お花見弾丸ツアー:池上本門寺
桜の花咲く園を求めて!今回は東京都は大田区、広大な寺領を持つ池上本門寺に来ておりますわ!諸事情により、今回から画像フォーマットではなく、テキストフォーマットでお送りいたします!
池上本門寺は、日蓮宗の寺院。正式名称を「長栄山 本門寺」といい、寺格は大本山。七つある大本山の中でも日蓮入滅の地として知られ、いまなお広大な寺領を持ち、おびただしい数の史跡・文化財を有することで有名ですわ。この総門と扁額もそのひとつ。
池上本門寺の池上とは、鎌倉の世にこの地の名前であった武蔵野国 池上郷、そして日蓮の有力な檀越(信者でありパトロンのようなもの)であった鎌倉武士、池上宗仲の名から。彼が寺領を寄進して以来、池上本門寺と呼びならわすようになったとか。
本当に九十六段なのかどうか……さすがに法華経の一節を憶えてはおりませんし、途中でゼーハーしていたので数えるのはやめましたわ。
……なのですけど、どうしてもこの真ん中の部分が何かのキャラクターの顔に見えてしかたないのです!葉っぱか花の図案だというのはわかるのですけども、抜いている部分が太眉の犬かなにかに見えてしまって、もうそれ以外には見えなくなりましたわ!たすけて!(;´Д`)
池上本門寺は知られざる桜の名所でもありますの。今年は桜の開花が足踏みしていたおかげですっかりタイミングをずらされてしまい、また春の嵐や急激な気温の変化による私自身の体調不良、またおばあさまの急な発熱に伴う看病などで、ついにソメイヨシノを鑑賞する機会には恵まれないと思っておりましたけれども──
ばっちり大当たりですわ!これほどの広大な寺領ならば、まだまだ盛期のソメイヨシノがあると踏んでおりました!(訪れたのは4月14日)
でも今回は参拝に来たのではありませんので、ここで右に折れ、桜の方に近づいていきます。
だいぶ葉桜になりつつありますけど、まだまだいけますわね!
アル……アルミニウム製?!
像を作る金属は銅か青銅、鉄や金、銀が相場だと思っておりましたのに!やけにギラギラしていると思ったら、まさかのアルミニウムだとは!堅牢製とか、対腐食性とか、他の金属像に比べてどうなんでしょう。他にアルミ像って、存在するのでしょうか?
ああ、なるほど!以前、博物館で見た昔のお弁当箱と同じですね!アルマイト処理かなにかをして、表面を硬化&腐食防止としているのでしょう。そう書いてあるわけではありませんけど、そうでなければこんな雨ざらし、吹きさらしの所に置いておけるわけがありませんもの。
制作は彫刻家の北村西望先生。長崎平和記念像の制作者ですわね。奉納は富山県の黒谷美術という会社となっているので、鋳造したのはこちらでしょう。
しかし、アルミ像ですか……世の中にはまだまだ私の知らないものがたくさんございますのね。今後は、像の材質にまで目が行くようになるでしょう。勉強になりますわ~!
ところで、日蓮上人の像って、上野アメ横の徳大寺にある像もそうですけど、こう……マッシブと言いますか、オフェンシブと言いますか、力強い立ち姿で造られることが多いような気がするんですよね。これはもう、来歴に由来する個人の特性みたいなものなのでしょうか。
とはいえ私、日蓮は嫌いではありませんの。むしろ現代に生きていたらバチバチにディベートとかやりあって、(ふん、なかなかやりますわね!気に入りましたわ!)というライバルポジにしたいくらい。それくらい、キャラとしてはおいしい性格をしていると思いますの。さすが日本の主要十三宗派の中で唯一、開祖の名前を宗派名につけるだけあります。
近くに幹線道路(国道1号線)があるとは思えないほどの静けさ。広大な寺領だけあります。
桜は日蓮上人像の周りだけではありません。いったん本堂の方に戻って、近くを探してみましょう!
桜の下の特等席に屋台を出すのはどうなんですの……反対側に出店して、桜の下に席をもうければ、いくらでもお客は入るのでは?
身延山は、山梨県南巨摩郡の身延町と早川町の間にまたがる山。日本仏教三大霊山のひとつに数えられ、日蓮宗の総本山としても知られています。
身延山久遠寺は日蓮が修行の日々を送った場所であり、日蓮の遺骨を祀った場所でもある、名実共に日蓮宗の総本山。その身延山から贈られたシダレザクラということでしょうか。
死の直前、身延山から湯治のために足を運んだ日蓮の姿が重なりますわね……
なぜ、池上本門寺が知られざる桜の名所なのか。お花見の好適地として名前が上がらないのか。その理由がここにございます。
ほとんどの桜が、墓地の中にあるのです。
どんちゃん騒ぎはもちろんご法度。桜を鑑賞する時は、死者の眠りを妨げないように、礼節をもって訪れましょう。
力道山って、あの力道山ですわよね。プロレスラーの。名前しか知りませんけど。ここにお墓があったのですね。
お墓の中を通り抜ける途中、何本かの卒塔婆がカタカタ鳴っておりました。卒塔婆とは、日本仏教では追善供養、つまり故人の冥福を祈るために建てられるもの。いわば故人への手紙のようなものだと、私は解釈しております。そして、その卒塔婆が鳴るということは、死者が返事として語りかけてきているのでは……とも思えますの。
うららかな日差しと、花吹雪が降り注ぐ、生の終着点。
鳥の声と風の音だけが耳に届きます。
見上げれば、蒼き天に向かって立つ朱塗りの塔。
はらはらと散りゆく桜……
全身の感覚が透明になり、濃密ななにかの中に抱かれ、押し進むとそのなにかの流れを感じるようなものを覚える──
うらはらに精神は、空間に拡散して、しかし確たる意志をもってたゆたうような──
そんな不思議な気持ちを味わいました。
いかがだったでしょうか?
東京23区屈指の霊場、池上本門寺。大本山の称号にふさわしい寺格、雰囲気をまとっておりましたわ。今度来るときは、力道山のお墓におまいりするプロレスラーを探してみましょう!(*^^*)
さて、今回から、お花の投稿には私がイメージする音楽をあわせてご紹介したいと思います。これはnoterの「星の汀」さんがやっていらしたのを真似させていただいたものですわ(*^^*)
今回の「お花見弾丸ツアー:池上本門寺」に合わせる曲は、こちら。
画像をクリックすると画像だけ切り替えて見られますので、曲を流しながら画像をめくるようにしてもお楽しみいただけます。
それではまた、どこかの桜の樹の下でお会いいたしましょう。
ごきげんよう~
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