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個人飲食店とインターネット販促のはなし

個人の飲食店では比較的インターネットを利用した販促をしていない印象を受けます。統計をとったわけでもないですが…

現状、インターネットを使った様々な販促方法が有って、
大きく分けると…
公式ウェブサイト(お金かかる)
各グルメサイト(一部課金あり)
グーグルマイビジネス(グーグルマップ)(基本無料)
各SNS(基本無料)
以上が主なネット販促ツールだと思います。

飲食店の場合、販促のターゲットとして「新規客」と「リピーター客」がありますが公式ウェブサイト、グルメサイト、グーグルマイビジネスは主に新規客がターゲットでSNSはリピーター客に向けての情報発信に向いていると思います。

個人飲食店は基本、敷居が高い

チェーン店に比べて、個人の特に飲食店て初見で入店するのって敷居が高いと思うんです。何故か?って不明な部分が多くて不安があるから。
この不安が飲食店では特に来店の妨げになるんですよね。

例えば、飲食店以外の個人店(服屋さんや雑貨屋さんなど)の場合はお店に入ってから気に入らなければ何も買わずに出ることもできますが、飲食店の場合は買わず(食べず)にお店を出ることはできないとは言いませんがかなり難易度が高いです。なので不安なお店に入るのは抵抗があります。

もちろん、これは初来店の場合のお話ですが、どのお客さんも初来店から始まります。

不安を消すのは本来クチコミ

行ったことのないお店に対する不安を一番解消できるのは知人・友人のクチコミ。今でもこれに勝るものは無いと思っていて、個人の飲食店は特にクチコミで評判が広がるのが理想なのかなと思います。

各グルメサイトのクチコミ情報もありますが、これは参考程度で個人的には信憑性もやや疑わしいと思っています。特に都市部を離れると顕著な気がしますね。

正直、グルメサイトは不特定多数が訪れる観光地や都市部のような場所では効果もあるかもしれませんが現状当店では積極的には活用していません。

ネットで自店情報を伝えて不安を取り除く

行ったことないお店が気になった時や噂で聞いたりしたときなど、私自身はネットで検索することが多いです。でもスマホを持っている人なら同じ行動をとる人は多いのではないかなと思います。

ネットで調べるとグーグルマップ上での情報や公式サイトがあればその情報、更にはグルメサイトの情報などが並んで表示されます。

グーグルマップの情報では場所や営業時間を確認するのは便利ですが、結構営業時間が間違っていることがあります。グルメサイトの情報なども信憑性が低いケースがあり、これらは投稿者(お店と関係ない人)が間違えて投稿した内容が反映しているケースもあります。(過去に数件の知り合いのお店の間違った情報を訂正したことがあります)

個人的には公式サイトが有り、メニューや価格帯などが分かりやすく紹介されていると不安度は下がりますし、行きたい感は増してきます。リアルタイムな情報などは公式SNSなども良いですね。

自店情報を意図的に伝えたいなら公式サイト

お店の強みやカラーなど意図して伝えるのであればやはり公式サイトが一番だと思ってます。ただ単にお店の情報を伝えるだけでは無く、サイトのデザインや情報の伝え方などでお店のブランドイメージを効果的に伝えることもできます。

無料で使えるツールもグーグルマイビジネスやグルメサイト、フェイスブックページなどありますがどうしてもデザイン性や情報を差別化するのが難しいかなと思ってます。

ただ、公式サイトを作るには多少なりお金がかかります。まずウェブサーバーを借りる必要がありますし、通常はドメインも購入しなければならないですね。個人で作成できるスキルがあれば良いのですが外注するのであれば、またお金がかかります。

でも、ひと昔前と比べるとサイト制作も安価なものも多いですし、フォーマットに入力して作れる格安の作成サービスなんかもあります。ワードプレスというツールも便利なので気になる方は一度調べるのも有りかと思います。

それでも、そのお店のスタイルや戦略だったりリアルなクチコミだけで集客できるお店もあるでしょう。公式サイトが無くても集客は充分という方は無くてもいいんでないでしょうか?

ただ他の販促(街頭の看板や折り込みチラシなど)にお金を使っているのであればできれば公式サイトは有ったほうが良いと思います。
実際にウチの店は富士山近郊に旅行に来た方が公式サイトを見て来店してくれるケースも多々あります。(20kmくらい離れてますが…)

グーグルマイビジネスとは?

グーグルマイビジネスと聞いてもピンと来ない方も多いと思いますが、要はグーグルマップでお店検索した時にお店情報がでてきますよね。そのお店情報を自身で管理できるグーグルのサービスになります。

でも利用してないのに情報が載っているという方も多いとは思いますが、第三者が投稿することでマップ上に情報が載っているのです。

そのままでもいいという方もいるとは思いますが中には営業時間や定休日などのお店情報に間違いがあるケースもあります。できれば自身で管理して発信したい情報を投稿すると効果的かと思います。

SNSはターゲットによって使い分ける

ネット販促の場合、お店のターゲット層によってどのようなツールを使うかが重要になってきます。ウチのお店の場合は主に4つのツールを使用しています。

ツイッター
インスタグラム
フェイスブック
LINE公式アカウント(旧LINE@)

ウチのお店の場合、近くに大学や高校もありターゲットとしてツイッターの更新頻度は高いです。日替わりのケーキや新メニュー、営業スケジュールの変更など比較的頻繁に投稿しています。拡散性も高いです。

インスタグラムも比較的効果的でツイッターに比べると少し高年層への情報発信に使用していますが、画像メインのSNSなのでタイムライン上での文字情報の表示が少なくリンクの貼付もできないので主に新メニュー紹介など利用しています。フェイスブックは販促というよりは、仕事関係の方とのやりとりがメインですね。

まだ私自身使いこなせてないですが、LINE公式アカウント(旧LINE@)が販促ツールとしてかなり優秀だと思っています。理由としてはLINEアプリ自体のユーザー数の多さとSNSを使用しないような年配の方にもアプローチが可能なのです。実際、他のSNSより1年半程遅れて運用を始めたのですが約1年の運用でフォロワー数は他のSNSを既に上回ってます。
有料プランでないとメッセージの送信数に制限はありますが…

ウチのような小さなお店がネット販促を利用する理由

もともと私自身がウェブサイトを作成できるスキルをもっていたため公式サイトは自身で作りました。しかし、お店を始めるまで各SNSなどはアカウントを持っているだけのような状態でしたし、それほどネットで発信するような生活はしていませんでした。

まあウェブサイトは有ったほうが良いだろうという感じで作ったのですが、実際に「サイトをみて来た」という方もいますし、遠方からのお客さんも度々おりますので効果はあると思っています。

公式サイトやグーグルマイビジネスはどちらかというと「待ち」の販促だと思っていてユーザーが検索したりして見に来てくれる販促ですね。

逆にSNSはフォロワーになっていただく前提ですがフォロワーに対してはアクティブに情報を発信できるのでこちらからアプローチを仕掛けることができます。
もちろん、フォロワーの興味をひく投稿などで来店促進を図るのですが個人的にはもうひとつ意図があって、とくにフォロワーの多いツイッターでは少なくとも1日に1回以上は投稿しています。要は、フォロワーの方の頭の片隅にウチの店の印象を残しておければと思っています。

以上のネット販促に効果があるかどうかの正確な検証はパラレルワールドでもない限り難しいですが、世間の人々の行動の潜在意識の中に多様にアプローチすることによってひとりでも多くの方が「今日行ってみようかな」という気持ちが生まれればと思います。

以下2020年7月追記

コロナ禍に活きたネット販促

2020年も2~3月頃から、新型コロナウイルスによる影響が各業界にでてきました。もちろん飲食店にも様々な影響がでました。

業種、営業時間帯、地域、規模などにより影響の大きさは異なります。
多くの飲食店で営業自粛、時短営業、入店規制、テイクアウトの開始など、数多く変化しなければならなかったと思います。

公式サイトやSNSなどの販促を使用していなければこれらの変化をユーザーに伝える術が店頭告知もしくはチラシなどに限定されます。

当店でも3月の終わり頃にテイクアウトメニューを開始したのですが、公式サイトでテイクアウト専用ページを作成し、SNSで拡散することによって近隣の飲食店に比べ早めの周知を行うことができました。
よって、4、5月は店内利用が厳しい状況でしたがテイクアウトの売上がなんとかカバーしてくれる形になりました。


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