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働く母ちゃん、転んでもタダでは起きないよアーカイブとちょっと追記④

毎回読みながら苦しくなっていた皆様、おまたせしました。ようやっと今回ちょっと光明が差してきます。が、光が強ければ強い程その影の闇も深くなるといいまして、そこに至るまでのもうひと踏ん張りにはお付き合いいただきたい。

海野のパートナーはいわゆる大企業で初めて男性の育児休業を取得した人。ガンガンと道を切り拓くようには一見みえないけど、淡々と自分のすべきことをこなしてしっかりと成果を上げる、青い炎タイプの誠実な人だ。何回か飲んだりご飯食べたりしてるけど、いつもにこにことビールを飲みながら楽しそうにしている、そんなイメージ。でも、この夫婦は毎年サミットを開催し、重要アジェンダを提示したうえでがっつり対話の時間をとっている。

前回、私の「働き方信頼できない」爆弾が投下され、すでに瀕死の海野。そんなHPギリギリの海野が、帰宅した夫である彼に事の顛末を話すところから、今日のアーカイブは始まるのであります。

…いやそれにしてもよくこの状態から起き上がったなぁ、海野。本当、タダじゃ起きないって感じだけど、本当すごいなぁって読み返す度、つくづく思う。

***

「それは経営者からみたら、クビ相当のことだよね」
夫からサラリと言われた言葉。
え…?
ギョッとして夫を見た私。

「だってArrowArrowって子育てしながら働くことを応援、サポートしている団体なんでしょ。
そこでやっている人がいっぱいいっぱいになってどうすんの?理念に翻っているんじゃん」


…ぐうの音もでない私。
一応私自身の揺れ動く心情も吐露しながら、かなり感情的に話したにも関わらず、
夫のこの意見にもう一回バシャリと冷や水をかけられたようでした…。


彼のこの偏らないスタンスを、私はとことん信用しているので、だからこそ、このひと言はとても重く。
でも残念ながら、泣きそうになっていた自分の中で、
全くもってその通りだと納得している自分もいたのは確か。


「ちょっと冷静になって自分がこれからどうすべきか考えてみるよ…」
「そうだね、もう何かを変えていくしかないところまで来ているんだし」
その日の夕飯は何を食べていたのか全く覚えていない。

そして次の日は午前中からある取材で、
私は「産後の働き方がイマイチ信用できない」と言った代表と一緒に向かう予定。

「朝までに答えを出さなくちゃな…」
そうして夜中の授乳であまり寝れていない頭で、
産後の働き方についてぐるぐると振り返る時間へ突入していった一晩が明けました。

働き方の信頼を得るためには、
今までの自分・過去の自分がどういう働き方をしてきたか、
現状把握をしないと変化させることは不可能。


産後働き始めて何度も”しんどい”と思うことはあり、
その原因を自分なりに詰め(例えば、病児になったときにどういうリスクがあり、解決するための方法としていくつリスクヘッジを作れるかなど)どういうアクションをしていくか整理し、
そのためのツールとして何を使うなど
(これはArrowArrowが作っている「復帰後面談シート」の項目で自分自身が考え導き出せる仕様になっている)

自分なりのPDCAを回している感覚があって。


それでも尚信頼がおけていないのだとすると、
抜本的な仕事への取り組み方を変える必要があるのだろうと
思い当たり。


そこでふと「私、『この仕事をできない』って言うことが、できないな…」と頭に浮かんできた。


「この仕事ができない」と言うことは、
自分の仕事領域を手放すことに繋がる気がしている。
例えば、もうひとつの仕事である編集取材ライター業などは「できない」という言葉を発した時点で仕事がなくなる。


仕事を断る=仕事がなくなる=自分の存在価値がなくなる。


自分の中の働き方の方程式として
そのような感覚がずっと在り続けていることに気がつきました。


中央線に乗り朝移動しながらこの気づきをそのままメッセージを送ったのち、
代表から帰ってきた言葉にハッと我にかえった感覚に。


「個人としてできること・やれることは知っているはず。
同じようにチームとしてできること・やれることを知ってほしい」
「プロジェクトを”誰がやるか”に固執するのではなく、
そのプロジェクトをゴールさせるには“誰がどう動くか”その最適解を見つけること」


東京駅に向かう揺れる中央線電車の中で、
私自身はようやく自分の大きな揺れが少しずつおさまってきていることに気がついた。


【連載】5,6話目:働く母ちゃん、転んでもタダでは起きないよ(海野千尋)

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