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吹き矢/ポイント その4「呼吸」

吹き矢で高得点をあげるためのポイントとして、<集中・狙い・不動>と3項目きて、最後「4.呼吸」について投稿します。
ハッキリ言って、この「呼吸(息)」が吹き矢の最大のポイントであり、一番難しい項目(課題)だと思います。今までの3項目は、フィジカル面(肉体的、物理的)で、練習を積めば何とか少しづつでも上達できるようにはなるんじゃないか、と思ってます。しかし、「呼吸」は、その時の体調、その瞬間のタイミング、さらに吸って吐くという時間に余裕がない、等々非常に難しいです。
ただ、要諦は3つ、
1.常に(毎回)「一定」の息で
2.「大きな」息で
3.短く(一気に)吹く

ということだと思います。

1.常に「一定」の息で

■協会等から「お叱り」を受けるかもしれませんが、筒を固定して矢を吹いてみました(あくまでも実験であります!)。やり方は、可動式の洗濯の物干し台に筒を固定して、高さを調整して吹いてみました。距離は8m。すると、左右のブレはほとんどありませんでしたが、上下のブレはありました。同じように吹いたつもりでしたが、「息」の強さが違っていたのでしょうね。
前にも投稿したように、筒のブレさえなければ、矢はほぼ左右にはブレませんが、吹く息で上下にはブレてしまう、ということですね。

以前にも掲出したマトの縦と横のゾーン

「筒はブレていない、息は一定」であれば、まず「7点」(上図の縦・横ゾーンの重なった部分)に矢は集中するはず…ですよね。

■ただ「一定の息」で吹く、と言っても、例えば、常に「80%」の息の量で吹く、というのは非常に難しいです(というか無理でしょう)。
私は、めいっぱい(100%、と自分で思う)の息で吹くよう、努力しています。具体的には、以下の流れで。
①基本動作の、筒を頭上から「9」で下す時、腹式呼吸で「息を吐き切る(肺の空気を出し切る!って感じ)」。
②筒を上げて構える時、息を(反動で、これまた)めいっぱい吸い込み、一気に吹く
「めいっぱい」と言っても、体調やタイミングで「常に一定」と言うわけにはいかないかもしれませんが、80%や50%にするよりは「一定に近い」目安となるんじゃないでしょうか。

■なお、息を吸って一気に吹く流れ(上記の①~②)の“リズム”を一定にする。これは、野球選手でもゴルファーでも、構えるまでの動き(「ルーティン」と言うんでしょうか)は、その人個々の動き・リズムを “決めて” いますよね。吹矢でも、「動きとリズムを一定に固める(身体に覚え込ませる)」ことで、「呼吸も一定になる」確率が高まるのではないか、と考えてます。

2.「大きな」息で

■前項でも触れた通り、できるだけ大きな強い息で吹くのが有効だと思います。ある実験結果では、「140km/時速」をベースに3%の強弱で矢を飛ばした場合、上下「3.5cm」の幅(ズレ)が生じ、同じく「100km/時速」の場合は、上下「7.2cm」の幅になった、とのこと※。「7cm」のズレではマト中央の白い円(7点)は外してしまいますね。
※距離10mでの結果。なお、吹き矢の「矢の速度」は、人によって違いますが「80~150km/時速」と言われています。

協会の指導書より借用

上図のように、放たれた矢は放物線を描いてマトに達しますが、弱い息だとかなり上を狙うことになり、矢は大きな放物線の軌跡となります。そして、少しの息の強弱の違いで、矢が大きなズレとなります。一方、強い息で放たれた矢は、直線に近い軌跡でマトに達し、息の強弱でもズレが少ないわけですね。

■実際、吹き矢の練習場で見ていると、(肺活量や体力の違いか)概して女性の矢の速度が弱く(=息が弱い)、矢のバラツキも多いようです(また「はね矢※」も多いです)。  ※矢がマトに当たっても、刺さらずに落ちてしまうこと。やり直しができる。
一方、女性の上段者は、間違いなく矢のスピードが強く、マトに刺さる矢の音もパシッ!という感じで心地良いですよね。当然、矢はマトの中央に集中しています。

■先般、吹き矢の大会が開催され、私も出場しました(成績はたいしたことなかったです…)。その時に、女子学生の方々(学校の吹矢倶楽部のよう)が出場し、軒並み優勝してました。見てると矢のスピードがめメチャ早い!もちろん、練習環境とか指導も備わっていると思いますが、何といっても「肺活量」と「スタミナ」の違いではないか、と思いました(もちろん、基本動作とか姿勢なども良かったです)。

「大きな息」のためには、
「腹式呼吸」をちゃんとやる。
②(前述しましたが)基本動作のさいごに「息を吐き切る」
「めいっぱい」息を吸って、一気に吹く。
という(地道な)練習を続けるしかない、と思ってます。

「呼吸」について偉そうに(御託?を)並べてきましたが、こればっかりは技術とかコツとかないのでは?と感じています。
またまた投稿が長くなってしまったので、「3.短く吹く」は次回にします。