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梅雨と私の休日

やっと山場を越えてひと段落ついた仕事。
満を辞して金曜に有給を取った。

瞼を閉じていても感じる眩しさで目が覚めた。北向きの部屋に燦々と太陽光が差し込むのは一年で唯一初夏〜真夏の早朝だけ。雨続きだった今週が嘘みたいな快晴で夏を感じて気分が上がる。
突発的に取れた休みで予定はなかったけど、洗濯が今日のマスト作業に浮上した。

予約するのを忘れてしょうがなく前回から5ヶ月後に予約していた脱毛クリニック(毛周期の関係で3ヶ月おきの脱毛が推奨されている)。なんとなく予約アプリを見たら空き枠があったからソッコー予約を変更した。
突然きた夏に何を着ようか悩んだけど太陽を目一杯浴びたくてノースリーブを引っ張り出した。急いで毛の処理をして銀座に向かう。

外に出ると夏はやっぱりまだな気温だけど、陽の光が肌を刺す感触に自然と足取りが軽くなる。日々の忙しさとジメジメした気候でどんよりしていた気持ちがスカッと晴れていく。


脱毛は無事終った。寝て施術してもらってるだけなのに、毎回疲労感があるのは、VIOの脱毛のせいだろうなとは思ってる。
普段おおっぴらにしないところを、さも何とも思ってませんよ?という感じでナースさんに見せないといけなくて(別にそうしてくれとは言われてるないが)、取り繕ってるから疲れるんだと思う。でも恥じらわれてもナースさんも困惑すると思うし、多分私の対応は合ってるんじゃないかなと思って、何食わぬ顔でサッと大股を開く。

とりあえず最近ハマっているアイスアメリカーノを求めてクリニックを出る。エレベーターでは昼時のサラリーマンたちと相乗りになった。今日が金曜日だと言うことを思い出した。会社の携帯を確認したが特に連絡はなくホッとする。

途中通りかかった香水屋さん。いつも店外にまで列ができているけど今日は店内に1〜2人のお客さんしかいないからちょっと入ってみた。おしゃれなお店でドキドキしていると、店員さんに入ってどうぞと英語で話しかけられた。今は接客も英語がデフォルトになっているのかとビックリした。
確かにここ数ヶ月の東京は本当に海外の人が多い。コロナが落ち着いたのか?海外からの旅行客がどっと増えたのが確か今年の3月頃。その時よりも減ったとは言え、やっぱり海外の人は多い。減ったと言うより見慣れただけなのかもしれない。銀座という土地柄もあって、日本人にも英語で接客するようになってるんだ〜と思った。
ただ私は日本人だし?と思い日本語で店員さんに応対したら「あ、日本の方でしたか」と日本語に変わった。海外の人だと思われてただけだったらしい。なんだ。二度目のビックリ。

声を掛けてくれたイケメンイケボの店員さんは「お姉さんのイメージはこの香水です」とオススメしてくれたのは、ネロリベースの柑橘系の香り。普段つけない甘めな香りで新鮮だった。イケメンイケボ店員さんが他のお客さんに呼ばれて、次についてくれた女性のオシャカワな店員さんもこの香水はお客さんにピッタリだと思いますと言ってくれた。なんでですか?と聞いてみると「お姉さんは女性らしくて可愛いらしい印象なのでこれがピッタリだと思います」とのこと。
私の第一印象ってこの香りのイメージなのかと、本日三度目のビックリ。

私は低身長童顔で実年齢よりも年下に見られがちで、それがコンプレックスということもあり、昔からクールな印象のメイクやスタイリングを好んでいる。ただ、性格は仲の良い友人からは"小5男子"と揶揄されるため、結局言動からも年下に見らることが多いと思う(友人曰く「元気で無邪気」という意味らしい。褒めてくれるのは嬉しいけど、31歳としては複雑だ)。
外見中身共に幼く見られるのがコンプレックスだ。
今日だって服は全身ブラックトーンだしゴツめなシルバーアクセサリーをつけていて可愛いポイントははないはずなのに、そう言われて、自分が他者に与えたいイメージと実際には他者が受け取るイメージは一致してないもんなんだな〜と思った。

香水は色々試して、好きなものもあった。普段は柑橘系でトゲのある香りやウッド系のスカッとする香りを選ぶけど、他人のイメージとマッチする香り、という今までにない選び方も面白いかもと思い、二人がオススメしてくれたらネロリの香水にした。たくさん使えると良いな。

香水屋さんから出ると、右腕からは私が好きなスパイシーな柑橘系の香り、左腕からはネロリの甘い香りがする。どちらも良い香りだ。

夏にぴったりの香りに、肩に刺す陽の光、加えて久々に心配事の少ない有給休暇。これ以上の幸せはない。
イケメンイケボ店員さんの「ハッピーなオーラが出てます」という言葉にも乗せられ、小躍りしそうな勢いだ。溜まった疲労も寝不足も何のそので海外旅行者と仕事中の人々が入り乱れる銀座の雑踏に繰り出した。

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