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kanro055
好きの種類は、
彼と会う前はいつも少しだけそわそわしてしまう。
またいつものように飲みながら話して、酔いが回った頃に触りたくてたまらなくなる。
彼の隣に座って、話し続ける言葉を遮るようにキスをする。
そこでやっと〝もう、しょうがない人だなぁ″とでも思っているような感じで笑いながらキスを返してくれる。
この子のこういうところが私はとても好きなんだ。
梅雨が明けて、でもまだほんの少し湿度を感じる薄暗い部屋の中で、貪るように汗だくでセックスをする。
お互いの身体がほんの少しでも離れるのを惜しむかのように私を抱きしめてキスをし続けた。
何度も好きだと言う彼の言葉に
「セックス好きなの?」
とワザと聞いてみたら
〝aoiさんが好き″
「、、そんなに私のこと好き?」
〝うん。でも好きになったら迷惑じゃないかなって思う″
「好きになってもいいよ。私も好きだよ?」
仰向けで私を見上げている彼にキスをして
「両想いだね」
そう言って笑ってみせた。
彼の好きがどういう種類の好きかはわからないし、性欲が、今この瞬間好きだと思わせているんだろうけれど、そんな事は別にどうでもよかったりする。
ただ、一緒に過ごす時間の中だけでも恋愛ごっこに没頭できて遠慮しないで好きだと言える相手がいる事が幸せだなと思うし、
だから私はこの子と過ごす時間と、
この子の事を大切にしたいなと思うんだ。
手を繋いで歩いて、
改札でキスをして、
「またね」と手を振る。
明日の朝は、甘い余韻で目が覚めて
幸せな時間を回想する休日になりそうだよ。
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