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個人飲食店とキャッシュレスのはなし

ここ最近、飲食店のキャッシュレス決済導入に関していろいろな意見がネット上で飛び交っていますね。

「手数料が高いからキャッシュレスは導入しない」とか
「キャッシュレス導入しないと機会損失がある」とか
「キャッシュレスにしない経営者は脱税してる」とか…


現金 vs キャッシュレスの不毛な論争

現金派の方もいればキャッシュレス派の方もいて、ネットやリアルでも度々どちらの方が良いかなど論争しているのを見かけます。

結構みなさん「100:0」で論争しがちなのですが、論争すること自体がナンセンスというか…現在でも比較的みなさん両方を使い分けてますよね。

現状の世の中で現金、キャッシュレスどちらかに100%で対応するほうが難しくて…消費者としても店舗としても…

例えばETCSuicaPasmoなどの移動手段…ネットショッピング時の決済…はほぼクレジットカードの方が便利であり、多くの方が普通に使っていますよね。地方によっても異なるとは思いますが、国内においてもネット決済や移動にかかる決済はキャッシュレスの方がもはや主流だと思います。

しかし、実店舗での外食や買い物の場合はやはり店舗によってキャッシュレス決済ができるお店とできないお店が存在するために一定の現金は必要であったり、銀行におろしに行かなければならないケースが生まれます。

ネックは決済手数料?費用対効果のはなし

同業者のかたとお話をする時にキャッシュレス決済に抵抗がある方の理由をまとめるとだいたい以下のような意見をよく聞きます。

決済手数料を払うのが馬鹿らしい
入金サイクルへの不安(手元に現金がはいるまで)

クレジットカードの決済手数料は銘柄などにもよりますが通常3~4%くらいです。100万円の売上がキャッシュレス決済になると3~4万円が手数料として引かれるわけです。こうなるとその3~4万円損をするという思考に陥るケースもあると思いますが以下のように考えてみると考え方が多少変わると思います。(ちなみにキャッシュレス比率をいきなり100%で想定する人が多いです。はじめはせいぜい10%いかないくらいだと思います。)

例:月売上100万円客単価1000円×客数1000人
  キャッシュレス決済比率20%
  (※現在の日本の平均決済比率が21%前後)

  キャッシュレス決済20%=20万円
  決済手数料(4%換算)=8000円

単純計算ですが、キャッシュレス決済ができることが理由で客単価もしくは客数1%上がれば決済手数料(費用)を超える売上(効果)は生まれます。1%とは客単価が10円上がるか、客数が10人(ひと月)増えるかということです。(※ちなみに決済手数料は高めで計算しています。)

もちろん、売上で考えた単純計算です。純利益を8000円出すのに必要な売上はお店によって違うと思いますので…

入金サイクルに関しては、当店で契約しているJMSという決済代行サービス会社では通常半月遅れで入金されます。(もっと早いサイクルも選べますが手数料率が若干上がります)15日締め月末入金、月末締め翌15日入金というような形なので特に困ることはありません。逆にこのサイクルでキャッシュフローが厳しいのであれば経営自体が厳しいのでは?と思ってしまいます。

消費者の意見は…?

ちなみにツイッターで取ってみたアンケートの結果では36%の方が「キャッシュレス決済ができるかどうかがお店選びのポイントになることもある」という回答でした。正直な話、想定より多かったです。

個人飲食店はキャッシュレス導入すべきか?

現状の国内でのキャッシュレス決済比率が21%とのことですが、かたくなに導入をしないという経営者は市場の5分の1を拒否しているということだと思うんです。もちろんそれは経営者の自由ではありますし、現金派の方々をターゲットとしての戦略(?)もあるかもしれません。

「決済手数料を払うくらいなら従業員に還元したり、サービスに還元したほうがまし」という意見も見ましたが、3%程度の手数料を経費として価格に盛り込めない程度の付加価値しかつけられないブランド力であれば個人の看板で商売しないほうが良いのでは?と思ってしまいますし、ふんわりした綺麗事を並べているように聞こえてしまいます。
(ちょっと強い言葉を使ってしまっていますが…)

キャッシュレスオンリーのお店も最近話題ですが、現状の日本でキャッシュレスオンリーもまだ難しいというか条件がかなり限定されると思っていて、ただキャッシュレス決済の比率が上がっていく中で導入をしないという判断は時代に逆行していますし、自社の市場をどんどん狭めていくだけだと思っています。

先行者イメージは大事かも?

私もそうですがどのお店がクレジットカードが使えるとかって曖昧で、何となくで覚えていると思うんです。例えば過去にこのお店は使えたとか…使えなかったとか…必要ならば調べますが、過去に使えたかどうかって結構大事で…

今後、キャッシュレス決済比率が上がってきて例えば飲食店限らずお店を選ぶときにキャッシュレスが使えるかどうかの基準が結構大事な要素になったりしたときに「あのお店カード使えたっけ?」とかって結構あり得ることだと思うんです。

なので競合店含めた周りのお店よりも早くキャッシュレス導入して「このお店はキャッシュレス決済できるお店」というイメージを早めに作っておくことも大事なのかなと個人的には思っています。


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