旅から学ぶ地域の盛り上げ方【小江戸川越編】
最近、自分が生まれ育った地元について、よく考えるようになりました。観光客もそこまで多くなく、少子高齢化が進む“日本の典型的な地方”である私の生まれ故郷。「何か還元できないか?」「もっと地元の魅力を発信できないか?」と色々考えることが増え、旅行に行ったときには、地元に活かせる何かを探す自分がいます。
この週末、上京5ヶ月目にして初めての埼玉県、「小江戸川越」へ行って来ました。・・・と言っても、「埼玉県に行きたい!」と行き先を決めたのではなく、関東出身の友人に「関東のどこかに行きたい!」と希望を伝えたら、彼女が提案してくれたことがきっかけです。すぐに「行きたい!」と思ったのは、やっぱり「小江戸」という魅力的なネーミングでしょう。説明せずともその場所の魅力を伝わる良い愛称ですよね。名前だけで、江戸時代のような街並みが想像できます。
こういった地方都市にとって、一番の魅力はやっぱり「都会から近い」ということだと思います。私の地元は“陸の孤島”と言われていて、最近ようやく高速(まだ完全ではないので無料区間)が開通しましたが、それまでは峠を越えないとたどり着けない交通が不便な場所でした。
小江戸川越は、東京の都心部から1時間ほど(池袋であれば1時間弱)。外国人観光客も少なくはありません。おそらく、東京の定番観光地に飽きた人たちが来るのでしょう(団体客らしい人たちはおらず、個人旅行の人たちが多い印象でした)。旅行者は時間が限られていることがほとんどなので、交通面で便利な主要都市から近いというのはかなり有利です。田舎に行くと、電車が1時間に1本ということもありますからね。
小江戸川越が注目されているのは割と最近なのか、その日の夜、知人に小江戸川越に行ったと伝えたら「昔、その近くの学校に行ってたけど、外国人観光客なんて当時じゃ考えられなかった。今日も小江戸川越がテレビで紹介されていたよ」と言っていました。
今回、「小江戸川越」に行って魅力的だな〜と思った場所の1つ「小江戸蔵里」。観光館とレストランが併設されている場所ですが、この日(土曜日)はイベントが開催されていました。
川越市産業観光館「蔵里」では、日本酒の角打ちが気軽に楽しむことができます。埼玉県の日本酒なんて考えたこともなかったのですが、やはり旅の一番の魅力は「その土地の名産を食べたり、飲んだりすること」。500円でコイン4枚を購入し、コイン1枚でおちょこ1杯分の日本酒を飲むことができます。
蔵里の仕組みがいいな〜と思ったのはこちら。
1.駅からメイン観光地である「蔵造りの街並み」へ行く途中にある
2.入りやすいイベントで人の流れを作っている(土日限定かな?)
3.自動販売機で気軽に、40種類くらいある日本酒から好きなものを選べる(選べる楽しさ)
4.ワンコインという気軽な値段で4種類の日本酒の味を飲み比べできる(1、2種類は少ないけれど4種類というのがちょうどいい)
5.日本酒を飲む「おちょこ」がきちんと用意されている(紙コップならここまで雰囲気は出ない)
6.「スタッフおすすめ」「限定」他、お酒の特徴もきちんと説明されている(気分や好みに近いものが選べる)
7.日本酒以外もコイン購入(人件費、最低客単価の設定などの面でも◎)
8.気になった商品はその場で購入できる(やっぱり購入に繋げたいですよね)
9.寒い季節にぴったり!熱燗にすることもできる(+αの楽しみ方)
10.英語での説明も表記あり(外国人観光客への対応)
やっぱり埼玉に来たからには(なかなか来れないし)埼玉の地酒があると言われたら飲みたいし(お酒が好きなのもありますが)、限定と言われると弱いんですよね。館内には埼玉の日本酒の瓶も並べられていたり(一応映えポイント!?)、日本酒のコスメなども販売されていました。
そして、今回思ったのは「○○横丁」「○○通り」と名付けるのはいいな〜と。もちろん、名前負けするような場所であったり、“ワクワク”が連想できないものであれば意味がないのですが…。小江戸川越には「菓子屋横丁」と「大正浪漫夢通り」がありました。メインである「一番街通り」と言われる「蔵造りの街並み」もあるのですが、ここは呼ばれ方が2通りあり、「一番街通り」では観光客からすれば何が魅力なのか瞬時には伝わりませんよね。でも、「菓子屋横丁」はお菓子屋さんがたくさんあると想像ができ、「大正浪漫夢通り」は、大正ロマンな雰囲気なんだろうな〜と想像ができます。その通りのイメージがすぐに伝わるように「○○通り」「○○横丁」と新しくつけるのもありだと思いました。
そして、小江戸川越の特産は「さつまいも」「醤油」「うなぎ」などらしいのですが、それをうまく活用しているお店が多いな〜と思いました。もともと昔から有名なものもあるかもしれませんが、「醤油」ならお団子、焼きおにぎり。うなぎなら「うな丼」や「うな重」はもちろん、お腹がある程度満たされた私たちにぴったりの「ミニ蒲焼き」の串を売っているお店もありました。また、「さつまいも」はたくさんあって、焼き芋はもちろん、お菓子やアイスクリームなど幅広く活用されていました。
特に魅力的だったのは、この3つ。「インパクト」のあるお菓子と「地ビール」です。
1つめは、20〜30分待たないと購入できない、思わず写真を撮りたくなる見た目の「おさつチップス」。小江戸川越を歩いていると、長〜いおさつチップスを食べ歩きしている人たちがいて目立っています。それを見て「何あれ!?」と欲しくなる。そのインパクトある見た目で自然と街歩きしながら勝手にプロモーションができるのです。
(真ん中がおさつチップスです)
そして2つ目は、上の写真でも出て来ましたが「COEDO BEER」。まさに小江戸に来たら飲みたいものであり、見た目もオシャレなんです(これは生ビールで、持ち帰りしやすい瓶と缶もありました)!生ビールとそうじゃないものが選べるというのもニーズによってい選べていいですね(しかも種類も何種類かある)。
そして、こちらも見た目インパクトがあり、「何あの長いの!?」と思った麩菓子です。私がもともと麩菓子が大好きというのもあるのですが(洋菓子より和菓子派です)、見た目も面白くて絶対買おうと思っていました!(でも、これはこの後電車で移動し、夜は渋谷で予定があった私は持ち歩くのに苦労をしました。笑)
都心からの近さはどうにもできないことですが、「特産品をニーズに合わせてアレンジしたもの」や街の特徴を名前でアピールすることは地元でも出来ることだな〜と思いました。
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