまり頭に入って来ず、コクコクと頷くしかできない。

次の受験者が緊張の面持ちで待っている横を通り待合室に戻り、片付けをして夫の待つロビーに向かう。

合格発表までが長すぎる


極度の緊張から解放されると次は不安が押し寄せてくる。

前回よりは進歩して検定中止にならずに最後まで走ることができたけど。最後まで走れたからといって合格できるとは限らない。

卒業検定は減点方式。
満点が100点中70点以上で合格となるようだ。

スラロームと一本橋はタイム超過していたので確実に減点されている。

「もっとメリハリをつけた走行をしましょう。バランスを取って乗ってくださいね。」という先生のコメントからも走行姿勢やバランスなどでも減点されているのではないだろうか。

一発検定中止の場合は「しょうがない」という諦めがついてむしろよかったかもしれない。不合格が確定しているので試験の合格発表を待つまでもなく即帰宅。

今回はなまじ最後まで走り切れてしまったから、合格発表までの2時間あまりを不安の中で過ごさなければならないのだ!

検定の様子を見ていた付き添いの夫は
「受かってるんじゃない?最後まで走れたし。確かにメリハリはなかったけど…種目もちゃんとこなせていたと思うよ」と言ってくれた。

夫のコメントを聞いても、出来た感皆無なので
「落ちてるよな、この私が2回目で受かるはずないし。」
落ちてるのに合格発表まで待つのってなんかしんどすぎる…。とネガティブ思考に囚われて悶々と待ち時間を過ごした。

いよいよ合格発表!


合格発表の時間が近づいたのでガイダンスを受けた部屋へと受験生が集まってくる。

検定前の緊張感とはまた別の緊張感が中でしーんと静まり返っている。

補習に20時間以上を費やしている補習の鬼としては、卒業検定を2回目でクリアできるはずがない。
わかってはいるけれど、面と向かって「不合格」と告げられるのはショックなのだ。

正面の大きな画面に合格者の番号が表示される。

「おや?私の番号ある。なんで??」

通常自分の番号を発見したら「やったー!」と喜ぶものだろうけど…。
受かるはずないと思っていたので、「なんで??」と?マークが盛大に頭の上に浮かぶ。

免許取得時に必要な書類の受け取り、教習所の退所手続きをする間も終始狐につままれたようにボーっとしていた。

ロビーで待つ夫の顔をみてやっと
「受かったんだ…」という実感が湧いてくる。

9月に教習所の門をくぐり、冬を超え、春の終わりを迎えやっと卒業の日を迎えた。
体調不良や登校拒否の時期もあり、思いの外長く通うことになった教習所、明日から来なくていいと思うとホッとしつつも、なんだか不思議な気がしてくる。

50歳153㎝、物覚えが悪い運動音痴な私の無謀なチャレンジは、苦節55時間そのうち40%にあたる23時間は補習!!卒業検定2回目でゴールを迎えるころには51歳になっていたのである。

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