黄金列車 佐藤亜紀
どーもほのぼの🍵です、今回は佐藤亜紀さんの黄金列車について書いてきます
あらすじ📚
ハンガリー王国大蔵省の役人のバログは、敵軍迫る首都から国有財産の退避を命じられ、政府がユダヤ人から没収した財産を積んだ「黄金列車」の運行にかかわることになる。
バログは財宝を狙う有象無象を相手に、文官の論理と交渉術を持って渡り合っていくが、一方で、ユダヤ人の財産である物品は彼を過去の思い出へといざなう。かつて友誼を結んだユダヤ人の友人たち、妻との出会い、輝くような青春の思い出と、徐々に迫ってくる戦争の影――。
ヨーロッパを疾駆する機関車のなか、現在と過去を行き来しながらバログはある決意を固める。
実在した「黄金列車」の詳細な資料を元に物語を飛翔させる、佐藤亜紀の新たな代表作!
私見🧐
ほのぼのはナチスの黄金列車について興味がありこの本をKindleで購入しました、サンプルを読むことなくジャケ買いというやつですね
まずナチスの黄金列車についてですがほのぼの的には都市伝説の1つだと捉えています、1945年の1月にナチス・ドイツが黄金を積み込んだ列車を地下のトンネルに埋めたとされる話です
おそらくこの手の話はどこの国でもあるはずです、日本でも徳川埋蔵金などの話はありますからね
昔はテレビでその発掘番組をやってたほどです
ほのぼのとしては都市伝説と捉えながらもロマン的要素を思いたくなる歴史好きの性みたいなもので手に取ったというわけです、いやKindleに落としたわけですはい
話は脱線しますが歴史好きはリアリストでありロマンチストだとほのぼのは思っています、どう言うことかというと歴史である以上現代までに伝わったり解明されている今現在の事実というものがあります(新発見などもあり変わることもあります)
その事実をまずは捉える、これはどうすることもできない純然たるものなので信じていたいこととは違っても受け入れるしかないです
ただその一方でこんなことがあったらいいなと自分なりの妄想だったり想像だったりとロマンチックなことに思いを馳せることもあります、証明されてないが故に余地がある
これもまた歴史も醍醐味とも言えます
この時この人は何を思ってたのか、実はこの人は生きていてその後◯◯になった、この両雄は実はこの戦いで何合も打ち合ったのではないかなど
歴史が故に無数の夢を思い浮かべることができます、そんな現実と夢が同居してるのが歴史好きの人だと思います
さて話を戻して
読み終わっての率直な感想としては冗長すぎて何度諦めようと思ったかしれません
言ってしまえば抑揚もへったくれもない話でした
主人公のバログ人生の過去と現在を行き来しながら黄金列車は走り目的地まで向かうわけですが、所々であれこれって昔なの今なのとハテナマークがついてしまう瞬間がありました
正直なところほのぼのはトム・クルーズのミッション・インポッシブルよろしくのような展開をちょっとでもいいから予想してたらそういった展開は皆無でしたね
主人公のバログはハンガリー王国の大蔵省の役人でユダヤ資産管理委員会の現場の担当官、ハンガリーの現在の首都ブタペストから財産を載せた列車を退避させる中で起こるさまざまなトラブルに対応していきます
それは時に地位のある偉い人間の無茶振りだったり、落ちぶれた軍人だったりと第二次世界大戦の末期とあってトラブルには事欠かないわけです
この小説「黄金列車」のいいところというのか普段生活していて役所に行って何や手続きや書類を発行してもらったりする際に、役所の対応(役人)に憤ることやそれぐらいやってくれてもいいじゃないかと思うことがあると思います
その時の役所や役人はたまた役所のシステムは完全に悪人になってるはずです、その融通の効かないシステマチックな対応がこの第二次世界大戦中末期の黄金列車での財産の運搬作業という状況下では善として光輝くわけではないのだがしかししっかりと顕現するところは
おそらく、恐らくこの本の醍醐味というか面白みなのではないかと思います、大爆笑を掻っ攫うのではなくニヤリと笑みを浮かべるいわば玄人的な楽しみ方なのかとほのぼのは思いました
官僚的というか何というか言葉や振る舞いとしてはルールなんでお願いします、私たち平役人には何の権限もありませんのでという場面
ただルールを運用するにもそのルールの意味を理解してこの状況でどのようにそれを運用していくかはその人の裁量が多分に含まれると思う、そのルールを盾に使うのかはたまた矛として使うのかどのようにどの場面でどの方向から
状況が変われば見方が変われば善悪がころっと入れ替わってしまうことが往往にしてあるといういい見本になったんじゃないかと思います
そう言った役人としての矜持みたいなものを感じることはできたかも…
主人公のバログがこの黄金列車での仕事に就くまでの中で色んなことがあり辛苦を舐めたことや楽しかった奥さんや友との想い出、それを経てたどり着いた現在の彼の平静な性格
それがこの小説のテンポになっていたのかも知れないですね
そこに気付けた俺凄いと自らを褒めてあげないと、と居た堪れないテンションで黄金列車を読み終えました
そんな1冊でした
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