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「ずるい考え方」を読んでみた。

本書は、「~であるべき」「~となるのは当然」という考え方から離れて、
自由に発想し、さまざまな可能性を探る「ラテラルシンキング」という考え方を用いながら、最短ルートで問題を解決しする周りからは「ずるい」と思われるような思考法のノウハウを綴った一冊です。

前回の研修で今のG3はいい子だから、いつまでたっても上にあがれないという話を伺いました。確かにいつまでもG4に頼ってばかりでリスクを取ろうとしていなかったと反省しました。

G4を押し上げる、抜くためにも上からの教えをそのまま実行でするのではなく、常識に囚われず、時にはずる賢い発想をしても目標達成をしていく必要があると思い本書を選定いたしました。

■書籍の紹介

ずるい考え方
木村尚義

【1】ラテラルシンキングってどんな思考法?


ラテラルシンキングとは「発想の枠を広げる思考法」だと著者は言います。
ロジカルシンキングとは「論理的な思考」でA→B→Cと物事を順番に積み上げ、道筋を立てて正解を導いていく考え方です。

これに対してラテラルシンキングは、解決策を導くための順番や過程はあまり問題になりません。スタート地点からジャンプしていきなり答えに到達できる方法です。ラテラルシンキングにはロジカルシンキングと違って、「唯一の正解」というものがありません。

要するに、問題を解決するときに、ロジカルシンキングで問われるのは「過程」であり、ラテラルシンキングで問われるのは「結果」なのです。

・ラテラルシンキング
目的:思考の幅を広げる

解答:唯一の正解はなく、たくさんの解答がある

考え方:自由に発想する。直感を大切にする。枠組にとらわれない。

・ロジカルシンキング
目的:道筋を立てて、論理的に解答を導きだす

解答:基本的に解答はひとつ

考え方:常識的・経験的に発想する。論理を重視する。既存の枠組にあてはめる。

思考の順序としては、最初にラテラルシンキングで発想し、次の段階はロジカルシンキングで検討するのがおすすめです。


【2】なぜラテラルシンキングが必要なのか

普段人間はベストな答えをひとつだけ選ぶことに慣らされていると著者は言います。なぜなら、学校で教わるのが「ロジカルシンキング」だからなのです。だからこそ、私たちは「答えは複数存在しない」と型にはまった考え方しかできなくなっているのです。

発想が乏しくなり、アイデアの数が減ってくると、当たり障りのない答えを選ぼうとするためつまらない発想しかなくなってしまうのです。

例えば会社でのマニュアルは考える機会を奪っているひとつのものです。
もちろん会社をまとめるためにはルールは必要不可欠です。しかし、この方法が正しいのかを全員が当事者意識をもって考える必要があるのです。

今の時代、変化のスピードは驚くほど速くなっています。今日の常識は明日の常識ではありません。常識的に発想するロジカルシンキングだけでは太刀打ちができないからこそ、並行して初めから常識にとらわれないラテラルシンキングで変化に柔軟に対応していく必要があるのです。

【3】ラテラルシンキングに必要な力


ラテラルシンキングに必要な「環境」をつくるためには、次の3つの能力が欠かせないと著者は言います。

①疑う力
固定概念にとらわれると、ありきたりな発想しか浮かばなくなります。
常識や先入観縛られず自由に発想するためにはあらゆることを疑うことが大切です。そして下記の言葉を常に意識することが疑い上手になる秘訣です。

・なぜ?
なぜ、必要なのか?なぜ不可能なのか?なぜ、同じでなければならないのか?
・本当?
前提となっている情報が常に正確だとは限りません。その情報が正しいという「思い込み」にもとづいて判断すると、間違った結論を導いてしまいます。
・今はね
あらゆる物事は時間とともに変化します。今は「正しい」と信じられていることも、10年後には「誤り」になっているかもしれません。

「疑う」という習慣を身に付けることで、固定概念の鎖が破壊され、
自由な発想を手にいれることができるのです。


②抽象化する力
抽象化とは物事の「本質」や「機能」に注目することだと著者は言います。鉛筆の本質は「書く」こと。だから短くなると捨てられてしまいます。「書く」という行為を抽象化すると鉛筆の代用品が次々に見つかります。すでに存在するものを別のもので代用できないかと考えることが抽象化なのです。

普段からあらゆるもにに対して「何をするものか?」「他の用途はないか?」と考える習慣をつける「抽象化」を意識的に行えば、発想の引き出しが確実に増えていくのです。

③偶然の発見を見逃さない力
「偶然を偶然として無視しない力」「偶然と何かに関連づける力」が
大事だと著者はいいます。偶然が起きた時、何も感じない人と、それが何かに応用できるのではないかと考える人がいます。何でも当たり前ではなく、当たり前のことにこと驚くクセが必要なのです。

【4】最小の力で最大の効果を出す方法


人間はもともと怠けクセのある生き物だと著者はいいます。だからこそ、最小の力で最大の効果を出すずるい方法を普段から考える必要があるのです。
そのためには下記の方法を普段から実践してみてほしいのです。

・他者の力を借りる
人間は自分がやると思うから面倒だと感じる生き物だからこそ他者の力を借りることが有効です。しかし他者の力を借りる際には、それが面倒なことだと思わせてはいけません。また、相手に「やらされている」と気づかせてもいけません。
・作業を組み合わせる
実は業務の中でも一緒に作業をしたほうが時間短縮になることが多いのです。普段からこの作業をいかに他の作業と合わせられないか考えることが大切です。
・楽する権利を手に入れる
「権利」さえ手にいれてしまえばまわりがどんなに苦労していても、自分だけは汗を流すことなく利益を手にいれることができるのです。例えばデパートの屋上のアルバイトでアドバルーンの監視役を買ってでた学生がいました。監視といっても注意が必要なのは風が強くなってきただけであるため、その学生は勤務時間中ずっと本を読んで勉強をしていた例があります。(この学生はのちにリクルートを創業した江副浩正のことです)

「最小で最大の効果を出す」ときには「てこの原理」をイメージしてみてください。「てこ」を上手く使うには少ない力で思い物体を動かせるような効果的なポイントを探さなければいけません。力の入れどころを間違えれば、余計に力を入れることになるため、「てこ」を使う意味がなくなってしまうのです。

私たち日本人は大きな成果を得るためには、それなりの「努力」が必要だと考えがちです。だから楽に結果を出すことに何となく抵抗があるのです。何もせず大金が入る仕組みを考えるより、額に汗して地道に稼ぐほうが美しいと考えてしまうのです。

でも本当にそうでしょうか?努力自体は大事なことですが、ちょっとした工夫で大きな利益を手にすることは間違っていません。「努力=善」「楽=悪」という図式こそが、まさに私たちの心を縛っている先入観なのです。


【5】相手の力を利用する3つの型


「弱肉強食」という言葉があるように世の中には強い者と弱い者が存在すると著者はいいます。弱者は圧倒的に力のある強者には勝てません。だからこそ、弱い者は生き残るために強者の力を上手く利用できないか?と考えるのです。

弱い生物が強い生物の力を「利用」する方法として、次の3つのパターンが考えられます。実はこの型は人間の世界でも見られる現象なのです。

①コバンザメ型
コバンザメとはサメやエイなどの大型の生物にくっついて移動する魚です。
自分で泳がずに移動できますし、宿主が残したエサや排泄物を食べられるからです。例えば、自動車とカー用品でも、コバンザメ型の関係が成り立っていると考えられます。
②寄生虫型
他の生物の体内に入り込んで、長期間、一方的に栄養を得るのは寄生虫です。この型は利用する側が利用される側に何かの影響を与えます。例えば行列のできるラーメン屋さんの隣にあえて出店するラーメン屋がいます。これは行列に並ぶのが嫌になった客を取り込むようにしているのです。いずれも本来なら入るはずだった利益がとられているからこそ、影響があるのです。
③ヤドカリ・イソギンチャク型
ヤドカリは他の敵に狙われないよう毒のあるイソギンチャクを自分の殻につけたまま生活をしています。イソギンチャクにとっても広範囲を移動できるためとても都合のよい状態です。お互いにWin-Winの関係にあるのがヤドカリ、イソギンチャク型なのです。

このような3つの型を上手く活用し、ナンバー2にのし上がり、ナンバー1を脅かすことが本当の狙いです。強者といっても強者には絶対に目の届かないことがあります。まずはその盲点を探してみることが大切です。つくりあげた道筋を上手く利用しながらも、よりよいものに変えていくのです。

こうした方法をフェアではないという人がいるかもしれませんが、果たしてそうでしょうか?後発組には後発組の良さがあります。チャンスを的確にとらえ、相手の力を利用する。弱者は弱者なりの勝ち方をすればよいのです。

【6】まとめ


前回の研修で今のG3はいい子だから、いつまでたっても上にあがれないという話を伺いました。だからこそ、常識に囚われず、時にはずる賢い発想をしても目標達成をしていく必要があると思い本書を選定いたしました。

長橋社長が言うように私は上からの指示待ち人間になっており、既存の型にはまったままでした。将来的にもっと上にあがりたいと言っているものの、今のG4の脅威にも見られていない状態です。

そして、長橋社長の言うように評価は平等ではありません。もっと上を目指していくのであれば情報操作や、誰にどうみられるかをよりずるく賢く見せていく必要があると、本書を読んで改めて感じることができました。

「ずるい」というのは、自分の常識の範囲を超えることである為、ある意味出し抜いているということを同じだと感じました。悪いイメージがある言葉でしたが、ある意味「ずるい」というのは良いことなのではないかと思います。私は今までの型にはまった方法では成果がだせていません。だからこそ周りから思わず「ずるい」と思われるような出し抜く方法で上を目指していきます。

だからこそ、まずはラテラルシンキングに必要な疑う、抽象化する、偶然の発見をする力を養っていきたいと思います。具体的には今のCSのルールが果たして正しいのか?目的を達成するためのよりよい代替案や、もっと生産性の高い方法がないかを探していきます。

そして、本書でもあったように最小で最大の力を発揮するために他者の力を借り、作業を組み合わせ、権利を手に入れます。そうして、最小の力で最大の力を発揮し、売り上げをあげる部分に注力していきます。

具体的には、自分ではなくてもできる作業はメンバーにお願いし、自分にしかできない作業により力を入れていきたいと思います。それがメンバーの成長にも繋がるとも思うので、ここも目的を増やして価値を作っていきます。

また、権利としては、楽をする権利ではありませんが、部長や次長からの依頼は即対応し、無条件に仕事を任せてもらえる権利をもらえるように普段から意識していきます。組み合わせる作業に関しては、普段している作業を再度見直してから決めていきます。

また、本書の弱者が生きていく型では、私は寄生虫型で上司の時間を奪いつつも、利益だけはもらっている状態です。(フロントをやってもらっている、相談にのってもらっている、指示をしてもらっているなど)そのためまずはヤドカリ・イソギンチャク型を目指し、上司にとって利益となるWin-Winの関係を目指します。

その関係でいつつ、相手のできない部分を私がどんどん奪っていき、最終的には上司を脅かす存在になります。神様のバレーでもあったように相手がされて嫌なことを考え、率先して狙っていきます。

もっと普段から頭を使い、ずるく賢く上を目指していきます。

【7】具体的なTODO

・普段から「疑う」「抽象化」「偶然の発見をする力」を意識する

→今のCSのルールが果たして正しいのか?目的を達成するためのよりよい代替案はないか?もっと売上を作れる部分はないかなど当たり前を疑う。依頼の目的を考えて抽象化する、偶然の発見をどう生かすかを考えます。

・最小の力で最大の力を発揮できるようにする

→仕事を無条件にもらえる権利のために普段から社内での信頼を勝ち取る、自分ではなくてもできる仕事はメンバーを信じて任せる、業務を組み合わせて効率化していきます。

・イソギンチャク、ヤドカリ型を目指し、G4の脅威になる

→上司が困っている部分を積極的に補う動きをする。仕事を奪っていき、まずはWin-Winの関係になる。そして、相手が苦手とする部分で上に上がっていき脅威になれるようにしていきます。


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