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【バイク教習日記24】先生が塔に登りついに独り立ちする!

50歳153㎝の女子が無謀にも大型バイクの免許にチャレンジした記録です。


【3月5日 教習38時間目】 

教習項目 5・6
交差点の通行(右折)(左折)

先生が塔に登っていく


先生が本日の相棒(バイク)のキーを渡しながらさらっと

「今日から一人で走ってね。塔にあがるから」

「??????」理解ができず呆然と立ち尽くす私

「塔にあがったら合図するから2コース走ってね」と言い残してすたすたとコースを横切って塔に向かう。

「塔?ひとり? え~!! 先生待って行かないで~!」

慣れていたはずの教習前のバイクの点検が、先生からのお一人様宣告のせいで動転してわちゃわちゃになる。
手間取っていると追い討ちかのように無線から先生の声

「準備できた?2コース走ってね。分からなくなったら止まって手を挙げてね。誘導するから」

先生が塔に登る。
いつかこの日が来るのは知っていた。
免許を取るのだから一人で走るのはあたり前なのだけど、そんな日はまだずっと先だと思い込んでいた。

先生がいつも前にいた。
カルガモのようについて回った。
そのうち先生が後ろを走るようになった。
導いてくれる人がいないことに不安を感じながらも、後ろに先生がいることで安心できた。

なのにもう先生はいない。
塔の上という距離的安心感を微塵も感じられない遠いところに行ってしまった。
無茶苦茶不安。不安すぎる!緊張のあまり胃が裏返りそう…

いつも以上にドキドキしながらヨロヨロとコースに出る。

上から見るとよくわかることがある


極度の緊張の中でコースを走り、課題をクリアしていく。

緊張しすぎて波状路に2速で突入してバランスを崩してコケてしまう。
普段はあまり失敗しないクランクでパイロンを倒してしまう。
右左折や合流でタイミングを逃しまくって、渋滞を発生させる。

普段と違うことが起こると焦って頭が真っ白になってしまう私らしいテンパりようではあるが…。

「もう少し落ち着けよ!」と我ながら思う。

停止位置について指摘されることが多かった。
脳内イメージでは線の手前に止まっているはずなのに…
現実では線を踏んでいたり、はみ出したりしてしまう。

右左折や合流のタイミングなども指摘された。
マイペースすぎるタイミングで他の教習車に迷惑をかけている様子が塔の上からはありありと見えるのだろう。

教習所で渋滞を発生させるのは「しょうがないね~」で済むけど公道ではそうはいかない。
教習所でさえ後続車が待っていると焦って挙動不審になるのに、公道で何台も後続車を待たせることになったらいったいどうなるのだろう。
考えただけでも恐ろしい。

緊張と不安でよくわからないうちに教習時間が終わってしまった。

少し落ち着いてくると
「本当に1人で走ったんだ!」という喜びがじわじわと沸いてくる。

苦節38時間やっとここまで来た。
2段階に入って補習なく進んでいることは嬉しい。
一方で「出来ている」感が全くないまま、心を置き去りにして行程だけが進んでいるようで素直に喜べない自分もいる。

そんな複雑な気持ちを抱えながら家路につきました。

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