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37.7℃

とうとう体調を崩した。咽頭痛と発熱。薬を飲んで37.7℃まで熱が下がった。家にあったコロナ検査キットを使ったら陰性だったけどどうだか。
4月からずっと仕事が忙しく残業祭りをしていた。少し山場を超えたところで、隣の席の新人が風邪をひいてるのを見て「これ私にうつりそうだな」と思っていた。金曜日に上司とそろそろ体調崩しそうですよね、と冗談を言ってたら本当になってしまった。
ワクチンの副反応以外で体調を崩したのはいつぶりだろう。健康には自信があったけど、歳と疲れには勝てないなとダウンライトに照らされる薄暗い部屋の天井をボーッと眺めながらそう思った。

今は薬のお陰でピンピンしてるけど、さっきまでは普通にキツかった。涙がどんどん流れて、熱で涙が出てるだけか、心細いからか分からなかった。涙を流しながら好きかもしれない人の顔が浮かんだ。連絡したら、水とかゼリーとか買い込んで来てくれると思う。目尻からこめかみに落ちるこの涙をティッシュでポンポン拭ってくれると思う。

でもこんなボロボロの状態は絶対に見られたくないけど。今は笑えないし、汗もたくさんかいたし部屋も散らかってるし、というかうつしたら大変だし。

好きかもしれないというか、でも言ったら本当にそうなりそうだから言わない。好きになって想いを伝えたり、ムカついて怒ったり、今思うとなんで気にするの?と思うような相手の一言に傷ついて相手の目の前で泣いたり、無邪気で無鉄砲だった昔の自分が可愛く思える。大人になったなとしみじみ思う。

きっとこのまま快方していく自分を一人で見守るんだろう。火曜には何事もなかったように出社すると思う。今度飲みに行った時にいや実は〜と事後報告して笑い話にするんだろう。本当は今ここにいて大丈夫?って心配してほしいと思ってる自分のことは忘れて。

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