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『(電脳)新春行進曲』 シナリオ分析

まったりシナリオもすこです

※本記事はメインストーリーVol.2 時計じかけの花のパヴァーヌ編 第2章「友情と勇気と光のロマン」のネタバレを含みます。ご注意ください。


あらすじ

だいたいこんな感じ↓↓↓

良かった点

まったり感

 年末年始に相応しいまったり感があった。物語の面白くする手法のひとつに「共感」を呼び起こすというものがあるが、今回のシナリオは「キャンプ(など普段の忙しさを忘れられる場所)でゆっくりしたい」という読者の内なる願望を叶えるものとなっており、展開もそれに応じた平和なものとなっていた。事件らしい事件は起こらないが、それゆえ肩の力を抜いてヴェリタスとのスローライフを楽しめたという点で題材と物語内容が噛み合ったシナリオだったと言える。

キャラ描写

 共感を引き起こすうえで最も重要なのはキャラ描写だと言える。今回はチヒロがキャンプ指導(ツッコミ)、他3人が生徒(ボケ)という上下関係があり、第三者としてトレ部のスミレとレイがいた。一貫して3人を中心に物語が展開されており、チヒロがボケたり生徒側に回らない、トレ部が2、3シーンしか出てこないなどキャラの濃淡がはっきり書き分けられていたため非常に読みやすかった。
 特に中心人物であるコタマ、ハレ、マキの3人の描写は良かった。3人とも似たような価値観を持っているにも関わらずそれぞれの魅力が描き分けられていた。
(またマキは1人称「あたし」やフランクな言葉遣い、コタマは敬語、ハレは落ち着いた友達口調とセリフの面でも書き分けができる点は元々のキャラ造形が良かったと言えるだろう)

今回先生が特に生徒たちに働きかけず、かわりにチヒロが3人の指導役を務めたのには
彼女に先生を休ませたいという意図があったからかもしれない。好き。

場所移動が豊富=プロット的な動きが◎

 あらすじを見れば分かるが今回はかなり場所の移動が多い。つまりそれだけプロット的な動きが多かったと言え、飽きがこないように作られていた。また前半に3人の見せ場を1つずつ用意してキャラへの愛着を湧かせつつアウトドアへの苦労を描いたり壁画のオチを用意したりと複数の意図が用意されていた。
 また慌ただしい前半が次第に落ち着いていき、最後に再びうるさくなるというメリハリがついていたことも良かった。良く動く前半があったからこそクライマックスである初日の出やスチルがある鍋シーンでのゆったりとした時間の流れが映えていた。
 またその緩急が物語世界の昼と夜で明確に分けられていたのも非常に良かった。視覚的に分かりやすいだけでなく実際のキャンプでの時間感覚が的確に表されており、キャラが落ち着くところで読者もゆったりとした時間の流れを感じられた点は非常に効果的だった。

気になった点

テーマ・解釈自体はよく見る形

 「最初否定的だったものを実際に体験してみて『それもいいよね』となる物語」はよく見る形であり、スミレの「過程が大事」という主張にも目新しさはない。ブルアカ(のメインストーリー)といえば小難しい解釈を展開して楽しませるというのが大きな強みだが今回はそれがなかった。
 だがありきたりなものは理解しやすく、理解しやすいものはリラックスして読むことができる。今回のシナリオがチル感を味わわせるものであることを考えるとありきたりさはむしろ強みとして働く部分もあり、メインストーリーとのギャップが面白さをより引き出しているともいえる。つまり一概に欠点とは言えないものの、主張ではなく解釈の方であれば多少捻っても雰囲気を損なうことはなさそうにも思えるので、クライマックスやエピローグでブルアカらしい小難しさに繋げるセリフがあっても良かったかもしれないと思った。

たとえば今回の裏テーマが「それはそれとして人の好みは変わらない」だったので、例えばそことパヴァーヌの「なりたい自分になっていい」に絡めたようなセリフをオチで言わせても
面白いかもしれない

レイの心情変化が不透明

レイちゃん即落ち5コマ(1/5)
(2/5)
(3/5)
(4/5)
調教完了(5/5)

 今回のスミレ-レイはチヒロ-他3人との対比として置かれた師弟関係であり、「非効率的に見える行為(=キャンプ、トレーニング)」を別角度から描いたものであり、テーマの説得力を持たせるサブプロットとして必要不可欠だと言える。
 しかし4コマ目と5コマ目の間は描写されておらずレイがトレーニングに前向きになった理由が完全に読者に委ねられており多少もやもやする。たとえばパッと思いつくのだと「一緒にトレーニングを続けてスミレのフィジカルに憧れた」「過酷なトレーニングで洗脳された」という2通りの解釈があり、前者はプラス、後者はややマイナス(というよりネタ)目的の描写になると思うが、前者であればレイにその旨のセリフを、後者であればヴェリタスの誰かに「せ、洗脳されてる……」みたいなセリフを言わせるだけでも意図が明確になると思った。
 意図をぼかして読み手に考えさせる手法は創作においてよく見られるが、今回の面白さの要点が共感であることやレイが脇役であることを考えるとわざわざ不明瞭にして読みやすさを損ねる必要はないように思った。

1個目のオチが微妙(主観)

SNSの偽情報に踊らされるマスコミの図

 しっとりとしたクライマックスの後に愉快なオチを設けてメリハリをつけるのはブルアカらしさがあるが、流石に隠れ名所であるキャンプ場(しかも冬)の洞窟の壁に描いた落書きが1日で発見されてSNSで話題になって確たる裏付けもとらないまま報道部もそれが真実であるかのように発表して発掘調査も開始されるのは無理があるように感じた。
 またそれだけならいいのだが、その後の展開が壁画を消さなかったマキに全責任があるかのように描かれて報道部その他が被害者のように見える部分はあまり好きではなかった(主観)。
 そしてこの後のエピローグでもオチに相当する一幕が行われており、二つのオチを比較した時に(単純な面白さや裏テーマとの関わりを考えると)壁画のオチのシーンの必要性が薄いように感じた。最後がオチ→オチと続いてしまっていることを考えると壁画のオチは削除するか2個目に纏めるかした方が綺麗な気がした。

おわりに

 内容的には特に凝った部分はないがプロット的にはかなり練られている印象があった。今までのイベストの中でも結構好きな方。まったりシナリオもすこです(2回目)







 そういえばここ数年全く鍋食べてない。というか正月以降米炊くのすら億劫でインスタントばかり食べてることに今更気づいた。箱で貰ったミカン毎日7個くらい食べてビタミン摂取!って言い張ってるけど流石に健康が心配だ……仕方ない。料理上手なチヒロに作ってもらうとします、か。。。

♬~

ミレニアムガクエ-ンの近くの店(で食べるより)おいしいお鍋作ったお前。

家庭的な女がタイプの俺「鶏肉と野菜の透き通ったスープの鍋……水炊き、かな?(ドヤァ)」
チヒロ「そう、正解(微笑み)」

一目惚れ♪



というか料理手伝おうとして拒否られて理由聞いて「き、今日くらいはゆっくり休んでほしいから……///」ってちょっと髪の毛いじりながら上目遣いに言われてぇ~~~ よしチヒロッ!!!さっそく一緒にスーパーに買い出しに……




……ん?







…………んん??















ぽぅ~わ~~~~ぴら~~~ぷら~ぷらっぷ~(ポ~ゥピ~~~パラパパラパプゥ~~~)♪♪♪








「もう、健康に気を付けないのは先生の悪い癖ですよ。」

過労気味の先生のために、日々様々な食事を振舞うフウカ。ある日、先生から「家庭料理が食べたい」と聞き、フウカはシャーレへと向かう。

引用元: Blue Archive Official Artworks, Memorial Lobby, フウカ「今日は先生だけのための食卓」






優しい笑顔にまた癒されて ベタ惚れ♪


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